第二十四話 るー☆しん~その青春と装備の由来~
流星の過去とは……
「そモソも俺ぁ、識別番号HR13-Z4-40こト"アミク・ステッラ"っテ世界の生まレデよ」
「アミク・ステッラ……あんま聞かん名前じゃな。詳しゅうは知らんけぇ、確か学術――それも天文学と宇宙開発に力を入れとるんじゃったかのぅ。魔力の生じえん世界でありながら、それに相当する微粒子"ウタホシウム"のお陰で文明そのものが飛躍的な発展を遂げよぉるとも聞いたなぁ」
「詳しク知らネーとカ言イナがラ結構知っテンじゃネーか。マあそンダけ知識有ンナら話は早エ。生前俺ぁ、アミク・ステッラに蔓延リやガっチャあウタホシウムを悪用すル悪党やラ化ケ物ドもをブち殺シたり、困っテる奴らを助ケタり手伝ッて回るヨーナ、ヨーすルに正義の味方みテエな仕事ヲしテてな」
「っちゅうことは、おめーが今まで使っとった装備はその頃からの仕事道具っちゅう訳か」
「半分正解ダ。今まデおメーに見セた内、元々俺自身の仕事道具だッタのは最初に見せタ胴着――着るト体内へウタホシウム流シ込んデ肉体強化序でニテめエでモアる程度ウタホシウムを扱えルヨーにスる効果のあルヤつ――ぐレーのもンデよ」
「つまりそれ以外、あの鎧やトンカチやこぉは元々他人の仕事道具じゃったっちゅうことか」
「そウだ。んデソの他人っテーのガ、俺の相方だッタ奴デよ。そイツは元々、仲間六人とツルんでアミク・ステッラを悪党やラ化け物カら守る民間チームを卒イテてな。元は関わリが無かッタんダが、あル時を境ニ共闘すルヨーになっタンだよ。当時ノ俺ぁ、敵対スる悪党――特に、ウタホシウムを悪用する化け物の集まリで、数ある悪党どモん中でモ特に力のあル『獄星会』っテ奴ら――へノ憎悪に囚わレちゃア仕事だッツって化け物ドもを手当たり次第ニ殺しテ回る……生肉デ出来た機械、っテ感じノ、マーつまンネー野郎だッタわケダ。だガソの相方一味と過ごス内、たダの殺し屋だッタ俺はヒトとシテの自然な心て奴ヲ取り戻しテイった。おメーにこウシて話せてンノも、モト糺しャ奴らノオ陰っツー訳だ」
「おめぇが機械の如き冷血漢、なぁ……どうにも想像できんわい」
「無理に想像しテクれネーでも結構ダぜぇ。んデその後はマーそコソこ順風満帆だッタんだガ、ある時ソれまデナリ潜めテタ獄星会の幹部連中が急ニ動き始メやガッてよ。そイツラの力はけタ違い――つーヨりかは、まジで次元が違エ感じだッタ。そノ力にゃ相方のチームも惨敗だッタヨーでな……つウのは、俺ッテ奴ア相方に迷惑かケマいと焦っチマいやがッテから、先走っテ幹部の一人ニ殺さレチまったかラデよ。そノ後臨母界へ下っテカら知っタコとだが、そノ相方のチームも俺の仇討ちトバかりに幹部へ挑ンジゃ惨敗しタガ――」
「惨敗したが、何じゃ?」
「……相方のチームはまダ死んデネーらしインダよ。負けハシたがな」
「何? 負けたが死んどらん? どういうことじゃ?」
「俺も詳しイ事情は知ラネえ。たダ、死ヌ前の記憶ガ確かなラ獄星会の幹部ニゃそウイう、相手ヲ殺さズ倒す――要すルに、封ジて無力化すルヨーな奴が居タヨうに思うンダよ。何故俺だケ殺さレテ奴ラは封じラレただケなのカ、ソの辺りノ理由やラ真相ヤらはよクわカンねーガ……だカラこそ知らなキャなラネーんだよ、俺は。その理由ヤら真相やラをな。そシテ相方のチームを全員助ケ出し、獄星会を皆殺シニすル……そレガ俺の目的だ……ワールドショックなンゾに加担しテんのも、乗っかッテりゃお零レで目的達成でキっかラだ……」
「なるほど、そういうことじゃったか……(ワールドショックに加担すれば目的達成、つまりこいつの場合は元居た世界に戻れる、っちゅうこたぁつまり……)……然し思うんじゃが、首領の目ぇがギリギリ届く場所でんな事言ってええんか?」
「構わネえよ。ヤツの傘下ニ集っテンのは十中八九そウイう連中ばッカだシ、そノ事はヤツ自身も把握済ミよ。うネウねのアホやほボ洗脳さレテるラシい化け狼やロウなンゾは知らネエが、石コろジャラつかセたブスやラ白黒の変態ヤら猫のおッサんも俺と同じクちだ。こコで何言おーガドーってコともアリゃしねエ」
「そうか。ほんならええんじゃけぇども(……何じゃこいつ、あの猫男と仲がええんか?)」
「よシ。なラ俺の過去話ハコの辺りニシといテ、次は俺が今使ッテる装備の話だガ」
「おめーの相方が使っとるんを継いだっちゅう奴じゃっけな?」
「ダ。だガその言い方は若干間違イデよ。厳密にャ、装備を開発シた相方の仲間カら分けテ貰っタ量産品ト俺の記憶ヲ元に猫ノオっさンガ俺ニ合わセテ作っタ代物だ。おッサんの本業ハ学者だカラな。しカモオッさンの技術ハ確かナモんだ。俺向け仕様ノ模倣品タぁ言ウモのノ、ソの機構や性能ハ殆ど模倣元と大差ネーらシイ」
「ほうほう。確かにそんなら相方の装備を継いだと言っても過言ではねぇのう」
「だロう? んデ概要だガ、体内へ仕組ンだスイッチみテーなノデ肉体ヲアれこレ変化さセルって奴でヨ。こノ白イ鎧モそーいウ類のモンデな、『火箭飛行』ッてんダ。性能にツいてハ……マあ、実際に闘ヤあ理解んダろ。理解んネーなラソの都度解説すルシよぅ」
「確かにその方が手っ取り早えんは同意じゃが、えろぉ親切なんじゃな」
「親切……ツーよリカ、てメーの自己満足ダな。意味モナく他人へだラダらあレコれくッチゃべんノガ、なンカすゲー達人ミてーで好きナンでな」
「その気持ち、妾もよう理解るでぇ……敵としてでなきゃ、ええ友人になれたかもしれんなぁ」
「友人か……いイ響きダ! たトエ叶わネー幻想虚構だトシても、そウイう言葉が聞けタダけでも価値があラあ……!」
かくして二人は闘争を再開する。
次回、戦いは更に激化する!




