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第3話:何を言って




 何を言ってるウサギさん?



 和屋杏子は新婚さんである。旦那はオタクであるが、愛の前ではそんな物は問題ではない。



「妹って、萌えるかな?」



 朝方から意味の分からない言葉を繰り返す旦那。妹、妹?確かに、杏子には16歳になる妹がいる。いるが、『燃え』ってなんだ?杏子にはいまいち旦那の言っている事が分からない。



「燃え?」



「あぁ、萌え!!」


 いま二人には、日本海溝よりも深い溝があるのだ。『燃え』と『萌え』の深い溝が…。



「妹燃え?」



「あぁ、妹萌え!!」



 妹のいる男は『妹萌え』が無いと言うが、どうやら、旦那には妹がいない為か今突然に『妹萌え』に目覚めてしまったようだ。



「杏子、妹って良いよなぁ?」



「はぁっ!?」




 これがいけなかった。オタク用語に『萌え』とでも言っておけば良かった物を旦那が『妹って良いよな』なんて杏子にも分かりやすく『妹に興味あり』と用語を訳してしまった為に…。



「こん不埒もんがぁぁぁっ!!」



 朝から和屋家は賑やかである。顔やスタイルは抜群に良いが性格が何処か男っぽい嫁がヒョロヒョロ色白ヘタレオタクの旦那にショートレンジアッパーと首投げを喰らわせる程に、この家は賑やかだ。



「妹ってなんだ、妹って!?お前は何か?細胞レベルが同じ位なら若い妹の方を選ぶというのか?それとも、姉妹はセットでプライスレスかっ!?」



 只今、杏子の動揺レベルは最高値を迎えている。旦那のいきなり妹萌え発言、杏子による解釈は妹好き発言だが。まぁ、とにもかくにも杏子は旦那の心が自分から離れたと思い大混乱である。



「浮気者、浮気者、浮気者ぉー。何だよ、何なんだよ。お前が私の事を好きだって言ったんだろぉ?何で今さら妹なんだよぉー!?うわーん!!」


 杏子はぼろぼろと涙を流す。もはや、彼女には旦那を怒る気力もない。ただ、少女のように泣きじゃくるのだった。



「あー…、いやいや」


 口ごもる旦那。彼はいきなり泣き出した杏子に戸惑っているようだ。一体、何が彼女を悲しませたのか、彼には理解が出来ないでいるらしい。



「ひっく、ひっく、ぐすっ。…うぅ、わーん!!」




 一向に泣き止む気配のない杏子。さて、どうしたものかと旦那は腕を組む。何故、杏子が泣き出しのか。今日は仕事がなく朝方から一緒であるが、まさか、それが原因かと旦那は考える。いや、それにしては朝はとてもご機嫌であった。その為、杏子はおはようのキスから他愛のないキスを何度も求めていた。では、原因は何だ?




「妹がにゃんだぁぁ!!私りゃ、ダメなのかぁぁあ!!ぶわーん!!」




 妹!?あぁ、なるほど。旦那はようやく杏子の不満とする事を理解したらしく。そっと、泣きじゃくる杏子に近づいていく。



 彼女は自分の『妹萌え』という発言にショックを受けたのか。全く、そういう事ではないというのに…。旦那は優しく杏子を包む様に抱き込む。




「杏子、そうじゃないんだ。君の妹さんが好きとか嫌いとか…いや、妹さんは好きだよ?好きだけど、それは家族としてって理由であって」




 旦那は優しく杏子に自分の気持ちを語る。ここまで勘違いをしてくれる杏子の愛を感じながら、ゆっくりと『妹萌え』発言について語る。




「つまり、俺が言いたいのはね」




 旦那はすくっと立ち上がり、真っ直ぐにタンス棚へと向かう。ごそごそと何やら何かを取りだしているようだ。



「そう、俺が言いたいのは、コレ!!」




「…なにそれ?」




 旦那の優しいハグ(抱きつき)により少し気分が落ち着いた杏子。旦那が出したものを怪訝な表情で見る。それもその筈、旦那が出してきたものは何やらフリフリの付いた洋服一式。おおよそ、杏子が着ないであろう少女趣味の服である。




「つまりね、妹萌えに目覚めた旦那様は杏子にコレを着て欲しいのですよ」




 ニコニコに笑い。旦那は少女趣味の洋服を杏子に差し出す。



 それを見て杏子はため息をつく。浮気だ何だと騒いでいた自分が情けない。そもそもこの旦那に浮気をするという甲斐性がある訳が無かった。



「杏子ちゃん!!さぁ、レッツ・妹萌えプレイ!!」




 新婚さんである和屋家は朝から賑やかである。そう、突然に『妹萌え』に目覚め最愛の妻に妹系のコスプレを強要する旦那に、またかと呆れ果てた妻が投げっぱなしジャーマンを放つ程に、新婚さんである和屋家は賑やかである。

 こんにちは。

 第3話目です。練習用と言っておりますが、ちゃんと練習になっているのかやや不安です(笑)



 さて、杏子と旦那の物語りなのですが。どうでしょか、こんな旦那?私だったら間違いなく願い下げでございます(笑)だって、やりたい放題ですよ?杏子はよく我慢出来るなぁ、と感心するばかりです。まぁ、旦那は旦那で杏子にかなり依存している所があるので、杏子を幸せにしたいと日々努力しているのでしょうが…。というか、もう少し趣味を控えれば良いのに(笑)



 では、今回はこの辺りで失礼致します。ありがとうございました。



 和屋という苗字は、旦那の方の苗字。つまり、杏子は和屋家に嫁いだという事に…。

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