今日という舞台を
掲載日:2022/09/03
ふり返る頬に
風は優しく流れ
少しだけ長くなった影が
目の前を横切る
まるで舞台の
幕間のように
次の場面を待つ色染月
回る、回る、舞台は回る
夏は「またね」と
言わないけれど
今年もありがとう
夏だからできたこと
夏でなければ
できなかったこと
たくさんの想い出
また来年逢えるのを
楽しみにして
回る、回る、舞台は回る
秋は「来たよ」と
言わないけれど
知らぬ間にいつしか
私たちを包み込む
移り変わるひとときの
幕間も楽しみながら
澄んでいく空気
ふり返ればそこに
もう、来ているのかな
回る、回る、舞台は回る
目には見えないけれど
少しずつ
次の、場面へと
幸せは「ここにいるよ」と
言わないけれど
舞台をみつめる
観客のように
いつでも私たちを
じっと見守っている
神様が決めた配役
「自分」という役は
自分しかいない
自分にしかできない
だから必死に演じながら
過ぎていく毎日は
リハーサルのない
ただ一度きりの上演
千秋楽のその日まで
誰もが主役で
誰もが共演者
そして
誰もがこの舞台に
立つために生まれて
少し和らいだ朝陽が
やさしく頬を照らす
今日という
舞台の緞帳が
ゆっくりと上がっていく
次の季節は、
どんな舞台になるかな
銀橋の向こうで
幸せが手を振っている
今日も
そう、信じて
お読みいただき、ありがとうございます。「銀橋」は、舞台前面にあるオーケストラと観客との間の道のようなステージをいいます。




