第一話 仲間
「この前の仕事は本っっ当に心に来るよ。帰ってきたら、帰ってきたで汚れたように見るし。」
「気持ちは分かるよ。俺とは違って、現場に行って自分の手で審判を下すからなぁ。とは言っても俺も同じか。あはは...。これほど世界の秩序を守るために頑張ってきたというのに、白い目はおかしいだろう。これほど世界の秩序を守るために頑張ってきたというのに、白い目はおかしいだろう。」
目つきが鋭く、ヒゲを蓄え、朱色の法衣にベルトを着けているこの座っている男は、閻魔と呼ばれる裁きの神だ。最近知り合い、意気投合し俺の数少ない親友でもある。各世界にいる閻魔会の副司令官として名を馳せており、仕事をする前、地獄行きが確定した人物の情報をくれる。そのため、いちいち情報を集める手間が省けるのでいつも感謝をしている。
「そうだよ、神は原則世界に入ることは禁止だし、それに人間と極力会わないってのも精神が削れるのに、その上評価してくれないっておかしな話だ。」
閻魔と反対側に座っているこのスサノオという女性は、閻魔の紹介により一緒になってくれることが多く、数少ない友人でもある。彼女の服装は鍛冶師という立場らしく露出が少なく、髪型はショートボブである。対処する転生者たちの多くは、現地で入手した武器で事足りるが、魔王や勇者クラスの力を持つ者となると、通常の武器では対抗できない。そのため、スサノオに特別な武具を造ってもらっている。スサノオが造った武器はどれも扱いやすい。魔力を集中させる必要がなく、純粋な物理技術によって扱える設計になっているからだ。
「スサノオの武器は本当に助かる。皆が使いこなす一般的な魔法が不得意な俺にとって、純粋な技術で効果を発揮する武器はありがたい。」
「当然よ。私の親族には天照のように魔術に長けた者もいるけど、私は武具の神だからね。使う人の能力を最大限に引き出す武器こそが最高の武器だと思っているの。」
と会話していると、ドアのノックが鳴り響いた。
きっと仕事の依頼だろう。内容が面倒くさいかはさて置き、この仲間との時間を邪魔されるのは余り止めていただきたい。「いいぞ」と言うと、扉の向こうから現れたのは私の創造主である最高神の使用者、ジェイミーだった。彼女と男性使用者のエバは交代で依頼の伝達役を担っている。
「依頼だな、どこの世界だ?」
「はい、A.1355の世界で暴れている勇者を殺す依頼です。名はフェーデル・アバーテという者です。」
難易度と危険レベルは共にA。4桁ということは自然発生した世界ということか。Bならまだしも、Aともなると少し面倒くさい。AやSクラスは対処が難しい、遠距離魔法をどんどん撃ってくる。しかも、勇者や魔王などの一筋縄ではいかない者達ばかりだ。やはり彼らレベルになると暗殺は察知されるためもちろん駄目、話し合いは...候補に入れておこう。となると、また、出たとこ勝負になるのかぁ。それに人を殺すからかなり心に来る。依頼の内容を聞いた瞬間嫌な顔をしていた。
「露骨に嫌な顔しないでくださいよ。こっちも人を殺してくださいって言うのも心苦しいんですから。」
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