事案7 オカ研調査のボディガード
今回は一話で終わりにします。
長くなりますが。
「どぉしてぇぇぇ・・・・・・私はただ―――・・・・・・あああああ!!!!」
女の声が響き渡る廊下。
深夜の高等学校。もう誰もいないはずなのに。
その叫びは響き続けていた。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
「お、オカ研に?ぼ、ぼくが?」
「そう、そうだよ!小述くんに、ぜひとも!我がオカルト研究部に入ってもらいたいんだよー!」
「は、はあ・・・・・・」
ある日の昼休み。
小述優生の元に押頼 願という名の先輩がやってきた。
短い髪で小太りの、明るい人だ。
そして今は、唐突な誘いを受けている最中。
「ねぇ、興味ない?オカルト。小述くんにピッタリだと思うけどなー!」
「え、でも。UMAとかよく知らないですし―――」
「いーのいーの!これからゆっくり知っていけば!だから入ってよ!」
「ていうか、何でそんなに誘うんですか?それもこんな微妙なタイミングで」
今は10月なのだが・・・・・・。
すると押頼は神妙な面持ちになった。
「・・・・・・実は、少し前に一人辞めちゃって。部員が足りなくて廃部の危機に瀕しているんだ」
「ああ〜。なるほど。だからそんな必死に―――」
「だからお願いだ小述くん!」
いきなり両手で握ってきた。
「入ってくれ、オカ研に!そして哀れな我らを救っておくれよ!」
彼の瞳は星空のように輝いていた。「イエス」という返事しか待っていないようだ。
これは・・・・・・断れないな。
「わ、わかりました。そんなに必死なら―――」
「いいんだね!?入ってくれるのだね!?やっっっったぁぁぁぁ!!!」
そうして優生はオカルト研究部に入部した。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
放課後。
優生は、伝えられた部室の前にいた。
「失礼します」
ドアをノックし、開けてみる。
「おおー!いらっしゃい、小述くん」
「へぇ、彼が小述くんね。クヒッ」
「ど、どうも。よろしくお願いします」
押頼は笑顔で迎えてくれた。
もう一人、変わった笑い方をしたのは御影 孤々。
ピンクの団子ヘアと派手な髪形が特徴だ。
ちなみにこの学校は、特に髪型の規則はない。
こんなに目立つのに、喋るまで気づかなかった。
上靴の色からして二人とも二年生のようだ。
改めて二人を見て考える。
(これからこの二人と部活動していくのか。)
押しが強く疑うことを知らないような、押頼先輩。
奇妙な笑い方で何を考えているか読めない御影先輩。
この二人と一緒に―――。
(大丈夫かな・・・・・・?)
期待よりも心配が勝る。
「さてと!OBが来るわけだし、片付けておくか」
「ええ!?ちょっと待ってください!」
OBが来る?初耳なのだが!?
「今日、OBが来るんですか!?」
「そうだよ。あれ、言ってなかったっけ」
「押頼くん。大事なことはちゃんと伝えないと」
「確かに。ごめんね〜小述くん」
押頼は手を合わせる。
「はあ。ところでOBってどんな人なんですか?」
「んー。簡潔に言うと明るい人、かな」
「金髪でチャラいかなー。イヒヒッ」
つまり、OBの特徴をまとめると・・・・・・
明るくて、チャラくて、金髪。
なんかオカ研と無縁そうだ。
「あ〜。今、俺がオカ研と無縁そうだって思ったでしょ〜」
後ろから聞き覚えのない声がした。
振り返ると知らない男がいた。
金髪でいくつもピアスをしている、20歳前後の男。
雰囲気は確かにチャラい。で、イケメンだ。
「よっ。久しぶりっスねー、二人とも。で、彼が新入部員の小述くん」
「え。いつの間にぼくのこと連絡してたんですか」
「いつの間にって、一昨日伝えられたけど」
「お、一昨日!?既成事実じゃないですか!」
「えー!?ちょっと、おっしー。入ってから伝えてよ」
「すんませーん」
なんともやる気のない声だ。
「小述くん。この人がOBの好怪 煌さん」
煌は、椅子に足を組んで座った。
思ったよりユルい雰囲気の部活だ。
押頼先輩がジュースとスナック菓子を机に並べる。
「ありがとう、おっしー。かげっちも元気そーじゃん」
どうやら先輩二人をあだ名で呼んでいるようだ。
自分はどんなあだ名で呼んでくれるのか。
ちょっと期待してしまう。
「ところで、ゆーせーは何が好きなん?」
「え・・・・・・」
シンプルすぎない!?
自分のあだ名だけ名前とあまり変わらない。
「どーかした?」
「あ、いえ。えっと、ぼくは妖怪とか、ですかね」
自分が唯一触れているジャンルのものだ。
あれから一度も、エスピトラに依頼していない。
「え!ほんとに!?実は俺もなんだよね〜」
煌はリュックから大量の資料を出す。
そして、次から次へと優生に見せてくる。
「ほら!これは天狗、それは河童。あ!これなんかすごいんスよ!日本に一体しかいない龍人?かな。どこ探してもこの女の資料しかなくて―――」
「先輩!それは今度!おれ達は部活動するんですから」
押頼が横から割って入ってきた。
「あーごめん。で何する予定なん?」
「実はうちの学校の怪談について調べようかと」
「へー。どんな怪談なの?」
煌は頬杖をついて聞く。
(うちの学校に怪談なんてあったんだ―――どんな話なんだろう)
このことに優生も興味が湧いた。
「深夜の学校で女の悲痛な叫び声が聞こえるってやつです」
「ひゃああ!何それ。怖すぎー」
御影が自身の体を抱きしめ、擦った。
「かげっち相変わらず怖がりだなー」
「御影、心霊スポットとかダメだもんな」
(御影先輩って怖がりなんだ・・・・・・)
ちょっと意外だ。
オカ研って皆、怖がらないと思ってた。
「あたし、UMA専門なんですけどー」
口をとがらせ不満そうな先輩。
「それで今夜か明日の夜にでも調査したいなって」
「え、今夜ですか」
いきなり言われて驚いた。
「もしかして、小述くん予定ある?」
「いや、ないですけど」
「じゃあ行こうよ!あ。かげっちは置いてく」
「え。それでいいんですか?先輩」
押頼は菓子の袋を片付けながら、答えた。
「うちの部活は無理強いしないよ。イヤだと言うことはさせない。好きなことに全力を尽くす。それがオカ研のモットーだよ」
「へぇ―――」
そうなのか。意外にもホワイトな部活だ。
「だから小述くんも行きたくなかったら断っていいよ」
「え。あ、ぼくは行きますよ」
「え!?いいの!?てっきり断られるとばかり」
「いえ。行きますよ、調査」
「やったー!」と押頼は喜んでいるようだ。
特に夜はやることないし、本当なのか気になった。
「じゃあ9時に東門集合ね。また後で〜」
煌は手を振りながら去っていった。
「っていうか、煌さんも来るんですね!?」
「あ。ほんとだ。いつの間にか行く流れになってた」
今頃気づいたような口調で押頼が言う。
「じゃあ二人とも調査お願い。それと小述くん。困ったことがあったら相談してね。あたし起きてるから」
「あ。はい」
そしてこの日の部活動は終わった。
(女の叫び声か・・・・・・)
帰り道。今夜の調査について考えていた。
今頃になって不安が湧いてきた。
もし怪談が本当だったら?
妖怪が実在するのなら、幽霊や怨霊もいるのではないか。
もし自分たちに危害を加えてきたら?
考えれば考えるほど、不安が募る。
こういうときは―――。
スマホを取り出し、彼女にかける。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
夜9時。高校の東門前。
「こんばんはー」
「あ!小述くん来た!ってあれ?」
押頼と煌が先に着いていた。
「誰っスかね。もう一人いるけど」
優生はもう一人別の人物を連れていた。
それは―――。
「先輩。この人はぼくが呼んだ応援の方です」
「オキミだ。オレがついてりゃ安心だからな!」
彼は親指を立てドヤ顔を決める。
今日はオグが諸事情でおらず、代わりにオキミが出たのだ。
それで彼が『オカ研部のボディガード』という役割を果たすこととなったのだ。
「え〜っと。ついてきてくれるってこと?」
「そうです。すみません、先に連絡するべきでした」
「いや、いーよ。人数多い方が楽しいし」
「調査は人が多い方がはかどるから」
と先輩二人は意外にもあっさり許してくれた。
押頼が近づいてささやいた。
「でも次から連絡してね。困るときもあるから」
「はい・・・・・・分かりました」
四人は深夜の学校に入っていった。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
音が無駄に響く廊下。灯りがほとんどない。
廊下の先を見ていると、奥の闇に吸い込まれそうだ。
(昼と雰囲気変わりすぎだよ!思ってたより怖い)
一人でツッコみ、全力でかき消す。
誰にも共有しない、臆病な気持ちを。
それでも。
(やっぱり怖い・・・・・・!)
とにかく気を紛らわそう。
「オキミさん。そういえば『エスピトラ』って変わった名前ですよね」
とりあえず、元気なこの男に話しかける。
「あ?ああ。そうだな」
「どういう意味なんですか?」
少し前から気になっていたのもあり、聞いてみる。
「あれは大昔に妖怪が使ってた”妖怪古語“で“人助け”って意味だ」
「へー。そうなんですね」
「おう。でもオレはすぐには分からなかったけどな。あれ付けたの社長だし」
「え?どうして」
「昔の言葉って言っただろ?勉強しないと分からねぇよ。今は読めないやつの方が多いだろうな」
「ああ。なるほど」
そういうことって妖怪の中にもあるんだ。
「え?今誰か、妖怪って言った?」
前を歩いていた煌が振り返っていた。
「ああ。言ったぜ。なんせオレは妖怪だからな」
「へ?ええ?・・・・・・えええええ!?」
驚いた声が数秒、辺りに残っていた。
「ま、まま、マジでぇ!?ってかゆーせー、妖怪と知り合いだったのかよ!?」
「すみません。話すタイミングが分からなくて」
「えぇ、お、オキミさんは何の妖怪なんスか?」
「ダイダラボッチだ。混血だけど」
「だ、だだ、ダイダラボッチぃぃぃ!?」
煌は倒れそうなくらい驚いている。
しかし、すぐに立ち上がってオキミを観察する。
時々「マジか」「ヤバい」とか言いながら。
「あ、あの!色々聞きたいことがあるんスけど―――」
「おい。ちょっと待て」
オキミは手を広げ二人を制止する。
「あいつはどこに行った」
「あいつ?」
「ちょっと太いあいつだよ」
「押頼先輩のことですか?」
『太い』で共通認識を持つなど失礼だ、と思いつつ聞く。
「そうだ。今ここにいるのはオレら三人だけだ」
優生と煌は辺りを見回す。そして彼がいないことに気づく。
「ええ!?押頼先輩、どこに」
「おっしー!!いるならいるって返事してー!」
全力で探す。しかし10分経っても見つからない。
「本当にいない・・・・・・」
「おっしー、どこに行ったんだよぉ〜」
二人が力なくうなだれたとき、オキミが呟いた。
「地縛霊が連れていったんじゃね?」
・・・・・・え?
「ええ!?この学校、地縛霊いるんですか!?」
「ヤッバ!!マジでいるんスか!?」
「は?お前ら知らずに来たのか?」
「はい。今日の目的は調査ですから。部活の」
「てっきり地縛霊を成仏させたくてオレを呼んだのかと思ってたぜ・・・・・・」
オキミは頭を抱えため息をついた。
「あの!オキミさんは地縛霊がどこにいるか、分かるんスか!?」
「あ?分からねぇよ。オレ、微量な妖力は探知できねぇからな」
「妖力?」
「妖怪の持つ力のことっスね。なるほど、幽霊も微量に持っていると」
「ああ、そうだ。だから地道に探すしかない―――」
その瞬間、どこからかバイオリンの音が聞こえてきた。
その音色は悲しみに満ちていた。
「な、何だ!?バイオリン?」
「誰かが弾いてる・・・・・・!?」
「バイオリンがあるのは第一音楽室。よし!行くっスよ、二人とも!」
そう言うや否や煌は走り出してしまった。
「お、おい待てよ!」
オキミが追いかける。
「え?ええ?ちょ、待ってくださいよー!!」
三人は第一音楽室へ向かっていった。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
「ここが第一音楽室か・・・・・・」
バイオリンの音はやはりここから聞こえてくる。
昼は朗らかな雰囲気のこの部屋も、夜になると姿を変える。
煌がドアに手をかけ確かめる。
開いている。
「じゃあ入るっスよ・・・・・・」
ガラ…
押頼が一人、椅子に座っていた。
じっと黒板の方を見ている。
バイオリンが床に置かれており、譜面台がある。
「おっしー!!大丈夫!?怪我ない!?」
煌が近づき確認する。
押頼はゆっくりこちらを見た。
「あ。先輩、小述くん、オキミさん」
なんとも呑気な様子。心配して損した気分だ。
「地縛霊に襲われた訳じゃないんですか?」
「え?地縛霊?いや別にそんなのは」
「じゃあ何でここにいんの!?」
「え?それは、奏子ちゃんって子に『音楽室に忘れ物したから探すの手伝って』って頼まれたからですよ」
「え?そうだったの?断らなかったの?」
「泣きながら頼んできたんですよ。で見つけたら、ものすごい喜んで」
「それでその後は?」
「お礼に目の前で弾いてくれました」
譜面台のある場所を指さした。
「それで?」
「なんか急に『持ってきて見せたい物がある』って言って、音楽室から出ていきました」
「出ていったのはどれくらい前なん?」
「ええっと5分くらい前かな」
「む〜。それくらいなら、会わなくてもおかしくないか」
「お前なぁ。心配かけんじゃねーよ」
「でも先輩が無事で良かったですよ!」
皆が無事でいたことに、とりあえず安堵した。
しかし、疑問が生まれた。
「こんな夜中に忘れ物取りに来るとか変だろ」
そうだ。今はもう11時を回っている。
こんな夜遅くに忘れ物を取りに来るのはおかしい。
それに忘れ物もバイオリンと、奇妙な話だ。
「そうそう。そのバイオリン、結構奥の方にあって。見つけたときにケースがホコリ被ってて」
そんなに古いのも怪しい。
「とにかくその奏子さんを待ってみましょうよ」
優生の提案により、一同、待つことにした。
10分後。
ガラ…
「お待たせー。ってあれ?」
件の彼女がやって来た。
うちの学校の制服を着ている。髪形は三つ編みだ。
「ええっと。その人達は?」
「ああ。この金髪の人は煌さん。眼鏡の子は小述くん。ガラ悪そうなのがオキミさん」
「おい。ガラ悪そうって何だ」
「へー。今日は皆で来たの?」
オキミのツッコミはスルーされた。
「うん。あ!もしよかったら皆にも聞かせてよ、バイオリン!」
「うん!私もそうしたいと思ってたんだ」
奏子はバイオリンを持ち演奏を始めた。
その音は低く、なめらかな旋律を奏でる。
音色はどこか悲しげだ。
音楽室が暗い雰囲気になる。
少しして、演奏が終わった。
「どうかな。私のオリジナルだけど」
「あ。これオリジナルなんですか。すごく素敵でした」
「エモいっスねーさっきの演奏」
「エモい・・・・・・?」
奏子は首をかしげる。
「でもなんか悲しい音だな、今の」
オキミはどこか納得していないようだ。
「確かに二度聞いても暗い感じだった。何でそんな曲にしたの?」
奏子は答えなかった。
代わりにさっき持ってきた物を見せた。
「新聞記事?それもかなり前の―――」
発行日を見ると、40年ほど前の物だと分かる。
「え!?これって―――」
トップとは違い、隅に追いやられた一つの記事。
『不運の事故 奪われた未来ある命』
ある事故について書かれている。
そして写真に写っているのは―――。
「そう、私。実はこの時に死んでるの」
体から熱が一気になくなる。
ゾッと背筋が凍る思いだ。
「じゃああなたは―――」
彼女はこちらを真っ直ぐに見つめた。
「この学校の地縛霊だよ」
悲鳴を上げる者も、逃げ出す者もいなかった。
ただ彼らはその場で留まっていた。
彼女は話を続ける。
「私、バイオリンを弾くのが好きだったんだ。自慢じゃないけど腕前にも自身があった。将来の夢はプロのバイオリニスト。でも―――」
うつむき、表情が分からなくなる。
「この日、帰るときに飲酒運転の車に轢かれた」
声は次第に震えだす。
「なんで?私は何も悪いことしてないのに。ただ色んな人に演奏を聞いてほしかっただけなのに」
ポタ…ポタ…
彼女の足元に水滴が滴る。
焦ったように袖で拭う。
顔を上げ、笑みをつくった。
「実は作曲にも興味があってね。死んでから自分のオリジナルを考えてたんだ。時間は十分あったよ」
譜面台からオリジナルの楽譜を持ってきた。
「でも作ってる間も悲しくなって。時々叫んだり、物に当たったりしちゃった。で悲しさが積もり積もって、こんな曲に」
えへへと、彼女は照れたように笑う。
繕っているのは丸分かりだ。
「でもそれも今日で終わり」
四人に向けて手を広げた。
「だって、あなた達が聞いてくれたから!」
手を後ろに回して弾けるように笑った。
その笑顔は繕っているものではない。
「ずっと誰かに聞いてほしかったんだ。私の悲しみ、私の苦しみを。皆、本当にありがとう!これで成仏できる」
そう言うと彼女の体が白い光に包まれた。
少しずつ崩れながら天に昇る。
「じゃあね。皆も叶えたい夢に向かって頑張ってね」
そして、奏子は消えた。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
翌日。放課後のオカ研部室。
「なるほど。その奏子さんって人が悲しくて叫んでたんだ」
御影に報告した。
「明日お墓参りに行くんですけど先輩も来ます?」
「うん。行くよ。お花用意しなきゃね」
「そうですね・・・・・・」
じっと自分の紙コップの煎茶を見つめる。
彼女の苦しみを想像することはできない。
せめて、弔い、死を悼むことしか自分達にはできない。
それでも―――。
「奏子さん。あなたの演奏は素晴らしかった」
ぽつりと呟いた。
すると。
「あれ?今バイオリンの音、しませんでした?」
「え?聞こえなかったよ?気のせいでしょ」
「そう、ですよね」
どこからかバイオリンの音色がした、気がした。
でも、今度は。
弾むように明るくて、希望に満ちた音だった。
「見て見て、二人とも!この新聞記事!」
押頼は部室に入るや、興奮していた。
記事を見ると―――。
「なになに。え!?『ネッシーに次ぐ湖の怪獣 目撃』!?場所は―――うちの学校の近くじゃん!」
これには御影も大興奮だ。
「明日、早速調査に行こう!」
「そうね!キヒヒッ。楽しみだわ〜」
「あ。ぼくも行きます。休みだけど予定ないですから」
この日の部活動は、明日の調査の予定決めとなった。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
話は昨日の帰りにまで遡る。
優生と押頼が帰った後。
二人残った煌とオキミ。
「あの!お願いしたいことがあるんスけど!」
急に手を合わせて頼みこんできた。
「どうしたんだよ」
「今度!また今度でいいですから!取材させてください!」
勢いよく頭を下げた。
「は?」
「俺、妖怪が好きで。オキミさんに色々聞きたいんスよ」
「そうなのか。じゃあ連絡先、交換しようぜ」
「へ?いいんスか?」
違う違うと、オキミは手を顔の前で振る。
「会社の他の奴らに許可取らねぇとダメだろ」
「ああ。そうですよね・・・・・・」
「まぁ。取れても取れなくても連絡するぜ」
二人は携帯を取り出して互いの連絡先を登録した。
「じゃ、また今度。できたらな」
「それじゃ、また!」
こうして深夜の調査は終了した。
インタビューも本編で書こうと思っています。