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第2話:俺の頭はお花畑

魔法陣が極光を放ち、目を開けていられなくなり頭がパニックになっている。


いつの間にか浮遊感があり、徐々に光が弱くなるにつれて話し声が聞こえてくる。

そして数秒後光が消えるとともに浮遊感も消えていた。


目を開けるとそこには俺が普段生活しているような見知った景色はなかった。床は木目のフローリングではなく赤い絨毯。壁は茜音の賞状入りの額縁やカレンダーではなく石造りの壁に旗みたいなもの。

そして先程まで3人だったのが周りを見ると大勢の人に囲まれている。近くにはローブに身を包む怪しい集団、鎧をまとった強そうな集団が円を描くように、少し離れた高いところには高価な服装のえらそうな人が数名、それを護るように強そうな人が数名いる。そして信じられないだとか成功だなどという声でザワついている。


俺たちは顔を見合わせたまま固まって口をパクパクさせている。

そんな中で一番に正気に戻ったらしい。日頃の成果のおかげだ!

何しろ夢にまで見た世界なのかもしれないのだから!正気であるが正気ではない。

そこは普通では辿り着けない世界、授業中、意識を向ける世界、そう妄想の世界だと考えたのだ!漫画や小説などで題材にされる異世界では?と俺の脳内サミットが結論を出したのだ。

そんなことを考えていると、


「ちょっと、これどういうこと!?」

「えっ?えっ?えー?」

キョロキョロとしつつ思考能力を取り戻しつつある二人の声が聞こえた。マジで驚いたら声が出ないってのは本当のことだったんだな・・・


そして、周りを見回し、明らかに元凶であろうものたちに向かい言う。

「申し訳ないのですが、説明していただいてもよろしいでしょうか?」

「そ、そうです。説明を・・・」

「何をしたんですか?」

困惑しながらも説明を求める舞

それに同調する茜音

確認する俺


俺たちが言葉を発したことであたりは静かになる。代表して一番身分が高そうな初老の男が口をあける。

「ワシから説明させてもらおうか。その前にワシはこのザムスターク王国の12代目王である。ジルヴェスター=N()=ザムスタークである。説明の前に其方達勇者様方の名前をお尋ねしてもよろしいか?」


やはり予想通り王だった。

そして、俺たちのことを今なんといった?勇者?勇者と言わなかったか?俺の聞き間違えではないだろうか?俺のテンションが徐々にアップを始めていく。

「これは申し訳ない、私の名前は、喜九川舞と申します。動揺して遅れてしまいました。」


なんとか平静を保っている舞が答えた。こんな状況でも礼儀が正しいなと感心していると。俺に目配せをしてきた。

この状況で余りテンションが高いと不自然な気がするので深呼吸をして

「俺、いや、私は如月悠楽と申します」

「あ、あた、私は、如月茜音です。悠に、悠楽の妹でござります」

俺に半分隠れて少し遅れながらと茜音が名乗る。

いや、緊張するのは分かるが最早まともに喋れていない。なんやかんやいってもやっぱ可愛いなこいつ!

とまずは第一コンタクトは終了したのである。何か変な感情が混ざってたのは気のせいだ。


「ふむ、如月殿、如月殿、喜九川殿ですな。誠に遺憾ながらどう呼ばせて頂こうか。」

あ、なるほど察するところこの国はアメリカンな方式での呼びかたなのだろう。

「私共の世界の住んでいた国では、ファミリーネームが前に来るので下の名前で呼んでいただいたのでよろしいです」

俺も緊張しているのか敬語がぎこちない。というかあってるのかこれ?



「それではあらためて、舞殿に悠楽殿に茜音殿ですな、はじめに言っておく。ワシらの都合により勝手に呼び出してしまって申し訳ない。」

「それはどういうことでしょうか?」

一歩まえに出て言う。くー今の俺カッコいい!色々と妄想強(べんきょう)してきた甲斐があったぜ!


「それは、私どもから説明致します。私は大臣のアレクシス・ロールナールと申します。」

「私は今回の召喚魔法の実行責任者、宮廷魔導師をお任せていただいてある。ローザリンデ・ハルトマンと申します。ロザリーとお呼びください。」


大臣のひげじじいはともかくロザりんは金髪ブロンドの短髪、透き通る声、なによりローブ越しでもわかる曲線美!!まだ若そうなのに宮廷魔導師ということは実力も相当なのだろう。はぁ、あんな人と付き合えたら世界が変わるんだろうなー。もう変わっちゃってますがね。


よろしいですか?と言われ我に返り説明をしてもらった。

大まかにまとめると

魔王が復活し、それに伴い各地の魔物の活性化してきたそうな。古より伝わる伝承のもと予言に従い勇者を召喚するべく、召喚魔法を行ったそうだ。

そして、召喚魔法は一方通行の技術らしいことが分かった。今も文献をもとに召喚魔法の帰還法は復元の最中らしい。


それを聞いていた俺の心はもうそれは有頂天に達していた。今なら年中有頂天ボーイの吉光にも勝てる気がする!踊り出したい気分だ!が、外には出すまいと必死になって抑えていた。脳内サミットは正にシャンパンファイト中なのである。とりあえず冷静になるのだ俺、落ち着くんだ俺よ。


「ということなのだが、勝手な願いなのはわかっておるが力を貸してはくれぬか?」

ジルヴェスター王が俺たちにそう問いかける。


「申し訳ないのですが少し相談させては頂けないでしょうか?」

「うむ、良い返事を期待しておる。とりあえず20分程時間を取ろう。その間に決まるならよし、決まらぬば一旦解散してまた後日としよう。ワシらも考えをまとめねばなのでな」


ということで相談タイムが始まったわけだ。

それにしても舞のやつ堂々としすぎだろう。俺の立つ瀬がねぇわこれ。

吉光「名前がでた!これは俺様の勝ちだな!」


はい、そんなわけで召喚からの一通りです。

謁見は今の所2〜3話かかる予定です。

1話にまとめたかったですが伸びちゃいました!

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