第1話 死んで生まれて異世界に?
小説初心者なので、かなり文章が荒いと思います。
よかったら感想とかください。
2020年9月14日
主人公死亡時の展開を変更しました。
俺は、平和な生活を送っていた。
朝起きて、着替えて、一緒に住んでいる幼馴染(とある事情があって俺が住ませてもらっている)と一緒に朝食を食べて学校へ行く。そして家に帰ったら、夕食を食べて寝る。そんな平和な毎日を、俺は過ごしていた。そしてその日、12月の寒いあの日も、俺はそんな平和な一日を過ごせると思っていた。
そう、このときの俺は、この日常が突然終わりを告げるとは思ってもいなかったのだ。
「あと何ヶ月かで僕たちも三年生かぁ。」
俺の右隣で歩く少年が、不意にそんなことを言った。
「そうだな。三年になったら、大学受験の事とかで忙しくなるんだろうな。」
俺の前を歩く少年がそう言った。
「それじゃあ、三年生になる前に、皆でなにかやらない?」
俺の左隣で歩く少女がそう言った。
「そうだな。ちょうど今日がクリスマスイブだし、みんなでクリスマスパーティーでもするか?」
そう俺が言った。
俺は今、俺の右隣の少年、今川 浩太、俺の前の少年、西原 亮、そして、俺の左隣の少女、鮎川 美咲とともに下校中だ。この三人は俺の幼馴染で、幼稚園の頃からの付き合いだ。そして、美咲は俺が住まわせてもらっている家の長女であり、俺が思いを寄せている人物でもある。
年の終わりの近い12月24日、町はクリスマス一色だ。来年になればそんなイベントを楽しむことのできない俺たちは、どうせなら今年のクリスマスは、誰かの家で思いっきり楽しもうということになった。そんな話をしていたら、いつの間にか家の近くの十字路に来ていた。浩太と亮とは、ここでお別れだ。二人が手を振っているので、俺も手を振って応えた。
そして、家まであと少し、というところで俺は、フラフラとおかしな動きをしているトラックを発見した。運転席を見ると、ドライバーは俯いているように見えた。
車道からはみ出すトラック。その行く先には―――
(―――美咲っ!)
瞬間、俺は地面を蹴り、美咲を突き飛ばした。そして、全身を襲う衝撃とともに、俺の意識は暗転した。
意識が暗く、深い海の中へ沈んでいく。
俺の、水瀬 拓斗の生涯は、ここで終わりを告げるのだろう。
――――本当に、これでよかったのか?
誰かが俺にそう問いかける。その声は、透き通るような女の声だった。
――――いいんだよ、俺はあいつを護れた。それだけでいいんだ。
俺がそう答えると、その声はにこう言った。
――――諦めるのか?もうあの少女には逢えないと・・・。
「・・・るさい・・・」
――――うん?なんだって?
「うるさい!!諦めきれるわけないだろうが!!
俺はまだ、あいつと一緒にいたかった!なのに・・・それなのに・・・」
俺の目から、自然と熱いものが流れ出ていく。それは、悔しさゆえの涙なのだろうか。
そんな俺を見てか、やつはこう言った。
――――それがお前の本心か。ならばもし、もう一度生きられるとしたらどうする?
「なに!?どういうことだ!?」
――――なに、簡単なことさ。お前にはこれからある世界に行ってもらう。そこで呼び出される勇者を助けて欲しいのだ。そしてその後、勇者を召喚した魔法を応用すれば、お前のいた世界にもどれるかも知れない。
「本当・・・なのか・・・?」
――――ああ、本当だ。どうする?やるか?それとも諦めるか?
やつがそんな質問を投げかけてくる。そんなの、答えはひとつに決まっているだろう。
「やるよ。やってやるよ!」
俺がそう言うと、周りの景色が変わった。それまでは真っ暗だったものが、温かみを感じる薄いオレンジ色になった。そして、俺の目の前には、俺とそれほど背丈の変わらない、銀色の髪の少女が立っていた。
「あんたは、何者だ?」
俺は目の前の少女にそう問いかける。
「向こうの世界の神の一人、のようなものかな。」
「え、神様?」
俺はさっきまで、神様(かもしれない人)に向かってあんな口の利き方をしていたのか。
「ああ、口の利き方に関しては、気にする必要はない。さて、そろそろ行ってもらうとしよう。赤ん坊から人生をやり直すことになるが、大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ。」
「そうか。ならば、後は任せたぞ」
神がそう言うと、また俺の視界が暗くなった。だが、さっきとは違い、夢から覚めるような感覚がする。
「頼む、彼を止めてくれ・・・」
意識が暗転する瞬間、そんな声が聞こえた気がした。
目が覚めた。
少しずつだが、目に光が差し込んでくる。
誰かに抱き上げられている。見た目からして女性のようだ。そして俺を見て涙を流しながらも笑っている。おそらく俺のこの世界での母親だろう。
「????、??????????。」
何を言っているのかわからないが、おそらくこの世界の言葉なのだろう。今まで聞いたことのない言葉を聞き、本当に異世界に来てしまったのだと実感する。
俺は今、この世界に産み落とされたのだ。