第2話
ドタドタと音を立てながら執事ことリーフォンが部屋を出たことを確認し、俺は体を起き上がらせる。
「はぁ・・・しまったな。もう高校生だって言うのに、驚きで声上げちゃうとか・・・うん?そう言えば、今の俺は何歳なんだろう。リンネハルトが15歳のころにノアールのせいでこの国が滅び・・・そうじゃん。滅びるんじゃん。あぁ、口に出すと誰に聞かれるかわからないな・・・」
ぺリ・ペイズ~重なる黒~は、よくある乙女ゲーである。
ただ、レベル上げ用にダンジョンがあり、イベントまでにレベルを一定以上に上げないと国が滅ぶ。
そんな冒険要素もあるゲームで、そのダンジョンがなかなか難易度が高く、ダンジョン内ではオンラインでプレイできることもあり、ゲーマー仲間に誘われてやったことがある。
主人公はアン。
どこにでもいるいたって普通の少女、なのだが外見はプレイヤーが決めれるためこの世界の彼女の姿はわからない。
流石に乙女ゲーだから性別は女固定なのだが、なかなか自由度が高く、ムキムキの筋骨隆々の漢女や、都市伝説に出て来るとても身長が高い例の女性など、様々なキャラクリエイトが成されこれも話題になっていた。
この少女のレベルを上げ、装備を集めないと、ストーリーが進むごとにいくつもの国が滅んでしまう。
問題は、その最初の、チュートリアル的に滅ぶのが今俺がいるこの、リーデンハイト王国である、と言うことなのだ。
主人公の名前がアンで固定な所から察せるかもしれないが、最初がアンで、次に出て来るキャラが俺ことドゥ、と言うわけである。
流石にドゥと言う名のキャラにするのは憚られたのか、ミドルネームなのだが。
この国を襲うノアール。ストーリーが進むにつれ、彼にも悲しい過去があることが判明するのだが・・・ぶっちゃけどうでもいい。
わが身が大事なのだ。
もしまだ魔王になっていないのであれば、今のうちに芽を摘ませてもらうしか・・・うん?なっていない可能性があるのであれば、ならない方向にもできるのでは?
・・・ノアールの悲しい過去を確認しよう。
彼は、烏族という烏に転じることが可能な、鳥人族の一種である。
かつで存在した偉大な魔女が、『世界を黒い羽が壊す』と言う予言を残したことにより、烏族を含む黒い羽を持つ鳥人族や、他に鳥の特徴は持たない翼人族の中で翼が黒い個体が暴力行為の対象になったり、一部の職にしか就けなかったりなどの排斥されてきた歴史がある。
その一部として、彼と彼の一家は排斥され、妹が生まれてすぐに父親を鉱山の落盤事故で亡くし、そのすぐ後に母親を流行り病で薬を得られなかったために亡くし。
その直後に兄妹共に、お前らは疫病神だ、と追われ、スラムに隠れ住むことになった。
そして、劣悪な環境のせいで唯一の肉親である妹が死に、彼はナニカの囁きに乗り、烏魔王になってしまうのだ。
そしてほぼすべてのルートにおいて後半に戦闘があり、敗北すると世界が滅ぼされる。
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