飛ばせ リケジョ! 「変わったこ。りさ!!」
「・・・どうしよう。」
私は今、とてつもなく困っている。
何故かというと、
①今日はまさかの漢字のテスト→忘れてた。
②入部届けを出しに来た。→まさかのボッチ
③人が多すぎて前に進めない。
・・・正直、①はどうでもいい。
漢字テストは毎回0点なので・・・ほんとはだめだけど毎回捨ててるからどうでもいい。
問題なのは②と③・・・
「うーい!」
ドン
「いつー。って一華・・・。」
今ぶつかってきたのは、佐々木一華。
私の唯一の小学校からの親友だ。
「ちょっとー。まだ入部届けだしてないの!
早く出してきなよ。」
「え、だって・・・こんなに人が・・・」
「時間がないんだから早く!次、美術だから!!」
なんやかんやで人ごみの中に押し出された。
けど・・・
キーンコーンカーンコーン
「あ・・・。」
☆
「・・・というわけです。本当にすいません!」
「いやー大丈夫だよー。締切明日だしー。」
なんやかんやで放課後、今の部長さんに渡しに行った。
「ほんとにすいません!」
「いや、大丈夫だから。ね。じゃあ、今週の金曜日に化学室にきてねー。」
「はい!」
「じゃあ金曜日に。」
「はい。よろしくお願いします・・・ふう。」
やっと終わった。
「終わった?」
「うん。ごめんね一華。遅くなって。」
なんやかんやで最終下校ギリギリになってしまった。
学校から駅につく間いろんなことを話していると、一華がいきなり顔を覗き込んできた。
「ねえ、今日あんたくらくない?」
「え。そんなに暗い?」
「うん。」
驚いた。
まさか一華から暗いと言われるとは思わなかった。
前から「おとなしいよねー」と言われることはあったもの、
暗いとは言われなかった。
「あれかも。やっと来週から部活始まるからちょっと緊張してんのかも。」
「そっか。ならいいや。」
ところで・・・と聞こうとしたところで誰かとぶつかった。
「あ。ごめんなさい。」
「・・・・・・あ、えーっと、ういちゃん!だよね。」
相手は見るからに同い年。
「うん。」
返事をすると、
「宜しく!わたしりさってゆうんだー。じゃねー」
「え・・・あ・・・よろしく・・・。」
すぐに去って行った。
「だれ?」
一華に聞かれる。
「りさちゃんだって。」
「ふーん。なんか変わってる子だったね。」
「うん。まあこれから関わることなんてあんまないだろうね。」
そんな事思ってた私がバカッだったと後悔するのはまた後のこと。