夜の9時は亡き人への七変化
妃花は妹に会いたい会いたいともう会えないのかと日々を過ごしていました。
帰り道、妃花は月を眺めながら「ああ神様、いらっしゃるなら私を妹に会わせてください」
妃花は光を放ち、茶髪の肩口に切りそろえられた髪から黒髪の長髪に変化した。
「何だったの?さっきの光は?」
妃花は歩き初めに見覚えのない物が目に入った。
「ん?」
妃花は黒いそれを掴んだ。
髪?黒髪?なんで?どこから?
妃花は身震いすると、黒髪が揺れ動いた。
「え?揺れてる?そんな……だってそれじゃあ……」
妃花は自分の髪を引っ張った。
指通りのよい長髪に「なにこれ?」と驚き、近くの店のガラスに自分を写し出す。
「夕菜じゃん、私じゃない」
「え?なんで?私が願ったから?」
「それに、どうやって家に帰る?お父さんもお母さんもこの姿を見て失神するよ……」
そうこう考えているうちに自宅についてしまった。
妃花は溜息をついて意を決して帰宅。居間にいる母と父に顔を見せずに「ごめんもう食べて来ちゃったから晩御飯いらないー!」と叫び母の文句をよそに急ぎ足で部屋にこもる。
「どうしよう……この姿」
妃花は鏡を見る。
「夕菜に会いたかったけど、私が夕菜に会うのは違う!再会にもならないし!」
「こんなの嘘よ!そう、寝たら夢は覚めるはず」
夕菜になった妃花はベッドの布団にもぐり、お腹を鳴らしながらも祈るように眠りについた。
翌朝、鏡を見ると妃花は元の姿に戻っていた。
「なんだ……よかった……」
妃花は学校に行き、何事もなく帰宅しいつものようにバイトに行った。
バイト終わりの夜9時すぎ。
妃花は月を見上げて「そうそう……昨日はこの時間に体が変わっちゃったんだよね……」
妃花は光を放ち、黒髪を触り「また!?」と叫ぶ。
妃花の茶色い髪は伸び黒髪になり、またしても夕菜になってしまった。
「神様、私が悪うござんした。もう願わないんでこのいたずらをやめてください……」
夕菜になった妃花はコンクリートの上に崩れ落ちた。




