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どこまでもつづく道の先に  作者: カルボナーラ
子どもの誕生とレンの出発
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【アリッサ】どうにかなりそう


「愛してるの」

あたしはレンの首に腕を巻き付けて、彼の顔を見上げた。

レンは焦ったようにパッと目をそらす。


(レンはどうしていつも、あたしに迫られるとこんな風にオロオロして拒否するのかしら)


「アリッサの体が心配だ。

まだ出産後、間もないし」

レンがお決まりのセリフを言い始めた。


「さっき言ったでしょう?

もうどこも痛くないし、回復したって」

あたしは彼の首にからめた腕を、なお一層きつく巻き付けた。


「......」

レンはあたしから目をそらしたままだった。

心なしかレンの頬が赤くなっている気がした。


(うそ......照れてるのかしら。

可愛い......)


あたしは思い切って寝間着として羽織っている布の腰紐をゆるめた。

さらに、寝間着の肩をはだける。

「アリッサ、なにしてる」

レンは慌てている。


少しだけ肌を見せるつもりだったのに。

パサッと音を立てて寝間着があたしの足元に落ちる。

シルク製の寝間着は、するりと肌を滑って、一気に脱げてしまったのだった。


あたしは下着姿になった。

(恥ずかしい!

やっぱり止めておけばよかった)

あたしは急に恥ずかしくなって、体を手で隠して下を向いてしまう。


そのとき急にレンが口を開いた。

「アリッサ、こっちみて」

「え......」


彼があたしの顔をじっと見る。

アゴをもちあげられて、キスをされた。

......ふんわりと彼の口があたしの口を覆った。

そして優しく唇を噛まれる。


それから、手首を掴まれて、激しくキスをされる。

あたしは彼の勢いによろけて、後ろに一歩、下がってしまった。

(なんだか......いつもと違う)


レンは唇を離した。

そしてあたしの額に自分の額を押し付ける。


「......ほんとにいいの?」

「う.....うん」

あたしの心臓はドキドキと波打ち、呼吸が自然とあらくなった。


強く抱きしめられる。

「......少し苦しいわ」

あたしは彼の胸に顔を押し当てたまま言う。


「もう途中で止められないよ」

レンはそう言うと、あたしを抱き上げてベッドに運んだ。

「止めなくていいのよ」

あたしは彼の耳元で囁いた。


ベッドにそっと寝かせられる。

彼がじっとあたしを見下ろしている。


(あぁ、どうしよう。

ドキドキが止まらない)


彼はあたしに覆いかぶさると、頬に優しく触れた。

「愛してる。

ずっと我慢してたから、俺......どうにかなりそうだ。

おかしなことしたら、止めて欲しい」

そういいながら、体に触れる。

「レンの好きにしていいのよ」


あたしも......どうにかなりそうだった。


ようやく彼と結ばれるんだわ。

涙が流れ落ちた。

あたしは彼にしがみついた。



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