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異世界キャンプ旅  作者: 天浮橋
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◆目的地


◆目的地


俺とサキさんが行きたかった所というのは、出雲大社いづもおほやしろだ。


御祭神は、言わずと知れた大国主大神おおくにぬしのおおかみである。


いまでは“えんむすび”の神さまとして人々に慕われているが、この“縁”とは男女の縁だけではなく、この世のすべてのものが共に豊かに栄えていくための貴い結びつきなのだそうだ。



俺とサキさんが結婚できたことも、この不思議な縁によるものだと思う。


何しろ俺たち二人が夫婦になれたのは、異世界のキャンプ場での偶然の出会いなのだから。



出雲は、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと、後の大国主大神)が「宮造作るべきところを出雲の国にぎき」と古事記にある。


そして須賀に宮を作っているとき其地より雲が立ちのぼり、それを歌によんだそうだ。




やくもたつ       いくつも雲がわき起こり


いづもやへがき     雲が幾重もの垣となる


つまごみに       夫婦を籠らせようとして


やへがきつくる     八重もの垣を作る


そのやへがきを     その素敵な八重の垣を


                ↑


こうの史代「ぼおるぺん古事記」(発行者:石川順一/発行所:株式会社平凡社)より引用





***


富士の麓にある、ふも〇っぱらキャンプ場を出発し、出雲大社がある島根県までは、新東名→伊勢湾岸自動車道→新名神→名神→中国自動車道→山陰自動車道を走って行く。


距離にして約700km弱。 途中休憩しながらだと10時間以上かかる。  うちの軽ワゴンなら半日はみておきたい。


それに、ふ〇とっぱらを出て来たのは午後4時過ぎなので、出雲に着くのは寝ずに走って早朝4時ごろになる。


いくらなんでも寝ずに運転するのは、しんどいので途中仮眠する予定だ。


サキさんはお酒を飲んでいるので、出雲に着くまでは運転させられない。


まあ、いま爆睡しているので起こしても起きないだろうけど・・・



とりあえず今は次のSAを目指して、走行車線を90km/hでゆっくり走る。


最終目的地は出雲大社だけど、今回のキャンプ地は松江市にある「宍道ふる〇と森林公園」を予定している。


なぜなら日本の夕日百選に選ばれる「夕暮れの宍道湖」も見てみたいという単純な理由だ。


このキャンプ場もアウトドアを満喫できる設備が充実している。  近くには「大森の湯」という温泉があるのも良い。



そんなことを考えながら運転していたのだけれど、前の日から睡眠不足だったのと今日の式で緊張の連続だった疲れが出たのか、ついウトウトしてしまう。



はっ と我に返り思わずハンドルを握る手に力が入った次の瞬間。



にゃあ


いきなり運転席の後ろで猫の鳴き声が聞こえた。


えっ?  サキさん?  起きたの?


俺は運転中なので、確認したくても振り返れない。


一生懸命バックミラーを動かして後ろを見ようとするが、日が暮れていて車内は薄暗くよく見えない。


寝言だったのかな・・・



長い間同じ姿勢で座っていると腰が痛くなるし眠くもなるので、シートの腰掛ける位置を少しずらす。


よいしょと座りなおしたところに、後ろから助手席に勢いよく猫が飛び込んで来てストンと座った。


おわっ!   えっ? まさか・・  サキさん?


にゃ~


た、たいへんだーーー!




第51話「いったいどうして?」に続く。

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