第9話
リーフォンが黒い翼?そんな話、どこでも聞いた記憶が無いし、日記にもなかったんだけど・・・
騎士たちが、おぉ、流石戦場の漆黒・・・だとか、黒い死神、本物は思ってたよりかっこいい・・・だとか言っている。
え?周知の事実?だから、変なこと言ってるなー、って言葉は聞こえたけど、メイド達みたいな忌み嫌う陰口はなかったのか。
なんかいきなり恥ずかしくなってきたな・・・本物の実績ある黒い翼の目の前で、私は差別しない!なんてことを叫んでたのか・・・
「ほほ、リンネハルト王子には見せたことがありませんでしたな。王子が生まれる前までは、魔物がダンジョンから溢れた時などに、それはもうばっさばっさとなぎ倒したものですぞ?」
「あぁ、事実だ。先代近衛騎士団長、リーフォンってのは有名な話だが・・・耳に入らねぇってのも変な話な気が・・・」
そうですよね。なんで1㎜も知らなかったんでしょう。
「まぁ、私がすべて遮断しておりましたからね。王子が黒い翼をどう思うのかに、私が関与したくはありませんでしたので。」
あっ・・・そういうことか。
ゲームでのリンネハルト王子は、死んだ後に、母親が寝込んでいた塔の部屋で黒い羽を見つけたことにより、母親の死に関わっていると思って黒い羽を恨んでいた。
それもあってこの世界では黒い羽が嫌われてるって言うことがはっきりと分かったんだけど・・・
だが、それはリーフォンの羽だった、ってことか。
大方、死ぬ前にあなたの翼を再び見たい・・・とか言ったんだろう。
では、死因はなんだった?
・・・思い出した。ノワールの母や、妹であるシエルの死因でもある、流行り病に感染したんだ。
確か、14歳の誕生祭はその喪に伏せる、と言うことで行わず、リーデンハイトの滅亡~2年ぶりの誕生祭での悲劇~なんて言われてたくらいだ。
つまり、保護だけでなく、病の対策も行わなければならない、と言うこと。
確か、流行り病が広まったことを切っ掛けに、病魔を払うという方向性の回復魔法も研究していたはず。
そこに、地球の人間である俺の知識、ウイルスや菌と言う概念が加われば、不可能なはずの病に効く回復魔法を完成させることができるかもしれない!
効果を強めるであろう杖に必要な材料は、聖衣を軽く巻く程度、、聖銀を一欠片、聖水を少々、聖樹の枝あたりか?聖水は霊峰ウィンブルグからとれる霊水を使って作れるし、聖銀は銀を教会で祝福すれば作れる。そして、確か一番近くのダンジョンのセイントマミーのドロップが聖衣だった。
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