第1話 遠き夢②
夜の闇が濃くなる頃になると人の姿はほとんどなかった。
そんな中をなれない喪服に身を包んだ若い女性が、落ち着いた作りの民家の敷地へと足を踏み入れる。
すでに、式自体は終わっており、開け放たれた縁側からは静かな話し声が漏れている。
それを耳にしながら、歩みを進める女性は、突然足を止める。
鼓動が一際大きくなっていることを自覚した女性。閑静な住宅街であるが、生活音の類は落ち着きはじめる時間帯である。
そんな周囲の静けさが、女性の耳に届く話し声の中に、女性のすすり泣きのようなものが混じっていることを気付かせたのである。
「……でも」
短く、そう口を開いた女性は、一瞬目を閉ざすと灯りの漏れる玄関へと歩みを進める。それはほんの数歩であったのだが、女性にとってはとても長く感じられた。
「あら?」
「あ……、こ、こんばんは」
タイミング良く開け放たれた玄関前に立った時に、落ち着いた物腰の少壮の女性が脇の部屋から出てきていた。
「こんばんは。来てくれたのね。美空さん」
緊張のあまり顔が引きつることを自覚していた女性、静原美空は、眼前の少壮の女性、十川梨亜子の笑みと優しい声に、心臓がえぐり取られるかのような苦しさを感じ、思わず息を詰まらせる。
全身から汗が噴き出し、眩暈も感じ始めていたが、どうにか平静を保つようにして、頭を下げながら家の中へと足を踏み入れる。
途中、廊下の片側の部屋に視線を向けると、友人と思われる若い男女が多くいたことに驚かされた美空であったが、全員が美空の姿に僅かながらの興味を惹かれた様子で視線を向けてきていた。
「皆さんは、和将の大学や高校の友人なのよ。積もる話しもありそうだったし、ちょっとゆっくりしていってもらっているの」
「ご親戚の方は?」
「うーん、明日には来てくれると思いたいわ」
「あ……」
梨亜子の静かな言に、美空はまずいことを聞いてしまったと思いつつも、ゆっくりとその後に続く。
彼女の背筋の伸びたスラリとした後ろ姿は、先日初めて会ったときの制服姿と変わらぬ物であったが、喪服に身を包んでいる今の後ろ姿は、ひどく哀愁に包まれているかのようで、凛と咲き誇る花が、萎れるのを必死で耐えているかのような。そんな印象を抱かせてくれていた。
「斉御司さん、深海。ちょっと、よろしいですか?」
祭壇の置かれた客間へと案内された美空は、眼前に自分と同世代の女性二人の姿を目にする。
深海と呼ばれた女性は、目元の泣き黒子が印象的で、同性かつ同世代でありながら、非常に色気を感じさせる女性で、目元を抑えながら嗚咽を漏らしている女性を支えている。
梨亜子の言に答えたのは彼女のようで、美空の姿を目に止めると、軽く頭を下げた後、嗚咽を漏らしている女性をともなって祭壇から離れる。
そんな二人に対してお辞儀を返した美空は、梨亜子に促されるように祭壇の前に腰を下ろすと、ゆっくり頭を下げ、線香に火を灯す。
香の香りが鼻腔をくすぐるのを感じつつ、両の手をあわせた美空はゆっくりと目を閉ざす。
――――一つの決意を持って、あの日あの場所へと足を運んだ自分。
たまたま、先に来ていた彼は、何を思ったのか自分のことを気にかけ、その決意を止めようと試みてくれた。
思えば、自分は誰かが助けてくれることを待っていたのかも知れない。
しかし、結果としてそれが彼の命を奪うことになった。
あの時、やんわりと吹いた冷風。
一瞬、視界を奪われた後、傍らへと視線を向けると、虚空へと投げ出された男性の姿。
その整った容姿は、何が起こったのか分からないといった表情を浮かべており、それを見つめる自分自身も何が起こったのか分からなかった。
だが、時間は残酷にも自身を我に返させる。気付いたときには、必死の彼の名前を叫ぶことしかできず、たまたま通りかかった人が気付いてくれなければ、声が枯れ、気を失うまで叫び続けていたかも知れなった。
「今となっても、信じることは出来ないわ……。何食わぬ顔で出てきてくれるんじゃないかと思ってアパートに行ってみたりしたけど」
ゆっくりと目を開けた美空の耳に、静かに目元を潤ませる梨亜子の声が届く。
「わ、わたしが……っ」
思わず口を開きかける美空。
自分があんな馬鹿な真似をしなければ、彼が死ぬことはなかった。
現実を知ってからも思うことはそればかりであったが、梨亜子はゆっくりと首を横に振るう。
「自分を責めないで。悔やむことは誰にも出来るけど……、あなただって被害者よ?」
「で、でも、わたしが……」
美空に対して、柔らかな笑みを浮かべながら笑みを浮かべながらそう口を開く梨亜子。その表情は、慈愛に満ちたそれであったが、悲しみを押し隠している様も、流れる涙もごまかしきれるものではなかった。
「あのさ、よかったら一緒にいない? 同じ大学みたいだし……、一人でいるとよけいに気が滅入るよ?」
そんな美空と梨亜子の様子に困ったように苦笑しながらそう口を開く深海。彼女自身、泣いている女性をなだめつつも、お互いに気を使いあう美空と梨亜子に対してどうしたらいいのか分からなくなっている様子だった。
その後のことはよく覚えていない。
彼の友人達とともに、通夜の夜を過ごし、葬儀を終えた後は、再びそれまで通りの日常が帰ってくるだけ。
しかし、自身が抜け殻のようになっていることは、よく分かったいた。食事もほとんど喉を通らず、全身が気だるさに包まれている。
(どうして、私の前からみんないなくなるの?)
ぼんやりとしたまま、大学へと続く街路を歩く美空。
思い帰ってくるのは、崖から投げ出されるように落ちる青年の姿ととある一室に寝かされた両親や知人、そして、一人の青年の姿。
自身ではどうにも出来ない空虚な感覚が全身を襲っていた。
「おはよう。静原さん……って、だ、だいじょうぶっ!?!?」
「沢度さん?」
「顔が真っ青よ? あ、良いところに。慶っ、賢っ!! ちょっと来てっ!!」
先日の葬儀のあとから何かと気をかけてくれる学生とは思えない色気と落ち着いた物腰を持つ女性、沢度深海。
梨亜子とは親戚どうしで、生前の彼とも仲がよかったという。
そんな彼女であったが、美空のうつろな表情と顔色の悪さに目を見開くとともに、彼女を支えると、周囲を見まわす。
すると、ちょうど彼女の知り合いがいたのか、顔立ちのよく似た二人の青年がこちらへと歩みをよせてくる。
「よう、深海。朝からずいぶん元気だなって、どうした??」
「大分、顔色が悪いな」
そう言った二人に対して、深海が美空のことを告げるや否や、二人は美空を連れて大学の保健室へと運んでくれた。
その後は、過労や軽度の拒食ということが分かり、早退するようにいわれたが、帰る気にはならずに、大学に設置されている自習用のテラスへと足を向ける。
ちょうど、桜の季節も終わりはじめており、散り始めた桜が風にのってゆっくりと空を舞いあげられる。
そんな様子を見ながら、美空はテラスに設置された席へと腰掛ける。
すると、舞い上がった花びらがゆっくりと美空の周囲へと舞い降り、彼女をなぐさめんとばかりに舞い踊りはじめた。
(ありがとう……。でも、私に慰められる資格なんて……)
端から見れば、単に風に揺られた花びらが舞っているだけであろうと、美空は思った。しかし、どこか気落ちしている時、人はこういった自然の優美さを自然と感じるものである。
目尻に浮かんだ涙を拭いながら、美空はしばらくその光景に視線を向けていた。
「ここ、空いてますか?」
不意にかけられる声。視線を向けると、長い黒髪と意志の強そうな切れ長の目が印象的な女性が立っている。
身体にあった白と黒を基調とした衣服もよく合い、さながら現代にタイムスリップした武家の娘のようなそんなイメージを抱かせる。
そんな女性、斉御司百合愛とは、先日顔を合わせたばかりであった。
とはいえ、その時の彼女は涙で顔を腫らしており、今の凛とした立ち姿は想像も出来なかったのだが。
「だいぶ、疲れているようね」
「え、ええ…………」
席に着き、手にしていた缶コーヒーを差し出してくる百合愛に対して軽く頭を下げる美空であったが、彼女がなんのために自分に声をかけてきたのかは分からなかった。
先日も他の友人達とは異なり、彼女は終始自分を無視するかのように振る舞っている様子だった。
もっとも、涙を流し続けていた女性が、初対面の人間と親しくするはずもないのであったが。
「……ふう。これね、彼が好きだった銘柄なの。私はブラック党だけど」
「そうなの?」
苦みの中に僅かに感じる甘さ。珈琲よりは紅茶の方が好きだった美空は、口をつけることなく缶を手にしているだけであったが、缶のデザインを見つめながらそんな味わいを想像する。
そして、“彼”と呼んだ百合愛の言に、改めて視線を落とした美空に対し、百合愛はその切れ長の目をさらに細める。
「その様子だと、自分を責め続けているみたいね」
先ほどまでも抑揚の薄い静かな声であったが、その言はそれまでとは比べものにならないほど、冷たいものであるように思えた。
それに対して、美空は顔を上げることも出来ずに沈黙を持って答える。百合愛の言を否定するものは何もない。
「私、彼が好きだったのよ。次の日。デートの約束もされていた」
「……そう」
「お互い、鈍感だったわ。でも、気付いたときには取り返しのつかないことになっていたわけ。あんなに涙が流れたのは、生まれてきて初めてだったもの。それだけ、私の中で彼は大きな存在になっていたわ」
静かにそう言葉を連ねる百合愛に対し、美空は何もいうことなく耳を傾ける。
大切な人を失うことのつらさは誰よりも理解しているつもりだった。とはいえ、それが人生で初めてであったというのは、正直なところ、幸せな人生を送っていたんだなとも、口には出さないが思いもしていた。
(私は、何度目だろう?)
「あなたは、誰に許されたいわけ?」
「えっ!?」
そんなことを考えていた美空の耳に届く百合愛の言。思わず顔を上げた美空に対して、百合愛は目尻に涙を浮かべながら美空へと鋭い視線を向けている。
「そうやって、悲劇のヒロインを気取りたい気持ちは分かるわ。でも、あなたを責められるわけもないし、あなたのせいにしようという人もいないわ。でも、そうやって一人で悩んで、自分を責めていてなんになるって言うの?」
「気取るって……」
「悲しいのも分かる。むしろ、自殺を考えるほど追い込まれていたのに、のこのこ現れた男が勝手に死んで、その責任まで被らされていることは気の毒だと思うわ。でも、あなたと彼の関係はそこで終わりなのよ。そんな他人がそんなに打ちのめされていたら、残されたわたし達はどうなるの? 梨亜子さんだって、本当だったら泣いてあなたを罵倒してもおかしくなかったのよ? でも、あなたのそんな姿を見たら誰も責められないし、同情するしかないわっ!! 私だって……」
「ご、ごめんなさい…………っ」
それまで抑えていた感情が爆発したのか、抑えていたものが一気にはち切れんばかりに言葉を紡ぐ百合愛に対し、美空は自然を涙をこぼしながらそう呟くしか無かった。
――――そして、再び遠退く記憶。
それは、百合愛と別れたあとであったと思う。
どこでどうしていたのかはまったく覚えていない。ただ、何かに導かれるようにある場所へと足を向けていたことは覚えていた。
「そう、私を、あの子のところへ連れていってくれるのね……」
白み始めた視界から耳に届く、女性の声。
再び灯りはじめた視界。それは、見覚えのある民家の一室。
そして、その視線の先で美空が目にしたのは、胸元から血を流し、崩れ落ちる少壮の女性の姿。
それを目にしながら、“彼女”が美空であった記憶は急速に薄れていった。
◇◆◇◆◇
目を見開いた時に全身を包むのは、衣服の冷たさであった。
寝台より身を起こし、予め部屋に備えられている水瓶にて顔をすすぐ。いまだ日も昇らぬ早朝であり、水の冷たさが肌に染みる。
思わず身震いをしつつも、顔を拭い続ける。
身体は冷えはじめているのだが、脳裏を刺激し続ける熱さが拭われることはない。
熱さの原因は何なのか、顔を上げ波紋の残る水面に視線を向ける。やがて、波紋は徐々に緩やかに成り、灯火の緩やかな灯りが水面に少女の姿を映し出す。
白皙が如き肌、白に近い色素の薄い銀色の髪。その人間味を欠いた容姿の中にあって、唯一といってよいほど生命力満ちあふれている常緑樹の如き緑色の瞳。
(あなたは、いったい誰?)
その容姿は、持ち主本人が思わず問い詰めたくなるほどの異相といってもよい。
だが、その常人離れした容姿も、彼女が人を惹きつける要因として筆役かっていることもまた事実。
彼女は、神聖パルティノン帝国におて、唯一今上皇帝と同格の地位にある少女、『天の巫女』シヴィラ・ネヴァーニャ。
多くの信徒を扇動し、民を巻き込んでの反乱を指導し、一時とは言え世界帝国を崩壊に追い込んだことは歴史の事実してたしかに存在している。
今上皇帝、“聖帝”フェスティアの登極により復活した帝国にあっても、確実に影響力を増す教団の頂点に立つ彼女を、皇帝権力を持ってしても排除することは出来なかった。
やがて、シヴィラは悪夢による困惑を自問自答によってぬぐい去り、濡れた衣服によって奪われ続ける体温を気にすることなく窓辺へと向かう。
歩みを進めると思わず立ちくらみを起こすほどに、長い時間を悪夢に苛まれていた様子であった。
悪夢。
それは、かつてシヴィラが美空という名の少女であった頃の記憶。新たな生を得、大いなる力を得た今となってもそれは彼女を苛ませ続ける。
(――――夢か。覚めることはないのね。この手で、その元凶を消し去ったとしても……)
窓辺に立ち、青紫色の独特な色合いを持ち始めた山頂に視線を向けながら、シヴィラはそう思うと自身の白皙の如き手を見つめる。
消えること無き忌まわしき記憶。
逃げ出した先に安寧など無く、大いなる力を得ても、それを消し去ることなど出来はしなかった。
――――目の前にある白皙の如き手で、目の前のそれを排除しようとしたというのに。
そんなことを考えているシヴィラであったが、やがて、掲げたその手は血に染まりはじめ、周囲は暗がりに炎の灯る森の中へと変わっていく。
その中に浮かび上がる喪服姿の少壮の女性。
その慈愛に満ちた柔和は表情は、やがて勇ましき戦場の女神のそれへと変わっていき、見慣れた喪服姿は白を基調とし、返り血で赤く染め上がった姿へと変えていく。
彼女は手にした双剣をシヴィラの首筋に当て、何かを口にしたのち、それを振りあげる。
刹那、女性の胸元には赤い血に染まっていき、静かにその身体は崩れ落ちていく。
「っ!!」
思わず目を見開いたシヴィラ。
目の前には、“二度にわたって”目の前から消した女の姿がいるような気がしていたのだ。
だが、彼女の眼前には夜明け前の独特の景色が広がるのみ。だが、闇と光の奏でる協奏が彼女の心のうちを静かに語っているかのような、そんな景色でもあった。
やがて、その景色も朧気になり、周囲は異なる景色へと変わっていく。
シヴィラの傍らに立ち、黒きドレスに身を包んだ美女。その意志の強さと絶望を乗り越えた強さをたたえる視線の先には、目に金色の光と灯す少年と全身を血に染め、痙攣しながら倒れ伏す二人の男の姿があった。
ほどなく、両の手に剣を構えた少年が、シヴィラの元へと歩み寄る。当初は興味を持たぬつもりであったのだが、近づく彼の姿に思わず目を背ける。
聞くことの出来ぬ言葉を交わす少年と自分。やがて、その場を辞そうとした際に、胸ぐらを掴まれて床へと倒される。
視線が交錯し、眼前にある少年の顔は、記憶の中にある青年のものと変わらぬそれ。
(ごめんね……。ずっと、謝りたかった)
一瞬、脳裏をかすめるそんな言があったが、すぐにそれは脳裏から消えていく。代わりに沸いてくるのは、出所不明の憎悪。
そんなわき上がる感情を抑えることなく手をかざすと、ほどなく少年の姿は赤き火球に包まれた。
「やめてっっ!!」
そんな眼前の光景に、思わず両の手で頭を抑え、その長き髪を毟るように引き回す。
いかに忘れようとしても、脳裏から消えることのない人間達。何が正しかったのか、どうすればよかったのか。後悔したところで誰かが自分を救ってくれることなど無いことをシヴィラは知っている。
だからこそ、自分がやったことを悔いるつもりも省みるつもりもない。
結局、彼女を支配している感情は、自分を苦しめ続ける記憶達への憎悪しかなかった。
「なかなかお疲れのご様子ですね」
そんなシヴィラの耳に届く男の声。
荒い息をつき、全身に冷や汗を浮かべるシヴィラが視線を向けると、そこには見覚えのある優男が立っている。
顔つき自体は、記憶にあるそれよりも年齢を重ねているのがよく分かるが、それが男の本来の姿をよく表しているようにもシヴィラには思えた。
「久しぶり。今更、何のよう?」
「知れたこと。お迎えに上がりました」
「迎えに? こんな城の一角に押し込められている小娘を連れてどこへ行く気?」
「あなたが本来あるべき場へ」
「今更? あなたに着いていったら私の居場所は本気で無くなるじゃない。そもそも、私はあそこを追い出された身なんだけど?」
男の言にシヴィラは自嘲気味にそう言葉を紡ぐ。
あの時まで、それほど価値を感じていなかった巫女という地位も、こうして長きに渡って俗世から隔離されていると、愛着も湧いてくる。
無条件に自身に好意を向けてくる人間の存在を疎ましく思うほど人に対しての興味を失っているわけではない。
だが、一度は帝国を愛する人間達からすべてを奪った身。
今でこそ、自身を慕ってくれる人間達の努力が形になりつつあったが、男の言にのって戻るべき場へ戻ったところで、味方などいない空虚な世界が待っているだけである。
「ですが、それを決めるのはあなたではありませんよ。巫女様、いえ、皇女様というのが正しいでしょうか」
「ふうん……。私に拒否権はないというわけ? 久しぶりの再開なのに随分冷たいわね」
「巫女様は7年の間に、随分と人となられたご様子です」
「嫌な記憶を消してくれなかったからね」
そんな応酬を続けるシヴィラと男、ロジェスであったが、ほどなく両名はシヴィラの幽閉先であるハギア・ソフィア宮殿よりほんの一時姿を消す。
それは、帝政リヴィエトがパルティノンに対してまさに信仰を開始せんとする頃であり、フェスティアをはじめとする帝国首脳達にとっても幽閉のみにある巫女のことなど忘却の彼方にあった時期のことであった。




