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掌編小説集7 (301話~350話)

優しい装置

作者: 蹴沢缶九郎

あるバイクメーカーから最新のバイクが発売された。そのバイクは危険を察知すると、瞬時に車体の半径一メートルをバリアが囲み、乗り手とバイクを守る、バリア発生装置を搭載していた。


そんな最新のバイクに乗ってツーリングを楽しんでいる一人の男がいる。

男は高速道路をスピードを出して走っていた。男は自身の運転技術を過信しており、何よりもバイクを過信していた。


「俺のバイクは万が一の時、完全な鉄壁のバリアを発生させ、俺を守る。どんなにスピードを出した状態で、何処の誰に衝突しても、死なない事は保証されている。こんなに頼もしい事はない…」


アクセルグリップを握る男の手には自然と力が入り、バイクは男に応えるように徐々に加速した。


だが、やはりと言うべきか、男の運転は無謀だったのだろう…。ハンドル操作を誤った男のバイクは、高速道路の防音壁に向かい衝突した。

しかしその直前、バイクはバリアを発生させ、バリアと防音壁が衝突した衝撃で宙に投げ出された男は、そのままの勢いでバリアに激突して重傷を負った。


怪我で苦しむ男の傍らで、横倒しになったほぼ無傷のバイクがそこにはあった。この装置、どうやらバイクにだけ優しいようである。

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― 新着の感想 ―
[良い点] そっちなのね、と思わず心の中でつっこんでました(笑)視点が面白かったです。小説を書く者として勉強にもなります(^_^ゞ
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