地元が恋しくなってきた
放浪癖を抱える俺が帰ってきた地元は、暗く沈んだ不気味な街と化していた。
「なんだよ、この街は……!!」
俺の身に起こる不可解な出来事と、その謎を解き明かせ!
「あー、帰りてぇ…」
俺は放浪癖がある。両親は俺が子供の時に事故で他界した。以来、親戚の家をたらい回しにされてきたがどこも落ち着かず、隙を見ては度々家を抜け出していた。そんな子供はどこも預かりたくはないだろう、皆最初の内は優しく接してくれるが、後は2、3か月すればすぐに違うところへ移される日々。どこも似たような人間、風景、暮らしで嫌気が差してきたところで出会ったのがこの街だった。
人は少なく中心地からも遠く、辺りは田んぼや山ばかりでバスも中々通らない、交通も不便な一見つまらなく感じる小さな街。だが、俺は今までのどことも違うこの街に、心惹かれた。
でも山は探検する気になれないし、通信は繋がりづらいし遊べるような仲間もあまり多くはない。すぐに飽きた俺は、少し都会の方へ行くことにした。
それから少したったころ、俺を引き取ってくれているその街の親戚が亡くなったとの知らせが届いた。急いで戻ると葬式の一日前には間に合ったが、もう生きている老夫婦を見ることは出来なかった。別に優しく接してくれていたわけでもないが、俺のことをちょうどよく放っておいてくれて、いつ戻っても必ず俺の分のご飯も用意してくれていたことに、恩を感じていた。それなのに、感謝を伝えることも出来なかった俺は、なんだか居づらくなり、すぐにこの街を後にした。
あれから数ヵ月がたち、俺の地元らしい地元として唯一挙げられるあの街が恋しくなってきた。
(緑に囲まれたい…)
なぜか無性にそんな思いにかられた俺は、地元に戻ることにした。
あんなことになるとも思わずに……
はじめまして!うさうさ連合です!
とりあえず夢で見た内容を物語風にして書き起こしてみたいと思います!後半からは、考察パート入れていきたいなー……とか思ってますがハードル高めですね…
都合により大分更新遅くなる可能性がありますが、大目に見てくださるととても嬉しいです!