キャラクターの育て方
今更語るまでもない話とはおもいましたが、
一言で、すますなら、「ガラスの仮面」を見てください。
あれは教本です。
おそらく、誰でもがやっていることだと思います。
人格、アバター、ペルソナ、回路、
そういうものをキャラという枠に込めるだけ。
それに背景という状況、情報を与えてやれば動く。
言葉で表現すればそれだけです。
難しくはありません。日常、誰もがやっている行為の延長です。
相手を意識して話すということ。
その延長でしかありません。
朝起きて、
家族がおはようと言ってきたら、
1.おはようと答える
2.黙っている
3.いきなり殴りかかる
それになぜそうしたのかの理由づけを考える。
例えば2.で、
2a.具合が悪いから
2b.テストの結果が悪く不機嫌
2c.不機嫌なのは彼女に振られたから
そしてその後のこと。
返事のなかった家族はどう対応するのか?
怒るのか、心配して言葉をかけるのか、答えてくれるまで見守って待つのか。
ここに理由づけを繰り返していけばお話は転がります。が、この部分はストーリーも含むのでちょっと違いますから、話を戻します。
起きた物事に対する理由づけは常につきまといます。
たまたま、偶然、それも理由ですが、もっと深く突き詰めてゆく。
昨日あった出来事。
一年前に起きた事件。
生まれたときから、あるいは生まれる以前からの場合だってある。
そういう理由づけが積み重なった結果としてキャラが動き、今日の出来事がおきることもあると思います。
理由づけはキャラとしての性格、嗜好から入ってもいいです。
A.猫が好き。なぜ好きかは自分に似てるから。
B.猫が嫌い。昔引っかかれたり噛まれたりしたから。今も傷跡が残っているし。
キャラに対して、そういう理由づけを繰り返しているうちに、
そのキャラを動かす回路が自然にできてゆきます。
何かを育てる感覚でしょうか。
そのキャラをお話に配置すると、ストーリーで自由に動くわけです。
けれども、なかなかそうはなりません、残念ながら。
天才の作ったものならそうなるのかもしれませんが、まあ自分など凡人が作ったものは程度が知れる。そんなところでしょうか(笑)
ただ、お話をよく観察していたり、キャラのセリフやその心の動きに耳を澄ましていると、
キャラ自身がやりたくないこと、言いたくないことで、
お話が止まったり、がたつくことがあるんです。
自分(作者自身)がやりたくない場合もあるので、そこはフィルターをかけて切り分ける必要があります。
それで濾しとった部分、自身の考えでなさそうな残りに、
自分がやりたいはずなのに、どうにも違和感が起きる動きやセリフがあったりする。
そういうところで少し止まり、何か起きるのを待っているうちに、動きやセリフが浮かんできたりします。
これを閃く、と表現する場合もあると思いますが、
自分の場合、キャラが動くとか囁くみたいに解釈したりしてます(苦笑)
実際、動きかたや頻度はキャラのタイプ(性格定義、プロフィールの詰め込み方、日常からの積み上げなど)によって千差万別ですね(笑)
普段から暴走ぎみに(勝手に)動くのもいれば、
納得していないけれども、お話の流れに従って動いている(キャラとして勝手には動かない)やつもいる。
そう感じるしかない、しゃべりや動きをするキャラが出来たりするので、
キャラが動く、なんて言っています(笑)
自分の想定外の動きは、面倒だけれど本当に書いていて面白い。
自分はそんな印象を持ちながらお話を書いています(笑)
自分はTRPGの経験から、その辺り、キャラにいろいろ込めたりするのが多少習い性になってるので、そんな感じで育ててますね。
TRPGを楽しまれた人とか、演劇のエチュードとかを経験、やった方なら、なんとなく伝わるのではないでしょうか?
役割を演技するってやつです。
まあ、一番大事なのは普段からキャラを構ってやること。
無理に引っ張り出さなくても、
飯を食っている時にそいつならどう食べるか?
あのヒロインなら自分の食べ方に眉をひそめるか?
自分がぐでっと椅子に腰掛けている時に、あいつはきちんと椅子に座るだろうとか、
あの主人公なら椅子でなくテーブルだとか(笑)
自分の生活の中で、ちょっとキャラを思い出してやればいい、
その繰り返しだけです。
もしキャラに何もしないでお話が完結して、そのキャラは使わなくなる。
そうすると、大方のキャラは消えてしまいます。
忘れたり、無意識に必要だと感じていたキャラの特徴や性格などは、自身へ吸収、統合されて自分の精神の一部になったりするみたいですが。
↑もし消えないなら、そのキャラはちゃんと育ってます。と思います。
まあ自分にも、
消えない、そういう時の流れに抗するキャラがいて、TRPGのシナリオで使ったキャラ達、
自分自身がプレイしたPCや、シナリオのために作られたNPC、
その一部は、30年近く(キャラによっては30年以上)経った今でも、
最近いろいろ書きはじめるまで、ほったらかしのままでいたにも関わらず、
キャラシートもシナリオも能力値すら残っておらず、イラストが1、2枚残っているだけだったり、名前しか記憶の中に残っていない状態だったりしたとしても、
そういうキャラは引っ張りだして背景を提供するとしゃべりだしたり、笑ったり、お互いにケンカしたりします(笑)
それくらい、当時大事にしていたんでしょうね(苦笑)
キャラに魂を込める。
人によってやり方は違うと思いますが、自分の場合はそんな感じです。
もうひとつ違ったやり方がありますが、
まあ、それは別の機会に(笑)
生き延びたTRPGのキャラ達との付き合いは、おそらく自分が死ぬまで続くでしょう。
そして願わくば、今書いているお話のキャラも、そうならんことを。
「修羅になる」で応援したい、頑張ってほしいと祈っていた方は、なろうを退会されました。
自キャラの稲荷狐がお話のなかで、
「世界は哀しい。
楽しい時間、大切な友人たち。
それらはいつも、ぱちんと弾けてしゃぼん玉みたいに消えてなくなる…」
なんて言ってましたが、
本当にパチンと、しゃぼん玉みたいに居なくなられてしまいました(>_<)
かなしい(;へ;)
本当に、名前すら消えて、メッセージでやりとりした言葉だけがページの中に浮いている。
その人は戻ってくるとしても別の名で。と最後に残していきましたから、本当に終わり。
そういうことです。
頑張って前進してください。
ありがとう、短い間だけど楽しかった。
そういう祈りと感謝。それはここに書き記しておきます。
いちおうね、自分も物書きなので。