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第一話 絶望の中生まれた繰り返し。

2010年5月12日

 朝の街に響く鳥の声が聞こえて、朝を迎える。

その中で走っているのが私 桜花(おうか) (りん)()

 帝景高校に通う二年生。私は、部活に所属をしていないので運動不足を解消するため毎日走っている。いつも通る道には変化はない。朝だから人が少なく、とても走りやすい。

 

家に着くと朝ご飯を食べて、制服に着替えて学校に向かう。


学校に向かっている途中「おはよう、オウカちゃん」と声を掛けてきたのは、同じクラスの悠里千(ゆうりち)()である。彼女とは小中高と同じ学校であり、家が近所であるあるため、毎日一緒に登校する。


「おはよう、千香。あんたいい加減、髪型を直して登校すれば?男子にいつも雑子って


呼ばれていることを知らないの?」言うと


「知っているよ。でも朝直す時間がないし、このランダムな髪形が気に入っているから、


これで大丈夫なのだ」と自慢げに答えてきたので、


「あんたが大丈夫ならいいけど、あんたと一緒にいる私までに変な目に見られるから、私


がいつも学校で髪の毛を直してあげるだから、ちゃんとして」と言いうと、


「いつものお説教?もう聞きたくないし、いつも髪型を直すのは感謝しているから別にい


いでしょ?このお話終しまい。」と千香が言う。


内心少し「この子は」と思ったが、何度も言う必要性も感じなかったため、もうそのあと


は、何も言わなかった。


最寄り駅から電車で30分のところにある、私が通う景帝高校。特に変哲もない普通の高校だ。

この高校の前にある並木道を進んでいると、隣から花蘇芳 美慧がこちらに近寄ってきた。

「おはようございます。輪華さん」と声を掛けてくる。

 彼女の家はとてつもないお金持ちで、とても広い屋敷に住んでいる。なんでこの高校に通っているのかが分からないくらいのお金持ちで、とても礼儀正しい。

「おはよう、()()。今日は調子良さそうだね?昨日はいきなり倒れて帰っちゃうからびっくりしたよ。」と言いうと

「ごめんなさい。昨日は、心配をかけてしまって、昨日あのあとに病院に行ったら、別に体のどこも悪くないから大丈夫だと言われましたから。」と美慧が答えると、

「大丈夫ならいいじゃない。今日普通に学校来ているし、今普通に話せているから」と千香が言う。

「それもそうだね。顔色も別に悪くないし、普通に話せているから大丈夫そうね。ところで今日の授業はなに?」と私が言う。


「今日は、1時間目が体育で、2時間目から先は覚えていないや」と千香が答えた。

「一時間目だけ分かっていても、それ以外も大切でしょ?今日の授業は体育、化学、数学Ⅱ、数学B、英語、物理でしたわよ。」と美慧が答えた。

「今日は理系科目の日か、結構大変だな。私は文理選択で理系を選んだけど、ここまでつめて理系科目をやると、少し頭が痛くなってくるわ。」と私が言うと、

「そうだね。私も授業中途中で何言っているのかが分からくなって、眠たくなって、いつも寝ちゃう。」と千香が答えると、

「あんたこないだの中間テスト、下から数えたら早いだから、いい加減真面目にやりなさい。うちの高校成績が満たないと留年する可能性が大きいだからね。」と私が言うと、

「千香さんはこの高校を主席で入学して1年生の間は、ずっとテストで、1位だったので大丈夫ですわ。」と美慧が言う。

「だけど、大学受験は高2からが本腰を入れないといけないだから、しっかりとしないと大学いけなくなるわよ。」と私が言う。

「確かにオウカちゃんが言っていることが正しいけど、私は、もう高校の間で習うことは、全部終わらせているから、別に授業を聞かなくても大丈夫だもん。」と自慢げに千香が言うと、

「だったら、なんでテストでは点数は取れないの?」と言うと、

「それはね。1回でいいから下からの景色を見たかったからだよ。」と真面目な顔で千香が答える。

「じゃあ、次は1位取りなさいよ。」と私が言うと、

「そうだね。次はテスト問題をちゃんと解きますよ。」と千香が答える。

「そろそろ予鈴がなりますし、早く教室にいきますわよ。」と美慧が言ってきた。

「そうだね。さっさと行こうか。」と私が言って、三人とも先を急ぐ。

 クラスにつくとちょうど予鈴がなり先生が入ってきた。今日の時間割と学校の書類に関する話がされた。特に聞く必要がなかったので、本を読んでホームルームが終わってしまった。1時間目は体育なので、女子更衣室にまで移動して、着替え体育館に向かう。

 今日の体育の授業は、バレーボールだ。チーム分けをして、試合が始まろうとしていたが、私はその時に一瞬めまいがして、そのまま倒れてしまった。

私が気づいたら知らない天井の景色が見えていた。

「私なにしていったんだけ?」と私が思う。確か体育館で倒れて、保健室に行ったところはかすかに覚えているが、そこまでしか覚えていない。

ドアが突然開かれる。

「点滴の交換の時間ですよ。」と一人の看護師が入ってきた。彼女は私を見てとてもびっくりしていた。

「先生、桜花 輪華さんが起きました。」とナースコールを押して連絡をした。


数分後

私の病室に先生がきた。

「こんにちは。私は、宮本 流田。君の担当医だよ。君は学校で倒れて、10時間くらい眠っていたんだよ。」と言われる。私は、自分がたおれてすごく時間が経っていることを知って、びっくりした。

「今日は、様子見で入院してもらうだけだから、大丈夫だよ。でも一応検査をしたいから、明日は検査のために入院してもらうよ。」先生に言われる。

「わかりました。」と私が答えると、先生は私の病室から出て行った。私は病室で1人になり、どのような現状置かれているかがよく理解できなかったが、そのまま寝ることにした。

5月13日

私はいろいろな検査を受けた。久々の病院だったので不安だったが、特に問題がなく過ぎっていた。血液検査を終えてそのまま病室に戻った。疲れていたのかすぐに寝てしまった。

5月14日

不思議な夢を見ていた。自分が何度も誰かを助けようと奔走する夢を見た。でも目が覚めると、だれを助けようとしていたのかを覚えだせない。その夢の内容も何も覚えだせないでいた。

朝、病室の扉が開かれる。

「おはようございます。検温の時間です。」と看護師さんが入ってくる。

「おはようございます。昨日検査の結果は今日見せてもらうんですか?」と聞くと、

「たぶん見せてもらえることができる」と気まずそうに言われた。なぜあんなに気まずそうな感じで答えられたかはわからないがとりあえず朝ご飯を早く食べたいな。

朝ご飯を食べ終わり、宮本先生に呼ばれる。

「親御さんにはもう説明をしていますが、君の状態はとても悪いです。」と言われて私の頭の中は真白になった。

「ステージ4のすい臓癌。これは手術では、取り出すことはできないため今から持って余命5年ぐらいです。」と言われて、私はさらに頭が真白になる。

「先生、私は倒れるまで、特に病気もなく今まで過ごしてきました。何かの冗談ですよね?」と私が冗談召しく言うと、

「冗談じゃないです。これは、とても見つかりにくい癌で早期発見が難しく、ここまで来るともうできる手がありません。もし抗原剤治療などを受けるならば、延命処置はできますが、今の技術では、治すことはほぼ不可能に近いです。」と言われた。

「もし抗原剤治療受けることを希望するなら、止めはしませんがおすすめもできません。」と言われる。

私の頭の中今何かを考えることをできる状態ではなかった。

「今日のところは、病室戻って考えてみてください。もし希望するなら、抗原剤治療を行いますが、希望しない場合は、定期的に病院に通ってもらって痛み止めをお渡しいたします。どちらを希望しても、大丈夫なので考えてください。」と先生に言われる。

「輪華、あなたはどうしたい?お母さんとお父さんは、あなたに長く生きてほしいけど、あなたの苦しむ顔は見たくないわ。どちらを選んでも私たちはあなたの味方よ。」とお母さんに言わると、

「わかった、お母さん一回一人で考えさせて、明日までに答えを出すから今日はもう帰っていいよ。」と答えると、

「わかったわ、明日また来るからね、明日ね。」とお母さんに言われて、

「明日ね、バイバイ」と答えた。

その夜私は、自分の運命に絶望していた。私が何をしたと言うんだ?何か悪いことはしたのか、それとも前世での行いが悪かったのか考えた。お母さんたちには、心配はかけたくない。闘病生活になってお母さんたちに負担を掛けたくない。だったら一つしか選択が無い。

5月15日

「先生、私は、希望をしません。だから家に帰してください。」と伝えると、

「わかりました。もう少し経過を観察したいのでもう少し入院をしてもらったら、退院してもらいます。」と言われた。

5月20日

私は退院した。さらに色々調べてもらって、日常生活を行う上で、問題はないと診断されたので、薬をもらって退院することができた。ここから5年くらいは後悔が無いようにいきたいと思っている。

5月21日

今日から学校復帰だ。千香と美慧には、たくさん心配かけたから、お詫びをしないといけないと思った。いつもより早く登校した。

いつもとは違う早い時間だから、違う人達がいる中で、違う電車に乗って学校にいった。いつもとは違う風景に少し不安になっていた。高校の前の並木道を歩いていると、いつもより早い登校しているため、生徒がほとんどいなく、とても静かだった。教室につくと誰もいなかった。

教室に一番最初についたので、クラスメイトがだんだんと入ってきた。千香と美慧は、登校してくる時間が遅いので、教室には話し相手がいなかった。

「なんで、輪華さん、学校来ているんだろう?」と小声で聞こえてきた。

「一週間くらい入院していたけど、大丈夫かな?」

「確かにね、でも、学校来ているということは、大丈夫なんじゃない?」と聞き、

 「私のことについて、話しているんだな」と思った。いつもは、周りの声なんて気にしてないのにこういう時に限って気にしてしまう。余命宣告をされて、心に余裕というものがないんだなと思った。

「やっぱり、今日は気まずいし、帰るか」と思い教室出て、並木道まで歩くと、登校中の千香と会った。

「輪華、大丈夫だったの?」とすごく心配そうな顔できいてきた。

「全然大丈夫だよ!」と表上は答えるが、内心早く帰りたいとイライラしていた。

「だったら、よかった。輪華が倒れて時は、心臓が止まると思っちゃった。」

「心配かけて、ごめんね。」

「大丈夫、大丈夫!輪華がこうやって普通に学校に来れているし!」と言われた瞬間、私の中で何かが切れた。さっきからみんな「普通」と言うけど、何か普通なんだ?私は今余命宣告もされている、これは普通じゃないはずだ。何が普通だ、意味がわからない。

「私が、普通か」

「どうしたの、輪華?そんなこと言い出して」と不思議そうな顔でこちらを見ている。

「私さ、倒れて病院に入院しているとき、余命宣告受けたんだね、あともって5年だって」と言うと、千香はなんとも言えない顔をしている。

「千香、私はさ、もう普通じゃないの、あんたらと違って、未来がほとんどないの?わかる?アンタがのうのうと生きている時間も私にとっては大切なの・・・・」と言うと、ふと我に返る。千香が泣き出していた。私の余命がほとんどないことや、私に罵倒されたことで精神的に来てしまっただろう・・・・・

私は気づいたら、千香をおいて駅の方に走っていた。自分がどれほど最低なことをしたかを考えていた。

「どうしたの?輪華?こんな早くに帰ってきて」と母が心配そうに尋ねてきた。

「大丈夫、何でもないから、今日は学校に行く気分じゃないの」

「そう、わかったわ」とそれ以上何も聞かれなかった。

部屋に着くと私は、ベットに飛び込んで、泣いた、とにかく泣いた。泣き疲れそのまま寝てしまった。

5月22日

私は、学校に行かなくなってしまった。

昨日のクラスメイトが私を見る視線がとても嫌だったこと、千香に酷いことを言ってしまったことで、学校に行きたくなくなってしまった。大切な幼馴染に辛い思いをさせてしまったことに後悔してしまった。もう顔を合わせることはできないと考えていると、下から母の声が聞こえた。

「輪華ちゃん、千香ちゃん来ているけど」と母が言ってきた。絶対に会いたくなと思い、返事をしなかった。

「千香ちゃんごめんね、今誰とも会いたくないみたいだから、今日のところは帰って」と母が言っているのが聞こえてきた。千香は帰ったらしく、私は少し落ち着いた。

本当は謝らないといけないと理解しているのに体が動かなかった。今度謝ればいいと思ったが、私はそこから外出をしなかった。

6月22日

私は、この1カ月学校には一度もいかなかった。千香も何度がうちに来たが母に事情を話し、千香とは一度も顔を合せなかった。

この1カ月間、私はほとんど自室で過ごし、怠惰な生活をしてきた。外に出るのも、コンビニにお菓子や本を買いに行くことだけだった。

今日は好きな漫画の新刊が発売される日なので外に出た。最近は曜日感覚と時間間隔もないので今が朝、昼なのか全く分からないまま外に出てしまった。

コンビニで無事に本の購入ができ、帰路の途中に信号機に差しかかった。信号待ちをしていると、隣から話し声が聞こえてきて横目で見ると、帝景の制服が見えた。

私は、その子を見た途端胸の中がぞわぞわし始め、早く信号が変わることを願った。私は直感で千香だということを理解したいが、顔を合わせないためそちらを見なかった。だが、突然足音が、近づいてきた。

「輪華だよね・・・・・」と声を掛けられた。

私は恐れながらゆっくりとそちらを向くと、目元がパンパン膨れた千香がいた。

「久しぶりだね。。。。千香・・・・」と私が震えながら言った。

「輪華、ごめんね、私酷いことを言っちゃった。」と千香に謝られて、私は頭の中は、「なぜ千香が謝っているのか?」という言葉が思い浮かんできた。私は次の瞬間赤信号を渡ってしまっていた。その場から逃げたという気持ち先走り渡ってしまった。

「輪華!危ない」と千香が叫んでいたが、私はそのままトラックに轢かれてしまった。

轢かれる前に最後に見た千香の顔は私を心配するような目でこちらを見ていた。

私の意識は、轢かれた瞬間に無くなってしまっていた。私はこの時に確実に死を直感した。

だが、目覚めると私の部屋のベットの上にいた。

2010年5月12日にリープ


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