事案3 旅路の始点でしくじったから
長いですね・・・・・・今回も。
普通の女子校生はこんなじゃないと思います。
よく分かりませんが。
もう駄目だ。何もかも。
私の変なところは治らない。普通ではいられない。
こうなったら・・・・・・
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
「はぁぁ・・・・・」
一人の少女が駅でため息をついた。
彼女の名前は夢雲虚子。
ある目的のために電車に乗ろうとしたのだが―――
(やっちまったなぁ・・・・・・。財布、どっかに忘れたみたい)
頭を抱え絶望する。
いつもこうだ。大事なときに限って何かを忘れる。
それ以外にも自分には短所が多くある。
短気だし、自分勝手だし、人の話あまり聞かないし
極めつけは―――
「ねぇ、そこの君」
「!は、はい・・・・・・」
急に話しかけられて、びっくりした。
話しかけてきたのは、若い男だ。帽子を目深にかぶっている。
隙間から見えた髪は青く、また瞳も青い。
「これ、君の財布だよね?」
男は虚子に財布を見せた。
紛れもなく、彼女の財布だ。
「あ、ありがとうございます」
「すぐに渡せれば良かったんだけど」
「いえいえ、ちゃんと返ってきただけでも」
「そっか」
男は「なら良かった」と虚子に笑いかけた。
虚子に走る衝撃。彼女がここに来る理由になった|欠点が表れる。
(この人・・・・・・使える!!)
顔立ち、動き、言葉遣い、全てにおいて素晴らしい!
とても良い題材だ!
彼はどんな立場にしようか、何をさせようか―――
虚子は頭の中で色々、空想する。
これが彼女の大きな欠点である。
虚子は昔から空想をするのが好きだった。
人と話すのが苦手だし、小学生の頃にいじめられていた。
その結果か空想癖はエスカレートし、今やなくてはならないものとなった。
朝起きたときや授業中、寝る前にも空想している。
最近はアニメや漫画にあまり興味がなくなった。
”推し“と呼べる存在もここ1年ほどいない。
自分の空想が楽しすぎて、他の情報を受け付けないのだろうか。
空想と言っても「自分がどうかなる、何かする」というものではない。
物語を創ったり、人に何かさせてみたり、その人を色々着替えさせてみたり―――。
「ウェへへへへへ」
「えっ」
男の顔がこわばった。
「!す、すいません!!」
慌てて現実に戻り、頭を下げる。
空想癖とセットの”気味の悪い笑い方“も出てしまったようだ。
恥ずかしくなってうつむく。
やはりこれは何とかしなければ―――
「ねぇ、これから一緒にどこか行かない?」
「・・・・・・・・・へ?」
脳に情報が届くまで少しかかった。
男はふっと笑い髪を流した。
「だから、出かけようって。いわゆる、デート?」
『デート』
その単語は虚子の脳をかき回した。
デート?え、デート?デートってあの、男女が仲良く出かけてさらに親密になるという、あの?
いや、それって恋人同士の男女がするものでは?
私と行っても何も得られないぞ、おい。
色々な考えが次々と頭に浮かぶ。
虚子は一度も恋をしたことがない。
小太りで、服にもメイクにも興味がない女だ。
そんな自分がこんなイケメンと・・・・・・デート。
事実は小説より奇なり。まさにその通りだ。
(しかし、これはチャンスだ。そう!空想のさらなる発展のためのチャンス!フフフフ・・・・・・)
脳内で不敵に笑う。
ちなみに恋愛的展開は全く期待していない。
「いや、かな?」
返答がないため男は心配になったようだ。
「あ、いえ、だ、大丈夫・・・です」
「良かった〜。断られたら自信なくしてた」
すると、男は虚子に何か渡した。
よく見ると名刺のようだ。
『あなたのお悩み解決します エスピトラ
ナル・アイシス』
とあった。
「それで、君の名前は何て言うのかな?」
「私は夢雲虚子っていいます。夢に雲でむぐも。きょうこは虚ろに、子どもの子です」
「そっか。じゃあ虚子ちゃん、よろしくね〜」
男改め、ナルは顔の前で両手を振る。
「それじゃ早速行こうか」
「行く?行くってどこに?」
「東京」
「ととと、トウキョウ!?!?」
「きょ、虚子ちゃん、落ち着いて!」
かなり大きな声だったようだ。みんなこちらを見ている。
「あ・・・・・・す、すいません」
恥ずかしくなり、顔を手で覆う。
東京。
日本の最先端の都市で、街の全てが新鮮で輝いている、あの場所。
少なくとも虚子はそう感じる。
彼女は東京にあまり行ったことがなかった。
心配はあるが、「面白そう」と好奇心が勝った。
のってみよう、この話に。
「大丈夫?この後予定とかあるのかな」
「あ。ありません、大丈夫です」
そんなこんなで二人は電車に乗った。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
電車の心地良い揺れを感じる。
何年ぶりだろうか―――この感覚。
「そういえば、虚子ちゃんっていくつ?」
「あ、15です」
「中学生?それとも高校生?」
「高校に通ってます」
「へ〜そうなんだ」
その後も他愛もない会話をした。
やがて二人は東京に着いた。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
最初に浅草、仲見世通りに行った。
名物の雷おこしや人形焼き―――いや、それよりも
人が多い!とにかく人が!
(い、息苦しい・・・・・・)
普段、人と関わらないため、酔ってしまう。
次に向かったのは秋葉原。
(うおおおお!!アキバだぁぁぁ!)
周る前から興奮が収まらない。
見回すと、アニメのグッズやフィギュアが―――
「すげぇぇ!!あれのも!ああ!これもぉ!」
宝の山だ―――。
中身を確認するために財布を開いた。その瞬間。
「あれ?虚子ちゃん?」
一気に熱が冷めた。
そうだ、持ってきたのは少しだけだった。
本当の目的のための分しかない。
「・・・・・・行きましょうか」
「え?あ。うん」
その後も色々な場所に行った。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
どの場所でも虚子の空想が掻き立てられ、収穫の多い旅行・・・・・・否、デートとなった。
しかし、ナルと出かけている間、考えることがあった。
”自分と一緒にいて楽しいのだろうか?“
”本当はつまらないと思っているのではないか?“
こんなことを誰に対しても考えてしまう。
そんなだから友達もいないのだ。
やはりこんな自分は・・・・・・。
「実はおれのおすすめの喫茶店があってさー」
急に誘われた。
「え。あ、喫茶店ですか」
「ちょっと郊外の方にあるんだけど行く?」
「あ、はい」
とりあえず行ってみようかな。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
二人は少し淋しい街に入った。
そこの一件の雑居ビルの一階。
ナルの言っていたカフェ 『招福』。
読み方は『しょうふく』だろうか。
入ると外の雑居ビルとは雰囲気が違った。
テーブルや椅子、カウンターが木製で温かい雰囲気だ。
「いらっしゃいませ〜」
席に着くと店員が来た。
内に反った黒髪の若い男だ。大学生くらいに見える。
はにかんだ笑みが印象的で、なんだか和む。
「おれはアイスラテで」
「わたしはオレンジジュース、お願いします」
「アイスラテとオレンジジュースですね。かしこまりました〜」
店員は厨房へ向かった。
数分後。
注文した品々がきた。
オレンジジュースはすっきりして飲みやすい。
なかなか美味しい。
「あのさ虚子ちゃん」
「はい」
ナルが唐突に話しはじめた。
「おれの名刺見たよね?」
「はい。なんか“お悩み解決します”とかありましたよね」
「そうなんだよー。それでこの店の上に事務所があるんだよね。・・・・・・虚子ちゃん寄っていかない?」
「え?」
何でそんなことを―――
なんだか心の中を見透かされたようだ。
「おれの先輩に会わせたいし。いいひとだよぉ」
「え、ああ、先輩に」
なんだ、自分の悩みを知っていた訳じゃないのか。
安堵とともに少し、悲しみを感じた。
それを知覚したとき。
(やっぱり、覚悟はできていなかったんだ)
そう思った。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
店を出て左に階段があった。
そこから上がると無機質な鉄のドアが現れた。
「ただいま〜」
(ただいま!?家ですか!?)
意外すぎる挨拶に心の中でツッコむ。
入ると目の前にホワイトボードが。
目線を落とすと、ガラスのテーブルと囲むように黒いソファが対に置いてあった。
応接間だろう。いかにも事務所らしい。
「オグさーん」
ナルが誰かを呼んだ。オグという名前らしい。
「はーい」
声からして若い女性であることが予想できた。
ホワイトボードの向こうから出てきた彼女。
その姿を見た瞬間、驚愕した。
白いワンピースを着て、灰色の髪はギブソンタックにしている。
しかも瞳も灰色。黒いひし形のピアスをつけている。
顔は美しく、こわばらせて・・・・・・え?
次の瞬間、虚子の頭に強い衝撃が走る。
そして意識を失った。
「う・・・・・う〜ん」
意識を取り戻して目を開ける。
辺りを見回すが二人の姿はなかった。
何が起こっているのか全く分からない。
「なんで………………と思う?おれ、そこまで………て」
「おそらく………と…………からでしょう。……に……」
遠くから二人が話しているのが聞こえた。
しかし、途切れ途切れでよく分からない
とりあえず二人のところに行こう。
ホワイトボードを押しのけ、奥に行く。
そこには四台のデスクと資料室なるものがあった。
右を見ると両開きのドアが。
声の方向からして、二人はこのドアの向こうにいる。
開けるとさらに四室あった。
雲ガラスの付いた、片開きのドアだ。
(ちょっと面倒だな)
失礼ながら、そう感じてしまった。
声は左端のドアからするようだった。
ドアノブに手をおく。
心臓が脈うつ。小さなことだが虚子は緊張していた。
「し、失礼します!」
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
ガチャ
ドアを開けると、そこに二人はいた。
しかし、ナルは様子が違っていた。
なぜなら、頭に装飾品が付いていたからだ。
氷のように尖って、きれいなものだ。
「よかった〜。お二人、ここにいたんですね」
虚子は安堵のため息をもらす。
「あれ?驚かないの?」
ナルは意外そうに聞いた。
「え?驚くって何にですか?」
「いや、あの、これだよ。これ」
そういって頭の装飾品を指している。
しかし、全くとして分からない。
どこに驚くところがあるのか。
「え〜っと。気づいてないみたいだから、言っちゃうけど。これ、本物の氷だよ?」
「ええ?」
てっきりカチューシャか何かだと思っていた。
そして、ナルはさらに衝撃的な告白をする。
「実はおれ、妖怪なんだよね」
・・・・・・ん?んん?んんん!?
「はうぃ!?」
え!?妖怪って実在するの!?
15年と少し生きて、初めて知ったことだ。
「いや、え?ほ、本当に妖怪なんですか?あの?」
「うん、あの。てか逆にあれ以外ないと思うけど」
「ええええ・・・・・・」
まさか実在しているとは―――。
「えっと、それじゃ聞きたいことがあるんですけど。ナルさんは何の種族ですか」
「妖人っていうんだけど、分かる?」
「いやぁ、分かりませんね。初めて聞きました」
「そーか。妖人ってのは人間に近いやつでさ。頭に角みたいのが生えてて、目に模様があるんだ。能力は家系によって違うよ。まぁ、先祖が同じ地域出身なら似るけどね。あ。鬼とは違うよ」
と、ナルは一通り説明してくれた。
ナルの目を見ると、“黒いひし形の真ん中に白い正方形”の模様がある。
「ほうほう。なるほど」
虚子はオグの方に向きなおる。
「それじゃ、そちらのオグさんって妖怪は?」
改めてオグを見ると思うことがあった。
(きれいだし、かわいいなぁ。胸も大きい。Cカップぐらい?)
高校の制服着たら可愛いかも。
メイド服とかも似合うかも。
そんな感じで、あれこれと空想してしまう。
気のせいか、オグの顔が少し引きつっている。
「わぁ、私はぁ権化という、種族ですよ」
それに喋り方も変だ。
しかし、虚子は気に留めず聞きたいことを聞く。
「権化?それってどんな―――」
「はーい、ストップ!とりあえず感情の塊って覚えて」
ナルが制止に入る。
「え。いきなり何ですか」
「それよりも!本題に入りたいんだよ」
「本題」
「実はおれ、虚子ちゃんを見かけて思ったことがあって」
ナルは少しの間、躊躇っていた。
「あの、いきなりだけど」
その後もなんとかこうとか、言っていた。
だが、彼はやがて決意を固めた。
「死のうとしてた、よね」
その質問に。
虚子はしばらく黙っていた。
しかし、やがて。
「はい」
答えた。
ナルは悲しそうな顔をした。
オグの俯く横顔が見えた。前髪が邪魔して目は見えない。
「オグさんに教わったことあるんだ。『死にに行く人間は、何かオーラが漂っている』って」
「オーラ」
「うん。幽霊の気配に似てるけど、まだ温かさがあるもの。虚子ちゃんから感じたんだ」
・・・・・・
そうか。
だからデートに誘ったのか。
だからここに連れて来たのか。
「オグさんに原因を聞いてみたらさ。虚子ちゃんは自分を異常だと思ってて、世間の普通になれないからだって言ってた」
「ははっ・・・・・。何でそこまで分かるんですか、超能力者ですか」
力なく言ったあと思いだした。
そうだ。オグは妖怪だった。それも感情の塊だ。
それなら考えていることも分かるかも。
「虚子ちゃん」
虚子はゆっくりナルの方を見た。
真剣な表情だった。
「おれも昔、自分を隠してた。だから分かるんだよ。自分のままでいられないのが、いちゃだめなのが、ものすごく辛いって」
辛い過去を思いだしたのか、ナルはそこで話すのをやめた。
しばらくして。
「だからこそ。虚子ちゃんには我慢してほしくない。『自分のままでいていいんだ』って、思って生きてほしい」
その言葉からは強い熱意を感じた。
「オグさんは見抜いてたんだよ。君がずっと空想してること。教えられたよ」
「あ―――」
終わった。嫌われてしまう。拒まれてしまう。
「君はそれを気持ち悪いことだって言うけどさ」
ナルは力強く訴える。
「そんなことないよ!ずっと考えてるくらい、好きなことがある。それって素敵なことだよ!」
まっすぐに見つめた彼の瞳。
それは澄んでいて、強い熱意があった。
その言葉に、瞳に、虚子は胸を打たれた。
ただただ嬉しかった。
自分のそんな所も認めてくれることが。
拒まずに受け入れてくれることが。
目から熱いものが、ぼろぼろ零れる。
零れてとまらない。
「う、うああああああ・・・・・・」
そのまま泣き続けた。
「どう?落ち着いた?」
「ぁ゙ぃ゙・・・・・・ずびばぜん」
ティッシュで鼻をかむ。借りたタオルは涙でぐしゃぐしゃだ。
「も゙ぅ゙、死ぬなんてごど、ぁ゙ぁ゙、考えまぜん」
「よかったぁ。考え直してくれて」
ナルはほっと胸をなでおろす。
「あ、ところで。今、何時ですか」
「うーんと。4時くらいかな」
「4時!?もう帰らないと!」
「え?ああ、じゃあ、気を付けて帰ってね」
虚子はバタバタと、急いで帰る準備をする。
「あのぅ。虚子さん」
振り返ると、オグが近くにいた。
「いきなり殴ってごめんなさい」
「え?」
突然頭を下げた。しかもかなり低い。
(殴った?殴ったって・・・・・・あ、あのとき)
応接間のときのことだろう。
(あ〜。あのとき殴られたんだ〜・・・・・・何で?)
そこは気になったが。
それよりも今は一刻も早く帰らなければ。
「大丈夫ですよ!ほら、全然元気です!」
そう返し、虚子は足早に去っていった。
帰りの電車の中で虚子は固く決心する。
(これからは自分らしさを大切にして生きていこう!)
また一つ橙に染まった街を過ぎた。最寄り駅はもうすぐだ。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
「ふ〜ん。オグが珍しく狼狽えてたってか」
男はそう言うと、客用のソファにどかっと座った。
「あ!それちょっと、お客さん用なんだから。座るのやめてよ、オキミ!」
オキミと呼ばれた男はふん、とふんぞり返った。
ボサッとした茶髪に、橙の瞳。革のジャンパーに、首からロケットを下げている。
エスピトラの社員の一人で、先ほど仕事から帰ってきた。
「で、報酬は?」
「「あ」」
ナルとオグの「あ」が重なった。
「またかよ・・・・・・」
オキミは舌打ちをして、呆れたようだった。
「お人よしすぎんだよ。お前ら、それでも社会じ」
「まぁまぁ。ゆるしてあげましょうよ」
オキミの言葉を少年が制止する。
「ひなと・・・・・・」
ひなとと呼ばれた彼はにこっと笑う。
黒い天然パーマに、大きく丸い黄の瞳。フードの付いた、鳥の顔のパーカーを着ている。
6歳ほどか。彼自身はそれくらいだと言っていた。
少し前に買い物から帰ってきたのだ。
「まぁ、ひなとに言われちゃ、なぁ。分かった、許してやる」
社長でもないのに、偉そうな態度だ。
しかし、こいつは不満を残らせると厄介なのだ。
今回は何とかなった。ひなとのおかげだ。
「ひなとくぅぅん!ありがとぉぉぉ!!」
「わぁ!!」
ナルが横から抱きつく。
感謝をいっぱい込めたスキンシップ。
「ありがとう、本当にありがとう!大好きだよー!」
ずりずりと強く頬ずりする。
「むぅ、な、ナルしゃん、やめてくらはぁい」
「あ、ごめんね!」
体を離し、手を合わせて謝罪する。
「大丈夫です。ところで、オグさんがうろたえたってことが気になるんですけど。どうしてですか?」
「虚子さんのような人に会ったことがなくて、驚いて」
オグは腕を抱き、怯えているようだ。
「会ったことないって。オグさん200年くらい生きてるでしょ?そんなことある?」
「人の感情って、何となくぼやぁとした感じで伝わってくるんです。肌に当たる感覚で、喜びとか、悲しみとか分かるんですよ。でも」
オグは若干カタカタ震えながら続けた。
「きょ、虚子さんは文字で。しかも、空想してるときに至っては画像付きですよ!?驚いたのもありますが。空想や考えてることが・・・・・・」
「考えてることが?」
ナルが聞き返すが
「ああああ!もう、この話は終わりです!」
そういうとオグは自室に戻ってしまった。
相当話したくないようだ。
三人は互いに顔を合わせ、肩をひそめた。
ちなみに虚子には実在のモデルがいます。