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第一話 仲間その2

「心にもないことを。」


 俺はジェイミーの気遣いの言葉に対して、必死に「嫌な顔などしていない」と否定していたが、彼女はそれを軽く受け流した。俺の表情が既に全てを物語っていたのだろう。


「そういうわけで、スサノオ、今日の任務用に斧を造ってくれないか。そして閻魔、情報を頼む。」


「合点承知♪」「ああ」


 二人はそれぞれの持ち場へと向かった。彼らが戻ってくるまでには時間がかかるだろう。


「良いご友人をお持ちで。」ジェイミーが感心したように言った。


 なぜかその言葉に腹が立った。単なる「協力者」ではない。彼らは神々の世界でも数少ない、私の味方であり友人だ。そんな彼らを、さも表面的な関係のように言われて、思わず鋭い視線を向けてしまった。


「ひっ!」ジェイミーが小さく悲鳴を上げて身を縮めた。


 思いのほか強い反応に、少し気が晴れたが、同時に自分の顔はそんなに怖いものなのかと新たな悩みが生まれた。二人が準備を整えて戻ってくるまで、体を鍛えておくのが良いだろう。特にA分類世界での戦闘は体力勝負になることが多い。私は専用の訓練場へと向かい、念入りに筋力トレーニングを始めた。

二時間経ってようやく二人が来た。スサノオが持っているのは、先程頼んでおいた斧だ。やはりスサノオが造った武器は納期が早く、かつ素晴らしい出来栄えだ。頼んでもいないのに、彫刻が彫ってある。彼女の武器に対する情熱と美意識の表れだろう。


「彫刻も頑張ったな。こんなことする必要ないのに。」


「だって、私が造った武器を飾るのはお前くらいだからなあ。作品として、飾るのも良いくらいだろう?」


「飾ると言っても壊れるかもしれないぞ、いいのか?」


「本来、武器というものは、人を傷つけるものだ。それがいつか芸術品として扱われたり、日常生活に使われるのが私の夢なんだ。だから今は、使われるならお前がいい。」


「そうか、それなら遠慮なく使わせてもらうぞ。 じゃあ、閻魔、何か情報を持ってきたか?」


 閻魔の情報は俺にとっての生命線だ。なぜならば、俺のスキル【知る者】は、相手を知れば知るほど、俺の全ての能力が上がるからだ。これは神々に創造された際に与えられた私の特殊能力だ。多くの代行者はそれぞれ異なる能力を持つが、私の場合は情報戦に特化している。身長・体重・癖・好きなもの、どんな小さな情報でもいい。たった一つの情報でも持っているだけで、相手に対してアドバンテージが得られる。そして情報が増えるほど、私の戦闘能力も比例して強化される。この能力のおかげで、これまで何度も命拾いしてきた。


「どんな情報だった?」


「フェーデル・アバーテ、身長は175㎝、体重55㎏、年齢39歳、右利き。使用している武器はレルダルスエイリー、【当てれば当たるほど威力が上がる】というものだ。」


 この時点で情報は「身長・体重・年齢・利き手・使用武器名・武器の特性」の6つ。俺の経験則では、危険なA分類世界の強者と対峙する場合、最低でも8つの情報があることが望ましい。なぜならば、ほとんどの神々は個人差はあるものの地上世界に降りると本来の力が10分の1ほどに制限されるが、神の代行者である私の場合は特別な構造によって力が2分の1程度しか減少しない。これは私が創造された際の設計上の特徴だ。


 他の完全な神々にとっては10分の1の力でも十分強いのかもしれないが、私のような代行者は、元の力そのものが神ほど強くないため、力の減少は大きな問題となる。だからこそ、【知る者】のスキルで情報を集め、少しでも戦力差を埋める必要があるのだ。


「他には?」


「ああ、まだあるよ。勇者というのは半分正解で、半分違う。今は、王様になっている。元勇者というのが合っているだろうな。」


「どうやって王になった?」


 俺は興味を引かれて質問した。転生者や転移者が王位につくケースは珍しくないが、その過程には往々にして闇が潜んでいる。


「魔王を倒してしばらく経ったあと、仲間が死んでから王様になっているって記録に書いてある。 そこまでしかわからない、すまないが後は自分で調べてくれ。」


 閻魔は頷き、無意識に自分の耳たぶを触りながら考えていた。彼の、思考に集中する時の癖だ。これらを踏まえると話し合いは無理に等しい。

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