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開幕前~劇場にて~

『小説は事実より奇なり』

 あなたは、この世界が現実と思いますか?

 あなたは、この世界が真実と思いますか?

 あなたは、この世界が事実と思いますか?

 あなたは、この世界が真正と思いますか?


 一度は、考えたことはないでしょうか?


 …………これは、現実だと。


 某テーマパークで終わりの鐘が鳴り、そのテーマパークから去って一夜明けた時、受験に合格して、合格後の説明会に行く時、心の底から焦燥感に襲われたことは無いですか?


 ンッ? 僕や私(じぶん)はまだ十代だから、そんなこと感じたことない……ですか……。


 いいえ、あります。分からないのなら、呼び方を変えましょう。

 目の前が大火事になって家も物も全て消えた後、その後片付けをする際に、津波で何もかも奪われた時の片づけに、毎日の行動を、心の奥底にある虚無感と空虚感。ありますよね?

 無い、なんてことは無い。

 無意識のうちに経験し、無視し、背けている。それを全て夢、幻想などと言い否定する。けれどもその大きな出来事が過ぎ去った毎日の平和、という鳥籠の現実(振りをしている鳥)が今、我々が見ている現実です。……………それ故に、我々は宗教や科学などに縋りつき今まで生きています。ですから、聞きたい。この世界を見ている観客、観衆、読者、第三の壁の先にいる傍観者という張り紙(レッテル)を自ら張り付けている方々。貴方達です。ほら逃げないで、目を背けないで、後ろを見ない。貴方です。貴方。


 証明できますか?


 目の前の世界が、耳から入る世界が、肌から感じるその熱が、証明できますか? 理解できますか? 体も感覚も思考もただ一つ。故に貴方方は証明ができない。結果、何が言いたいかと言いますと、

『愚かだ』

 元よりこの話は現実でもない真実でもない虚空の物語ですから。嘘は言っていません。勘違いはやめてもらいたい。この物語は、貴方が逃げた先、可能性の話でもありますから。


『けど、己は己。 他人の物語などに影響されない』?

 …………………………………………くっ、ははははははははっ! 面白い。なら、実証を兼ねながら、観客席で見ましょうか? ほら、貴方の席は既に取っています。どうぞ、座ってください。おや、そんな後ろでは物語の本懐を味わえません。どうぞどうぞ、私の御側に、そう、そうです。開演ブザーは既に鳴っていますから残念ながらポップコーンやコーラは買えませんよ。買えるとしたら帰りのパンフレットくらいです。

 ほら! その手に持っている携帯は電源を切って、懐に入れる。最近の俗若者は携帯ばかりに見てしまうから、映画も一本見れないのですよ? 時には、携帯から目を離し、物語を見なさい。しっ、騒がない。暴れない。………ふむ、そうでよろしい。

 おや、もうそろそろ始まりますよ? 固くならず、ゆったりとして楽しんでください。私は裏方(スタッフ)? 残念、私は今日はお休みです。ですから、私も貴方方と同じこの物語を楽しむものです。では、始まりますのでお静かに、観覧を楽しみましょう。

 今、そこの画面の向こうにいる、この物語を読もうといている貴方もです。

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