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第1話:嫌になる




 嫌になってしまう。



 和屋杏子わや あんこは、ため息をついてしまう。掃除機を横に置きながらチラリと目の前の棚を見る。そこに見えるフィギュアの群れという群れ…。別段、杏子にそういう趣味がある訳ではない。どちらかというとクマやウサギ等のぬいぐるみの方が好みだ。



 では、何故なにゆえに杏子の家に、しかも自室にズラリと並んだフィギュアがあるのか。理由はいたく簡単だ。杏子の所有物でないのなら他の人間の所有物、つまり同居人の所有するフィギュアなのだ。



 さて、その同居人というのが杏子にとって何なのかというと…。



「はぁ、旦那もねぇ。も少し、こういう趣味を控えてくれたら…」



 そう、一生を添い遂げると誓った相手。旦那又は夫と呼称する相手である。


 去年の6月、つまりはジューンブライドにて杏子は大恋愛の末、愛する相手と念願の結婚をした。


 杏子の実家は江戸時代前から(実は、杏子自身いつからか知らない)の老舗の寿司屋で、父親はお決まりの頑固親父。旦那を初めて見せに行った時、色白ヒョロヒョロでビン底眼鏡とボサボサの髪(しかも、やたらと長い)だった旦那を見た父親は出逢って一瞬、鉄拳を旦那に喰らわせるという事件が起きたぐらいだ。


 その時の父親曰く。


『娘をくれてやるのは、男の中の男と決まっとっと(訳:決まっている)!!彼氏がいるとか言うけん、どんな男か期待しよったのに…。こげん、(訳:こんな)優男にくれてやる物は塩でも無かっ!!(訳:くれてやる塩さえも無い)』




 との事で、杏子と旦那の結婚はエベレストの山頂とどこぞの海溝の底の距離よりも遠退いたのだった。まぁ、旦那の熱心な説得と買収(?)した親戚の説得が効いて去年の6月に結婚出来たのだが…。



「オタク…。いや、知ってたけど。知ってたけどさぁ、やっぱ思わない?結婚したら私がいるから、こういう趣味を卒業してくれるって…?」




 しかし、杏子の思いとは反対に旦那のオタクリズムは加速。いまや、杏子にコスプレを強要してくる始末なのである。




「まぁ、昨日奴がネコのコスプレを強要してきた時は、鼻に正拳をぶち込んでやったけどさ」



 杏子は空手黒帯なのである。ただ、旦那の生命力もかなりの物で一発では諦めてくれなかったが…。それはそれ、技の試しがけに丁度良い。お陰で技のレパートリーが日に日に増えていく。



「結婚前より私、ぜったい強くなってる…」


 うきゅきゅー、と杏子は両手を口元に挙げヒョイっと片足を上げる。それは、まるで大好きな彼と目が合い嬉しいけど恥ずかしいという感じの女子高生の様である。



「あ、掃除の続きしなきゃ」



 今日の天気は快晴。旦那は会社だが、何だか自分と心が繋がっている様に感じる。杏子は窓を開け、入ってくるそよ風に目をつぶる。早く、帰って来ないかな。駄目駄目でヒョロヒョロでコスプレを強要してくるオタクの旦那であるが杏子にとっては、やはり愛する旦那なのである。



 そう、和屋家の始まったばかりの新婚生活はまだまだ甘いのである。

 こんにちは。

 えぇ、書くことがありません(笑)

 とりあえず、練習用の小説なので更新は不定期です。こんな小説ですが他の作品同様よろしくお願いします。


 それでは、失礼致します。ありがとうございました。

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