叶真の朝
朝日が昇り、窓から光が差し込む。
静かな朝に鳴り響く音は設定ミスした目覚ましの音だった。
「ん、、もう朝か。って8時!?」
急いで着替え、準備を済ませる。
「いってきまーす。」
朝からせわしい日だ。
「霧崎!!遅刻だぞ!!」
そう怒鳴るのは体育の教官だ。この学園では体育の先生は教官呼びである。
「す、すみません教官。わざとじゃないんです。」
「遅刻したときに使う言葉じゃないぞ。
ったく、おまえみたいなバカは言葉の使い方も分からんのか。」
「教官、確かに僕はバカなのかもしれない。でも勉強ができないからってそう決めつけるのはまちがってます!」と叶真は言い返すと教官はため息をついた。
「勉強ができないやつをこの世の中ではバカというのだ。」
「な、なんと理不尽な。」
叶真は下を向く。
「いいから早くクラス発表の紙を見てこい。」
教官がせかす。
そう。今日から叶真は高校生だ。世にいう入学式。
なぜ入学式の前なのに先生たちを知っているかはこの学園の特徴にある。
この宝刀学園は学力が力となる。
入学式の前に力を得るため何日か登校しているのだ。
受装式。一年生たちは一週間前に行われたその日から特別な力を得ている。
そしてここが重要である。
生徒一人ひとりの力には差が生まれる。
学力に比例するのだ。良ければ強い、悪ければ弱い。
それにクラス分けも学力で決まる。成績が良い生徒からAクラス、Bクラス、Cクラス、Dクラス、Eクラス。
宝刀学園は厳しい。
クラスごとにも違いがある。
Aクラスは何不自由のない生活をおくれる。しかも学食や購買はどれも無料。
それに比べて最下位のEクラスは学校の掃除や雑用などを担当。
「成績が良ければ力も強い。センスがあり、どこから見ても360度強そうな僕であれば、強いから成績が良いという式が成り立つじゃないか。」
と叶真はAクラスから名前を探した。
「おかしい。これは印刷ミスか何かか。僕の名前がないじゃないか。」
「何をしている霧崎。お前の名前はここだぞ。」
教官が指す。
「見えない!僕にはEクラスの紙なんて見えない!」
と現実から目をそらす。
「そうか、ならお前の席はない。入学式にはでなくていいぞ。」
「すみません。僕がわるかったです。」
教官にはかなわないことを思い知らされる。
「はあ、、結局最下位クラスじゃないか」
叶真はとぼとぼと教室へ向かう。
教室のドアの前に来た。
叶真は手をかけてドアを開ける。
始まる
叶真の高校生活
短くてすみません。。