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どこまでもつづく道の先に  作者: カルボナーラ
王都にて_女王の狂気と大蛇の血
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【ディル】ふた手に分かれる


【ディル】


月明かりの下......俺は大木の陰に身を潜め、エレナが戻ってくるのを待っていた。


遠くから走り寄る人影が見える。

エレナだ。


「レンは.....ヤツの様子はどうだった?」

さっそく彼女にたずねる。


「はい.....。思ったよりも落ち着いておられました」

「そうか......」


牢獄の見張りは、2人だけだったので簡単に倒すことができた。

顔を見られないように素早く、気を失わせたのだった。

誰の仕業だか、バレることはないだろう。


見張り兵を倒す際、目玉にナイフを突きつけて脅し牢獄のカギのありかを吐かせた。

兵士は

「.......牢獄のカギは隊長が厳重に保管している。

手に入れるのは不可能だ」

と言っていた。


「くそ......なんとかしてレンを助け出したいのだが。

隊長は、スキのないヤツだし......」


「ディルさま......」

エレナが言った。


「ウォーカー殿は自分のことよりも、ベルナルド家の妻と御子息を救ってほしいと。

二人をどこかへ隠して欲しいとおっしゃっておりました」


「......なにっ?」


確かに......。

女王の妹を殺したとなれば、ベルナルド家にも攻撃が及ぶだろう。

その前に、アリッサさまや子どもを助け出したいということか......。


「......レンらしいな」


俺は考え込んだ。


どうしようか。

レンを絶対に助け出したい。


やつが、拷問のうえ処刑されるなんて考えたくもなかった。

だが、もしも......。


もしもレンの命を救ったところで、アリッサさまや子どもが死んでしまえば、レンは絶望の淵に追いやられるだろう。


「くそっ!一体、誰がイリーナさまやトッド卿を殺したんだ?」

「......私は、念のため、口封じに殺される可能性があるトッド卿の見張りに立ちます」


エレナは、声をワントーン落とした。

「レンさまとベルナルド領にいらっしゃるご家族の両方を救う方法が一つだけあります。

......ディルさまも私と同じことを考えていますよね?」


「そうだな。

俺もお前と同じことを考えていると思う......」


俺、ニナ......それにエレナの3人がバラバラになって、ふた手に分かれる。

それしか方法はないだろう。


「俺がここに残る。

エレナとニナは、ベルナルド領へ向かって欲しい」


俺がそう言うと、エレナは首を横に振った。

「ニナさまが反対するでしょう。

彼女は、あなたとは絶対に離れない」


「しかし、ニナをここに残すのは危険すぎる」

「そうですね、ニナさまは人を傷つけることができない。

はっきり言えば戦いになった場合、足手まといになります」


「私がここに残るしか無いでしょう。

私が、レン・ウォーカー殿をお救いします。

ですので、ディルさまとニナさまはベルナルド領へ今すぐ向かってください!」


......本当にそれで良いのか。

エレナ一人に、レンの救出ができるのか。


だが......いくら考えても、それしか方法がないように思えた。


俺はエレナの肩に手を置いた。

「エレナ。

危険な任務になる。.....本当に良いのか。

お前には断る権利もある」


エレナは

「ウォーカー殿は無実。

私の主人であるディルさまがそう言うのだから、そうなのです。

であれば、無実の人間を救わなければ私は一生後悔します」

そう言って、かすかに笑ったのだった。


「どういう作戦でいくんだ?」

エレナにたずねる。


「作戦......というほどのものはありません。

ただ、私は以前、王宮に努めていたころ、近衛隊に入り女王の護衛を任されていました。

ですので女王のことは知り尽くしているのです。

最悪の場合は、女王に直談判して真犯人を探す猶予をもらうという方法を考えています」


「直談判......?

気狂い女王として有名な、あの女王がそんな情けをみせるとは思えないが」

俺は不安になってきた。


「いいえ、女王は話せば分かるお方なのです」

エレナは遠くを見るような顔をしていた。


たしかに、以前......エレナは「女性であること」がバレて打首になるところを女王に助けられたと言っていたな。

なにか女王と深いつながりがあるのかもしれない。


エレナに賭けるしか無いだろう。



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