第1話
何話も読むのがまどろっこしい!と言う方は、本日19時の最終話投稿のタイミングでまとめ版を投稿しておりますのでホームページからそちらでお読みくださると幸いです。
トンっと体を押され、俺はトラックの前に飛び出す。
キキ―!ドン!
体が浮かぶ。痛い。いたい。イタイ。
「キャー!リンネお兄ちゃん!」
あぁ、何で、こんなことに、なった、んだろう。俺が、何を、したって、言うんだ。
「えっ?兄!?」
「お兄ちゃんに何すんのよ!」
死にたく、ない
【ふぅーん・・・魂的に、悪人ではない。で、物語も知っている。さらに、名が近い。うん。条件に合致しているね。運良く・・・じゃなくって、不運にも死んでしまったし。タイミングもばっちりだ。】
なんの、声
【おっと、急がないと死んでしまうな。蘇生より回復の方が消耗は少ないし・・・なぁ、少年。行きたいかい?】
生き、たいに、決まってる
【あー、いや、うーん。まぁ、同意と言うことでいいかな!じゃ、行ってらっしゃーい!】
は?なにを
体がふわっと浮かぶ。少しずつ、痛みが引いていく感覚がある。
【あぁ、周りの人には幻覚見せておくから安心したまえ!ちゃんと葬式まで済ませておくさ!】
そんな声を最後に、俺の意識は途絶えた。
じ、王子!」
身体が揺すられる。ふわふわだ。ベッド?うちのベッドはこんなやわらかくないぞ。
パッと目を開ける。天蓋?と言うのだろうか。こんなものはうちのベッドにはない。それに、俺は誰かに突き飛ばされてトラックに撥ねられたはず。だが、病院には思えないな・・・それに、話しかけられている気がするし。
「う、うーん・・・ここは・・・?」
そう言いながら上半身を起こす。
「おぉ!リンネハルト王子!目をお覚ましになられましたか!」
うん?どこかで見たことあるような、白髪の執事?さん。そして、リンネハルト・・・うーん。やっぱりどこかで・・・
「え、えーっと?」
「王子、どうなさいましたか?もしや、階段からお落ちになった際に頭を打って記憶に異常でも!?」
凄いな。まるで知ってるみたいな・・・
「あー、うん。そんな感じ。えぇと、俺の名は、リンネハルトでいいのかな?」
「えぇ、そうですとも!貴方様はこの国、リーデンハイト王国が第二王子、リンネハルト・ドゥ・リーデンハイト様でございます!」
リーデンハイト・・・第二王子リンネハルト・ドゥ・リーデンハイト・・・あっ
「ここ、ぺリ・ペイズ~重なる黒~の世界じゃねぇか!」
「大変ですぞ!王子が頭を打った衝撃で記憶を失ったばかりか、わけのわからぬことを叫び始めましたぞぉ!?」
あ、やべ。そうだよな。いきなりこんなこと叫んだら変人だよな。気絶したふりしとくか。
フッと体の力を抜き、ベッドに倒れこむ。
「お、王子ー!王子が再び気絶なさってしまいましたぞー!?」
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