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in the neighborhood,we had had no terrible incidents for a long time.
(この地域では長い間大きな事件は起きていなかった)
【7(side by sister[1/2])】
気付いたのは偶然か運命か。
そんな淵源は今は置いておこう。
姉は自室の窓から、隣の家に急いだ様子で来るパトカーを眺めていた。
お隣さんとは所謂、家族ぐるみの付き合いをする仲だ。
しかも、弟がその家の同い年の幼馴染といい雰囲気と来ている。
気にならないわけが無かった。
「……なにかあったのかな?」
とりあえず、下の部屋で家事に勤しんでいるハズの母にでも聞いてみよう。
そう思い、階段を駆け下りていく。
「ママ―!」
お母さんではないのかって?
大学生がママと言って何が悪い。
最早、姉には呼び方を変える気はない。
だが、どれだけ待っても返事は無い……
屍にでもなってしまったのだろうか。
ならば、早く地図を見つけ、大魔王を退治死に行かなくては。
さて、そうこう一人で笑っているうちに、時間は過ぎた。
どうやら出かけているらしい。
「しかたないなー」
お隣さんを見に行こう。