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第一話 心配事は猫を殺すが、好奇心は愚者を唆す。そして…(Care kills a cat,but curiosity abeted a fool. And to be…)

 まずは読みに来ていただきありがとうございます。ここから先『第一部 力の町』は初回投稿の際の修正前Ver.となっております。


 このまま読み進めますとストーリーをあっさり目に知ることができますが、拙い文章のため、理解不能な点や不明な点が多々発生すると思われます。


 そして修正後である新装版から読み進めますと、修正前から追加された描写やシーンなどにより、比較的わかりやすくじっくり目にお読みいただけるかと思います。やっと普通レベルまで上がった(はず)文章力に修正前の文章を読まれた方はきっと驚かれると思います。


 修正前の文を勿体なくて消せなかったために大変紛らわしい構成となってしまいましたが、ご理解のほどよろしくお願いします。


 それではどうぞ。

 

「ったく、味を占めてやがんだよなぁ……」


 太郎は炎天下、廃れた商店街の割れたアスファルトを踏み踏みぼやく。


『お兄ちゃんも外に用事あるならついででしょ、つ、い、で。それともこのかわいい妹に灼熱地獄を歩けっていうの?』


 夏休み。ちょっと最寄りのコンビニでも行こうとした太郎にそんなことをのたまった妹のお使いを終え、帰り際の一言であった。


 妹である小春は最近調子こきだ。太郎の苦手な国語が得意とあって、言葉巧みに丸め込んで雑用を押し付けてくるようになった。難しい熟語だのことわざだのを引っ張り出して、どこで覚えてきたのかと親をもよく驚かせていた。


 世間一般では兄は妹に、弟は姉にかなわないとよくいう。本当かどうかはさておき、この兄妹においては真理であった。


 ふと寄り道がしたくなって、太郎は商店街の脇を抜け路地裏へと足を踏み入れた。なんてことはない、ただそのまままっすぐ帰るのが嫌になっただけの、いうなればただの暇つぶしだ。

 そのままふらふらと歩いていると、廃墟と化した元は店だっただろう建物の奥で何かがきらりと光ったような気がした。


思わず足を止め、中をのぞいてみる。


「誰かいるんですか~……?」


 返事はない。誰もいないようだ。


 少し考えて一歩踏み出す。そのあとは普通に店の奥まで歩いて行った。


その奥で太郎が見つけたのは、とても古い、今はどこにも売っていないだろうラジオらしき機械だった。

 一目で古いとわかる外見だというのに、よく見ればさびの一つ、汚れの一つさえない、新品のようなありさまだ。


 古いのに新しいとはこれいかに。


 太郎はそのラジオを手に取ると、ついつくかどうか試してみたくなり、普通にボタンを押してみるがつかなかったので、いろいろと弄り回した。


 どういじったかというと、持ち歩いている工具セットからねじ回しだのなんだのを取り出して、解体する勢いでいじっていた。


 太郎は理科が好きだ。自分のいるこの世界の仕組みを知るのがとても楽しい。だから、それと同じくらいには機械いじりが好きだった。

 仕組みを知ろうと解体してよく戻せなくなっては怒られる太郎は、戻せなくならないように気をつけてそっと外部を開けてみることにした。


 そこにはよくわからないとしか言えない、複雑な機械がこれでもかと詰まっていた。

 かといって、よくあるはんだや同線のようなものは見つからず、本当にこれはラジオなのかと疑うような結果となった。


よく見ると中央にまるい金属塊のようなものが埋まっており、そこからすべての部品がつながるようにされているのがわかった。


今度こそ解体する気でその内部の金属塊を触ると、まばゆい光とともに少しの脱力感が身を襲い、太郎はいったん意識を閉じることとなった。

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