純情と美を縫う、影のエッセイ
掲載日:2019/02/17
この白い部屋の中心で、
心を踊らせる僕はタッタ一人、
絵筆を持ちながら、
彼女の横顔を思い出しておりました。
僕の心に咲いた、
儚いあの子の微笑みは、
まだその美しい生命を、
この世界へと、
描写してくれるかのようでありました。
ふわりと舞った黒髪に、
白いハイビスカスの芸術を、
可憐に垣間見せてくれたのです。
あの子は幻想のようで、
現実の存在でありました。
華奢で、健気な、
差し詰めイデアの如き存在。
そう捉えて離さないから、
おおよそ閉じこもった、
この白い部屋で、
画板へと向かって、
彼女を描写するのであります。
肌色は純白の如く、
黒髪は漆黒の如く、
念頭に置いて、
絵筆を立てるのであります。
純情と美を縫う、イデアの存在。
しかしながら、
痛烈な情念を胸に秘めるのであります。
ほとばしる熱気が、僕の指先を伝って、
大胆にも、空間と空間どうしの、
隙間を縫うのであります。
瞳は純情。
ニッチな波動。
その筆の先に、高次元の空間。
愛しさと、困窮の物語。




