第3話
さて、ノアールの年齢と登場するチュートリアルモブと言ってもいい俺の年齢はどうだったか。
確かノアールを攻略するルートもあったはずだから、あんまり離れていないのでは?
と、言うことは、だ。まだ妹が死んでなかったりするんじゃなかろうか?
妹が死ななければ、烏魔王が生まれず、この世界は滅びないんじゃないだろうか?
いやまぁ、他の国は他の魔王に滅ぼされる(レベルが足りていたり、選択肢が正しければ滅びかけるだけになる)のだから、油断はできないだろうが、少なくとも目前の危機は回避できると言えるだろう。
なんなら、作中でも屈指の魔法力を誇っていたノアールを味方に引き込めば、後に魔王になるほどの才能がある魔法使いを得れるということだろう?成功すれば、他の魔王をアンに頼らず討伐できてしまうかもしれない。
で、あれば、まずすべきことは彼らの捜索・・・ではなく、今の年齢の確認だな。
俺の15歳の誕生祭の時に襲撃があって、台詞の中に『あの子は死んだのに、なんで君らは喜んでいるの?』と言うものがあった。
つまり、タイムリミットは俺が15歳になるまで、と言うことだ。
俺は起き上がり、何か手がかりはないかと周囲の捜索を始める。
「お、これは・・・日記か?」
ぺラリ、と表紙をめくる。
『きょうは、りーふぉんがたんじょうびぷれぜんとににっきちょうをくれた。きょうからまいにちかく!』
自動翻訳されてくれたが、拙い文字だからなのか、ひらがなだけに見えるな・・・で、結局何歳なんだ・・・
もう一度ページをめくる。
『にっきふつかめ。きょうはおにいさまが、もう5さいになるのだから、さほうをまなばないとな、といっていました。なので、あすからせんせいがくるんだって!』
ほーん。作法ねぇ・・・5歳から大変だねぇ・・・
ズキン、と頭が痛む。
ぱぁーっと礼の仕方に始まり、話し方、食事の仕方などが頭をよぎる。
「ってぇ!・・・うっ・・・気持ち悪・・・情報一気に流し込まれるってこんな気分なのですね。」
ところで、日記を読んだことを切っ掛けに記憶が蘇った?と言うことでしょうか。で、あれば、読み進める必要がありますね。この先、違和感なく生活し、権力を使わなければ15歳になってもいない子供が、スラムにいる兄妹を探し出すなんて不可能なのですから。
そう考え、次のページを開く。
『きょうは、くろいことりさんをひろいました。でも、めいどさんにはくろいはねはよくないものだ、といわれましたし、りーふぉんは、だめだっていうのです。だからこっそりかうことにしました』
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