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魔法の記憶  作者:
16/26

空からの襲来

日光が優しく当たるのどかな風景の中、2人の人が遊んでいる。

1人はフウ、1人はライ。

でも、何を言って何の遊びをしているのかがわからない。

それでも、諦めずに手を精一杯伸ばした…


「っは!」

ライが目覚めたのは、ベッドの上。

寝ぼけた頭が輪郭を取り戻すと、これが現実なのだと再認識した。

目が熱くなっていった。

どうしようもない喪失感が耐えきれなかった。

何度も何度も目を閉じて夢に入ろうとするけど、もう眠れなかった。

その時ドアを叩く音が聞こえた。

「ライくん起きてる?」

その声はディアのものだった。

「…」

「まだ、起きてないかな」

ディアは部屋に入った。

すると、ベッドにくるまって顔を見せないようにしているライの姿が見えた。

それを見て微笑みながら、

「そうかぁ、まだ起きてないのか。じゃあ、またね

ライくん」

そう言って部屋から出た。

ライはベッドから体を起こした。

「…あのクソ兄貴みたいな事言いやがって…、あの…」

フウの姿を思い出すと、涙が溢れてしまう。

何もできずにしばらく動けなかった。

カーテンから差し込む日光は、ライの気持ちなんて少しも考えず、暖かく、明るく、そして残酷だった。

「オラァ!さっさと起きなさい、このバカやろー!」

「っ!」

ドアを叩きつけて、すごい勢いでファーレンが入ってきた。

「ほらほら、いつまで寝てんのよ、早く起きなさい!」

「…うるさい」

「はぁ?」

「…頭に響く、1人にさせてくれよ」

「いつまで?」

「?」

「いつまで、そうやって1人でウジウジしてるのって聞いてるの」

「…」

「分かってるんでしょ?動かなきゃいけないって、だったら後はもう行動するしかないでしょ」

「僕には…もう無理だ」

「無理なんかじゃない!」

「え?」

「ライがあの時私を守ってくれた事、あんたの勇気、強さを私はちゃんと知ってる。」

「…」

「私は信じてるから!」

ファーレンはライの手を強く握った。

「僕は…」

その瞬間、ライの言葉を遮るように屋敷全体が揺れた。

「な、何!?」

ファーレンは急いでカーテンを開いて窓から外を見た。

すると、そこには空全体を暗く塗りつぶすほどの魔物の軍勢があった。

「これは…!」

「なんだ!?」

「敵襲よ!それからモンスターみたいなのがたくさん」

「なんだって!?」

「ライ、行くわよ」

ライはファーレンに強引に手を引かれ連れて行かれた。


素早く情報を察知した、ディアは外に出て魔物の軍勢に迎え撃った。

「こいつらはどこから湧いてきたんだ…?まあ、気にしても仕方ないしな、

聖究極魔法、クエーサー!」

光が魔物たちを焼き尽くした。

しかし、それでもまだ大量の魔物たちは襲いかかってくる。

「クソッ!キリがない」


ファーレンは走って、訓練施設でトレーニングをしている隊員たちの方へ向かった。

「敵襲!急いで総員、敵を迎え撃て!」

「!」

隊員たちはすぐさま準備を整えて、敵を迎え撃つべく外に向かった。

「お嬢様!」

「あなたも行ってもらえる?」

「ええ!もちろん」

「じゃあ、頼むわね。メリニア」

そう名前を呼ばれると、彼女は幸せそうな顔をした。

「ええ、私が敵を全て粉々に打ち砕いて見せましょう!」

すると素早くメイド服から戦闘着に着替え、外に向かった。

「頼もしいわね。ライ、私たちは裏から来る敵を迎え撃つ。分かったわね?」

「あ、ああ」

「もういい加減シャキッとしなさい。今は戦いの最中なのよ!」

ファーレンはライの肩を叩いてそう言った。

ライは一つ深呼吸をしてから、目の色を変えた。

「分かった!」

「うん、最高ね!さあ、裏口はこっちよ」


ディアが一人で迎え撃っている背後からたくさんの兵隊が迫ってきた。

「うわっ!」

「お前ら広がって迎え撃て!」

「おお!」

「これは…」

ディアが驚いていると、後ろからメリニアが駆け寄ってきた。

「ディア様でしたよね?」

「あんたは、メイドさん?」

「ええ、ここは私達が引き受けますのであなたは右へ。」

「わ、分かった」

その後フレアとシャナが騒ぎを聞きつけ屋敷から出てきた。

「あなた達は、左の方の守りへ!」

「了解!」

フレア達は走って左の方へ行った。

ディアも右の守りへ向かいながら周りを見回す。

「レイは何処に行ったんだ?」


「ここが裏口よ!」

ファーレン達は裏口に辿り着き、扉を開けた。

しかし、そこには…

「お、お前は…」

そこには、アウラの姿があった。


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