表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/40

第二十話 ちぇんじ~ん!~赤黄緑はありません~




次々と明らかになる王頭七栄円陣の能力!

『それじゃ次は「シアンアイズ・イエローライオン」ね』


 赤色をした猛禽のような『ビリジアンアイズ・レッドホーク』、緑色をした甲虫のような『オレンジアイズ・グリーンスタッグ』に続いてキメラEが変じたのは、全身を表面を体毛の如く細かな触手に覆われた(キメラEの発言に基づくなら獅子ライオンであるらしい)空色の目をした黄色い肉食獣の如き姿であった。

 説明するにこの姿は『吹き抜ける閃光』と呼ばれた、掴み所がなく怪しげな黄の神を再現する(という設定を持つ)もので、黄の色と食肉ネコ目に属するあらゆる獣の魂を持つという。神の異名に基づき風と光を操る力を持ち、更に高い腕力と脚力を持ち合わせるため高い攻撃力と敏捷性を両立させており、また獅子や虎の如き荒々しい咆哮は並大抵の歩兵ならば吹き飛ばすほどの威力を誇るという。


 その次に変じたのは、先程とは打って変わって全身を分厚い板状の触手束による板金鎧プレートメイルの如き白い外皮に覆われ深紅の目を持ったサイらしき角のある巨獣のような姿――『スカーレットアイズ・ホワイトライノス』であった。

 説明するにこの姿は『無垢なる巨岩』と呼ばれた、七柱の内で最も大柄でありながら最も幼くもあった白の神を再現する(という設定を持つ)もので、白の色と陸上で活動する巨獣の魂を持つという。神の異名からも分かる通り岩石や大地に関する力を持ち、重力をも操ることができるという。また重量級という言葉を体現するかのような見た目通りに凄まじい筋力を誇り、落石や砲弾にもひるまない頑強さの持ち主でもある。更には鈍重そうな外見ながら脚力も高く、小回りこそ利かないものの猛スピードで走ることができたという。


 続いて変じた形態『ジョンブリアンアイズ・ブルーオルカ』は、空中へ浮遊するように佇むシャチのような姿であり、名前通りの鮮やかな黄色ジョンブリアンの目と金属光沢のある青い身体は紀和も素で見とれそうになる程に美しかった。

 説明によればこの姿は『麗しき流水』の異名を持ち、内部分裂の起こりやすい七柱の神々を影から支えたという美しき女神を再現する(という設定の)もので、青の色と水園で活動する動物の魂を持つという。神の異名と魂に因んでか流水に関する力を持ち、水中ではほぼ無敵の強さを誇るという。水を離れた際の基礎的な能力は他の六形態に劣るものの自身の身体を液状化させる能力はそれを補って有り余る強さを誇るという。


『と、ここまでに出てきた五つが「基礎五魂」っていう、それぞれ対等の関係にある形態なの。そして次から出てくるのが「始終双魂」っていう上位版よ』


 そう言うとキメラEは、若干山吹色がかった黄金色に輝く紫色の目をした爬虫類に姿を変えた。リクガメの胴体と手足にワニの頭を備え、尾の代わりにコブラを生やすというキメラじみたその形態は、名を『ヴァイオレットアイズ・ゴールデンコブラ』という。

 設定によると『始祖なる輪廻の牙』の異名を持ち基礎五魂により再現される神々の全てを生み出したとされる始まりの女神を再現したものであるというこの姿は、黄金の色と爬虫類の魂を持つという。始まりの女神であるが故に生命力に秀でており、その身に受けた傷はどんなに深くとも大抵すぐに塞がってしまう。更には身体を構成する動物が元から持つ様々な特性をより強力にした能力も持ち、持久力も相俟って保守的な戦いに於いては無敵の強さを発揮するという。


 それに続いてキメラEが化けたのは、これまた爬虫類的な姿の怪物であった。但しその目はエメラルドグリーンであり、体もアメジストを思わせる鮮やかな紫色をしている。大型肉食恐竜をベースとし、頭に角を、脊に翼を生やしたこの形態の名前は『エメラルドアイズ・ヴァイオレットディノ』。

 設定によれば『凍てつく終末の王』の異名を持ち『始祖なる輪廻の牙』と対を成すとされる終わりの男神を再現したものであるらしいこの姿は、紫の色と古代或いは幻想の世界に生きる種の魂を持つという。終わりの男神と呼ばれるだけあり『王頭七栄円陣』の中でも切り札的な位置づけにある形態であり、それ故に特殊な技能抜きでも凄まじい戦闘能力を誇る。更にその力をより絶対的にしているのが冷気を操る力であり、この冷気を浴びた者は皆大抵なす術もなく凍りついてしまうという。


『とまあ、こんな感じかしらね。私単体でも発動はできるんだけど、本量は今みたいに大きくて柔軟性に富んだ強い生き物と融合した時にこそ発揮されるわ。特にラブリールちゃんはサイズも柔軟性も強さも文句なしに満点だし私との相性も抜群だしでまさしくベストパートナーって感じなの。どう? 能力の解説を通じて私を知るっていう目標は達成できたかしら?』

「ええ、身体に触らせて貰えたのもあって予想よりもずっとあなたについて理解を深めることができた。ありがとう、貴女のお陰で自分の気持ちがわかったわ」

『そう、それは良かったわ……それじゃあ、貴方の答えを聞かせてくれる?』

「ええ、いいわよ。私ね――」


 紀和が告げた"答え"は、キメラEにとって信じ難いものである一方、恐らく多くの読者にとっては予想通りのものであった。


「この際だからはっきり言うけど……正直、今すぐにでもあんたを殺してやりたい気分だわ」

次に読者おまえは『まあ、そうだよな』と言う!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ