第7話
このままでは頭から真っ逆さまに落ちる、そう判断した私は空中に結界を展開し、それを蹴ってくるりと回転、どうにか背中から落ちるように態勢を整え、衝撃に備えてぎゅっと目をつぶる。
とすん、と軽い衝撃が来、少し後に同じくらいの軽い衝撃が体を襲う。
思っていた物とは異なる現象に困惑した私は目を開く。
目の前には、リーフォンの白い髭があった。
えぇ?どういう状況?
「アンダリュサイト!手加減をしなさい!王族を吹き飛ばすなんぞ、そのような教育をした記憶はありませんよ!」
あ、私、俗にいうお姫様抱っこみたいな感じに抱えられてるのか。
リーフォンが空中でキャッチしたってコト?
「す、すみません!思っていたより強く、思わず力が・・・」
「王族の剣と偉そうに説教していたにもかかわらずこの始末!どう責任を取るのです!」
「え、えぇと・・・」
責任って・・・
「リーフォン、おろしてくれ。それと、アンダリュサイト」
「はっ!」
リーフォンはそう言うと、脚から先にふわりと優しく降ろす。
過保護すぎでは?
っと、そんなことより、胸に手を当てて私に頭を下げているアンダリュサイトに言葉をかける方が先か。
「そんなに硬くならないでくれ。私が稽古をしたいと言ったのが発端なのだ。罰そうなんて思っていないし、責任なんて問わないさ。」
「はっ!ありがとうございます!」
「ところで、それでもアンダリュサイトが気にするというのであれば、頼みたいことがあるのだが・・・」
アンダリュサイトはちらりと私の後ろ・・・リーフォンを見る。
「何なりとお申し付けください!」
うーん・・・今のリーフォンの表情が気になるけど、都合はいい。
「スラムにいるであろう、烏族の子供の保護をしたいんだ。」
アンダリュサイトは顔を顰める。
「烏族、ですか・・・」
渋るアンダリュサイトに、リーフォンが目を吊り上げる。
「何か問題があるのですか!?」
アンダリュサイトは申し訳なさそうな顔をする。
「い、いえ、その・・・」
このままじゃ良くないな。
「あぁ、予言のことであれば気にしなくていい。関りがあるのだとしても、むしろ、それを阻止することになるはずだ。」
アンダリュサイトは不思議そうな表情になる。
「それは、どういうことで?こう言っては何ですが、黒い羽は・・・」
「忌み嫌い、排斥することに意味などない!私の飼っている小鳥は、黒い羽だからと放置されそうになったが、今では立派に・・・立派に恩返しをしてくれる!重用すれば、恩を感じることはあっても敵対することはないでしょう!」
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