テトラディザスター
「衛星を退けられても、近づけば同じだ!」
ライはトールとの距離を詰めた。
だが、衛星はライに反応しない。
「!?」
「僕の衛星は一つだけ機能があってね、今の今まで使えないと思っていたけど、まさかこんなところで使えるなんてね。」
「それは、一体…」
「一度攻撃した相手をマークし、攻撃対象から外す。」
「!」
「ここまで君にマッチした機能があるなんて、運命を疑っちゃうよね?」
「風究極魔法、トルネードサーカス!」
ファーレンが唱えた魔法は衛星が迎撃した。
「話の途中で攻撃するのはあまり感心しないなぁ。でも、迎撃したら消える魔法はこの通り。」
「ちっ!」
ファーレンが舌打ちをした。
誰も、トールの笑みを崩すことは叶わない。
だがトールもまた、ライに対して下手に魔法を使えないのは事実
「って、君たちは思うんだろうね」
「!」
「僕は意外と器用なのさ。
炎上級魔法、トリプルファイア」
ライに向けて3つの火の玉が飛んだ。
「なっ!?」
ライの反応が遅れ、被弾してしまった。
「がっ!」
(こ、こいつ!)
「実は僕、賢者だったんだよね。そこから頑張って、雷究極魔法を習得したけど…まだ、感覚残ってたみたいだ」
(まずい、ライへの攻撃手段が残っていないと思っていたのに…これじゃライが近づけない。だからって俺たちは近づけない。どうにしなければ…!)
「炎究極魔法、フレイムレイン!」
焦ったフレアが攻撃を仕掛けるも、衛星が全て撃ち落とした。
「フフフ、焦ってるねぇ。」
その隙にトールはフレアに近づいて、殴打した。
「ガハッ」
「フレアっ!」
トールはシャナの方へも攻撃しようと近づいた。
「仲間想いだね。でも、自分の身も心配しなよ」
「っ!」
「風究極魔法、トルネードサーカス!」
ファーレンがそれを妨害するように、魔法を放つ。
「だから無駄だって!」
しかし、それも衛星が阻む。
合間を狙って、ライがトールに近づく。
「雷究極魔法…」
「残念、見えてるよ」
トールはライが姿を現した瞬間に蹴り飛ばした。
「グッ!」
「さて、お嬢ちゃんは…」
シャナはトールから離れ、フレアの近くにいた。
「うん、賢明だね。でも、どうするんだい?このままだったら僕が一方的に攻撃しておしまいだよ?」
「…」
「きっと、ライ君の能力は纏った電気を体当たりでぶつけるんでしょ?そして、近づけるのはライ君だけ、つまり頼みの綱はライ君ってわけだ。でも、纏えないんじゃ勝ち目はないよね。そうだろ、ライ君?」
「…そうだ、俺のスキルはあんたの言う通りの性能だ。でも…」
「ん?」
「誰もあんたの電気じゃないと纏えないなんて言ってない。
雷究極魔法ライトニングシャワー!」
ライは自身に雷究極魔法を放ち、瞬時にスキルを発動することで自身に雷の纏いを施した。
「何っ!?」
(考えてはいた、だが、発動に多少のラグはあるとはいえ非常に早い雷属性魔法、しかも究極魔法を発動し、すぐさまスキルを発動するなんて)
「中々、頭ぶっ飛んでんじゃないの!」
ライはトールに向けてスキルで一気に突進した。
「っ!雷上級魔法、トリプルサンダー!」
(しまった!反射で…)
しかし、吸収すると思われた雷はライの体にそのまま走った。
「っ!」
ライはトールとの距離を置いた。
「…なるほど、纏える電気には限りがあるのか。そして、それを超えたら電気を吸収できないのか。ならば、衛星のマークを解除。」
「…」
「これで、君は僕に近づけない」
(さあ、どう来る?)
それでも、ライはトールに向けて真っ直ぐに距離を詰めるだけだった。
「はぁ、最後は結局ヤケクソか、残念だよ」
「今だ、シャナ!」
「ええ!」
その時、シャナのスキルがトールの周りの衛星の機能を停止させ、トールの動きを鈍くさせた。
「何!?」
(こいつらずっとこれを狙って…だが、まだ衛星は一つ残っている。今の場所を離れさえできれば迎撃できる。そうすれば…)
「ファーレン!」
「分かってる!」
その残った一つはファーレンのスキルが打ち砕いた。
「なっ!?」
「終わりだ、トール!!」
トールの体を閃光が貫いた。
「っ!!」
攻撃を受けたトールは膝をつき、動けなくなった。
「や、やるじゃないか」
「あんたもな」
「…負けたよ、僕が負けるなんて、魔王様以外じゃ、なかったのにな。」
「あんたは強かったよ、あのアウラよりも」
「当たり前さ、誰が、彼女のストッパーをしていたと思ってる」
「それだけじゃない」
フレアが駆け寄ってきて、トールに話しかけた。
「ツクヨミよりも、親父よりもあんたは強かった。
ふざけてるけどあんたは幹部最強なんだな」
「…嬉しいこと、言ってくれるね。…もう、終わりみたいだ。あんたら、俺を倒したんだ。簡単に死ぬんじゃないぞ。…あばよ……」
トールは満ち足りた表情で最期を迎えた。
「…トールも死んだか。あいつら思った以上にやるな。だが、結局俺に殺されるのにな」
「さ、させない…」
コスモスがカオスの前に立ちはだかる。
「なんだよ、俺に勝とうとしてるのか?人間の姿のまま?笑わせるなよ!」
「ええ、もう人間の姿にはこだわらない!
召喚!」
聖なる光がコスモスを包む。
光の中からは神々しい姿のコスモスが現れた。
「そうだ、それでいい。神々の遊戯の始まりだ」




