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第4話:旦那の仕事




 旦那の仕事を知らぬは、嫁の恥!?




 という訳で和屋杏子は旦那の仕事場を訪れた。まぁ、ただ家に一人でいるのが淋しくて旦那に会いに来ているだけなのだが…。それは内緒である。




「北条、相手先に連絡入れといてくれ。関内はこの書類の書き直しをよろしく!」




 そう言って旦那はきびきびと働く。なんと言うかもう、格好良いの一言である。杏子は旦那の仕事ぶりを見てぽぉーとなってしまう。家ではだらしなく、服を脱ぐのにも杏子に手伝いをして貰っている旦那。しかし、今は部下を従えて大きな仕事を一挙に任されているやり手の会社員である。




「和屋専務、先方から例の事で話があるといま下に来てるそうですが?」




「先方?先方、先方、先方!?…あぁ、長田か!?たく、あの会社まだ話たりないのか?しつこいなぁ…」




 専務という役職につく旦那。専務という役職がどんなポストなのか杏子には分からない。分からないが旦那のお給金からみて…たぶん、かなりの上の位に思える。思えるが旦那の仕事は激務だ。杏子は会社という物は上に行けば上に行くほどらくになると思っていた。しかし、旦那の働きぶりを見る限り楽には見えない。




「杏子、悪いな。昼飯はもう少し後になりそうだ。俺も早く昼休みに入りたいんだがなぁ…」



 そう言い旦那は杏子の頭を撫でる。旦那は仕事現場では一人称が自宅の『僕』から『俺』へと変わる。というか、杏子と居るときは大体が『僕』という一人称なのだが…。激務の中、旦那の一人称は『俺』のままである。


「うーうん、しょうがないよ。私は大丈夫だから…」



 そう言い杏子は首を横に振る。旦那の優しい笑顔。凛々しくて逞しい、仕事場の旦那。その中での旦那の優しい笑顔。杏子の胸の鼓動は止まる事を知らない。ドキドキドキと激しく鼓動が鳴り響く。



 いま自分はどんな顔をしているのだろうか?杏子は自分の顔が真っ赤になっている事に気付いていた。だから、もっと凄い事になっているのでは、と杏子は心配する。旦那は知ってか知らずか杏子の頬をそっと触り、仕事に戻る。


 旦那の仕事はやはり激務である。




―――

――




 時計は午後1時半を回る。この旦那が働く会社の昼休みは午後12時半から始まり午後2時に終わるという極めて珍しい会社である。




「いやぁ、あと30分しかないよぉ?」




 旦那はケラケラと笑いながら杏子の手を握る。




「仕事…忙しそうだね」




 あまりの旦那の働きぶりに、杏子は淋しくて会いに来た事を恥ずかしく思う。旦那はあんなにも頑張っていた、しかし、自分はどうだ?ちょっと淋しくなったからといって家事を投げ出し旦那に会いに来てしまった。嫁として失格である。杏子はとぼとぼとビジネス街を歩く。




「あれ、らしくないなぁ〜?杏子ちゃん、杏子ちゃん、杏子ちゃ〜ん?」




 もしもーしと旦那は杏子の顔の前で手をヒョイヒョイと振る。




「んん〜?杏子は何が食べたい?和食?中華?洋食?」




 杏子とは対照的にニコニコと笑う旦那。先程までの凛々しく逞しい旦那とは別人のようである。



「そうだ、杏子はオムライスが大好きだったよね?ここらに上手い洋食を食わせるお店があるんだよ、行ってみない?」



 そう言い旦那は杏子の手を引っ張り走る。それは時間が残り30分だからではない。杏子が何故か暗くなっているから。だから、旦那は杏子を引っ張り走るのだった。




 新婚さんである和屋家の旦那。彼は仕事に一所懸命であり情熱を持っている。だが、それ以上に彼には一所懸命、いや、一生懸命な事がある。それは生涯愛すると誓った相手。和屋杏子を幸せにする事。そう、和屋家の旦那は杏子にメロメロなのである。彼女の笑顔の為ならば全てを捨ててもよいと考える程に…。

 こんにちは。

 旦那の会社登場。ただ、何の会社かは不明(笑)



 さて、更新不定期とか言いながらも第4話目です。小説の書き方が上達したかどうかはさて置き、和屋家の熱々度(ラブラブ度?)は上昇しっぱなし。


 今回は旦那の方にもスポットが当たっています。旦那がどんな人間なのか、杏子をどう思っているのかが分かる話になっていると思います。




 それでは、今回はこの辺りで失敬致します。ありがとうございました。



 和屋家の旦那はエリートさん?ただ、杏子の前では駄目夫?(笑)

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