87.キラくんの行動を観察する その17
姉回です
アパートでキラくん謹製カレーを堪能した翌日から修羅場が待っていた。
アホちんのせいで――――
確かに奴を引き込んだのはあたしであるが、仕様書通りに作業してくれれば問題なかったのだ。
浮空大陸は正立方体の形を成しており、その面1つ1つが種族ごとの国のようなコミュティが形成されている。もちろん種族限定のイベントもあるし、それ以外も仕様書に色々組み込んである。
それをあのバカちんが興に乗ったとか言いながら関係ないギミックをあれやこれやと詰め込みやがったのだ。
1部分だけの修正であれば、そこだけ変更できれば良かったのだが、浮空大陸全体にリンクさせてしまってるので梃子摺る羽目になってしまったのだ。
本来であれば(あくまで)外部の人間であるあたしが統括責任者になっているのは、ひとえにタジマがまともに仕事をしなかったのであたしを付ける事になった為である。
もちろん作業という点では、ある意味優秀な人間なので問題は全く無いのだが、飽きっぽいというか、移り気がありすぎるせいで余計なものを勝手に付け加えまくるのだ。よく酪農なんてやれたものだと、ある意味感心してしまう。
アホかと。
そのせいであたし迄が会社にカンヅメる羽目になってしまった。
このままではキラ君成分が枯渇する事態にもなりかねない様な状態だ。
開発部長に呼び込んだ責任は取って貰うと言われてしまえば頷かざるを得ない。
あまつさえ、キラくんに渡そうと目論んでいたHMVRDを開発部長に先に渡されてしまい(しかもあたしのカレーを食べて!)手元に残ったHMVRDをど〜したもんじゃろのぉと思案にくれる始末。
いっそ自分でプレイしたろかと考えていたりする。ふむ、今思い付いたにしてはいいアイデアかも知れない。
どうせ開発が一段落しないことには外出も出来ないのだ。
思い立ったが即実行ということで、タジマの尻を引っ叩いた後、新品のHMVRDを被りさっそくライドシフト。
VRルームからゲームへログインすると、別の空間へと移動する。
ガイドの指示で名前、種族、スキルを次々と決めていく。
勝手知ったるナントヤラで、ある程度簡単に決めていったが問題は姿形をどうするかだ。
今までは面倒臭さもあり、リアルの姿に髪や目の色を変えただけだったんだけど、せっかくなのでガッツリ変えてみようか。
ベースはそのままにまず髪を銀髪でサイドポニーにして、前髪の1部を紫にしてアクセントを付ける。
身長は150cmちょい位にしてバストサイズはB寄りのCに、年齢設定は15くらい。こんなもんかなっと。
目の前に表示されてる設定したその姿は、あたしとは全くかけ離れたものだった。
ベースがあたしのはずなのに、あれぇ?っていうかんじだ。あれぇ?
んー、種族が人族でなくエルフ族だから何だろうか?まぁ、いいか。
「!」
そうだ!キラくんに連絡してキャラメイクをエルフ族にして貰おう。さすればキラくんとお揃いになる。ふふん。
少しだけワクドキしながらキャラメイクを終わらせる。後はアプデ後まではそのままだ。
ちょっとだけ気分を上げたあたしはまた修羅場へと向かう。
アブデ迄終わるんだろうか、これ………。
あたしはリンク先を変えて作業へと戻る。
ばかチンの尻を引っぱたく為に。
何とか間に合いました。ええ、間に合わせましたとも。
開発室の中で死屍累々と横たわっているスタッフを横目にあたしはデバッグ用の個室へ入ると、HMVRDを被りライドシフト後ゲームへとログイン。
何とかゲーム開始前に入ることが出来た様だ。クリスマス?それ美味しいの?(ケーキは美味しいか)
キラ君はこの手のイベントは気にしない性質なので、大抵はコンビニケーキと軽くスパークリングワインを買ってちょろっと楽しむくらいだ。
バイトもあるし、あたしの方も決算関係でいろいろ担当者と打ち合わせをする事があるから、この時期はあまり一緒に過ごしたりしない。ちぇっ。
とは言え、1回プレイし終えたらアパートに行ってキラくん成分を補充しなければならない。
カレーを食べに行った時も、何とかひとつゲットしたのみだ。
いや、この後はしばらく時間もあるので、キラくんを堪能すればいーのだけど、常にその状態が維持できるわけじゃないのだ。
あたしは今後の予定を立てながら、巨大な門の前で待つ。
女神(設定上)の説明を聞き、ガチャチケを受け取りその時を待つ。もちろんナビスピはパス。レリィがいるからね。
今回は趣向を変えて、ログイン後すぐにニューカマーイベントが起こる予定になっている。
ランダムにフィールドに移動させられたPCが冒険者ギルドで登録するまでのタイムトライアルだ。
当初はいつもの通り街中からの冒険者ギルドで登録する予定だったのだが、大量のプレイヤーが一時的に集まった時の処理の煩雑さを考慮してフィールドに一旦ばらけさせる事になったのだ。
レイちゃんの処理能力を考えれば、どうと言う事のものでもないのだが、どちらかというと、PCへの配慮を思っての事だ。
待つの嫌って奴もいるしね。
そしてようやく開始時間がやってくる。巨大な木製の門扉がゆっくり奥へと開いていく。
いつもと違う状況に少しだけドキワクしながら、門へと足を進める。
白の景色から徐々に色を戻した風景は、まず最初に目に映るのは空の青。そして遥か彼方まで広がる大地。肌を優しく撫でる風の感触。
あたしはまず世界を味わうために深呼吸をする。すぅーはぁ―と数回行った後、周囲を見回すとあちらこちらにあたしと同様に転移してきたPCの姿が見て取れる。
その姿は周囲をキョロキョロ見回し、驚き慌ててる様子が見える。
確かにいきなりこんなとこに放り出されたら驚くわな。
そしてすぐにホロウィンドウが現れ、ニューカマーイベントが告知される。
あたしは主に浮空大陸の方を担当してたので、ここら辺のことはよく知らない。
ありきたりといえばありきたりのイベントだけど、定番ってやっぱリ良いものだから廃れないのだろう。
ホロウィンドウを確認していたPCが街へ向けて走り始める。
おーがんばれ〜。
あたしは一応関係者なんで、のんびりまったり向かうことにする。
少し歩いたところで違和感を感じ立ち止まる。
?視点が低い。身体が軽い感じがする。身体を両手でまさぐる。
「お―――ーっ」
そういや、PCいじってたんだ。考えことをしてたらすっかり忘れてたわ。
「何じゃそりゃっ!」
思わず1人ツッコミをしてしまう。
ここまで身体をいじったこともなく反対に極端に小さくしていた分、ここまで変な感じは受けなかったんだけど………。
軽く身体を捻り、回転し、飛び跳ねながら動きを確認する。
ふんふん。胸の重さの分身体が軽く感じる。悪くない。
少しだけ道を逆に戻り、PCがいない所まで来ると、軽く走りその後全力疾走。急停止し方向を変え走りだす。
ひとしきり動いた後、次は剣を抜き軽く振り回す。右、左、下から上へ斬り上げまた斬り下ろす。
そして突き突き突き、フェンシングの様に1歩飛びしながら3連突き。
そしてクルリと剣を回して鞘へと納める。ふふん、想像以上だ。
胸が小さくなっただけでこれだけパフォーマンスが変わってくるのにかなり驚いてしまう。
キラくんをゆーわくするには、ちと頼りないが………。
あたしはそんな感じでご機嫌になりながら、再びプロロアへと向かう。
東街道に入り西へと進んでいくと、巨大な門が目に入ってくる。
さすがに急いでるPCはもういない。大方のPCはもうゴールしてることだろう。
ゲームを始めてからそろそろ1時間が経とうとしてる。
第2陣のPCが大挙してやって来ることを考えれば少しばかり急いだ方がいいかもしれない。
「さて、レリィはどこに居るのかなっと」
これだけはレイちゃんにお願いして許可して貰った。
本来アテンダントスピリットはそれ専用のプログラムで組み上げた妖精をPCへ送るのだけど、レリィをアテスピにしようと思ったのでお願いしたのだ。
レイちゃんは仕方ないな〜というように眉尻を下げながら許可してくれた。
開発部長が今回は難しめにしたから結構大変だぞうとかのたまっていたが、変な所に隠してる訳ではないと思うので、歩きながら周囲を見回す。
「あっ!見つけたっ!!」
右手の路地の向こうの高い建物の上の鐘楼の上の方でアイコンが点滅している。
「あんにゃろ!やってくれる」
すかさず路地へと駆け出し目的の場所へと走りだす。
空を仰ぎ見て左に右にと曲がりながら鐘楼を見据え駆けて行く。
そして路地を抜け出るとぽっかりと空間が空いた場所に出る。
その右手には、教会らしき2階建ての建造物とその上へと伸びた鐘楼があった。正面にはさらに路地が奥へ続いている。
あたしは中に入る手間を惜しんで、隣の建物との間を蹴り伝いながら駆け上る。
そうして鐘楼の上へと飛び込むとそこにレリィが横たわっていた。
あたしはレリィを拾い上げてHPを回復させ、イベントが発生するとさくっとクレアする。そして名前を入力して取得を終える。
「大丈夫?レリィ。苦しかったでしょう?」
気がついたレリィに言葉を掛けるとあたしだと認識したレリィが涙を浮かべて顔に飛び込んできた。
「あるじ様っっ!」
「ふがっ……」
いつもは一緒にいるのだけど、今日ばかり離れ離れになってたので心細かったのか勢いが尋常じゃない。
「はいはい、間に合った良かったわ」
レリィの頭をなでなですると、恥ずかしそうに俯いてあたしの後頭部に引っ付いてくる。
「レリィ?」
「…………」
こんなレリィを見るのも珍しいと思い、つい口元を緩めてしまう。
地上へ降り立ち、あとは先程通った道を戻り冒険者ギルドに向かいイベントをクリアしよう。
反対側の路地は確か商店街へ続いてるはずだ。
今は、というかこれからも特に用も無いので行くこともないだろう。
こうして大通りへ出て時計台広場に到着し冒険者ギルドで登録を済ませ、ニューカマーイベントをクリアする。
ってかタワシって何に使うのよ?これ。
時計台広場の前にはパーティー募集やクラウンの加入等の勧誘でPCがごちゃごちゃ溢れんばかりに集ってる。
あたしはデフォルトで必ず絡まれる事があるので、いったんログアウトしてほとぼりが冷めるのを待つことにする。
たぶんキラくんは指定時間通りにログインしないだろうと思うので、連絡が来た時点で再ログインすればいいだろう。
レリィは恥ずかしいのか、まだ後頭部に引っ付いたままだ。愛い奴め。
VRルームに戻るとあたしの本来の姿に戻っている。少しばかり残念に思いつつ、しばらく身体を動かして感覚を戻していく。
「レリィ」
「はひ………」
ようやく復活したらしいレリィが目の前にやってくる。(今まで後頭部に引っ付いていた)少し顔が赤い。かわゆいのぅ。
「あたしいったんライドシフトするから、それまでにVRルームの模様替えしてるれる?いつもの感じでいーから」
「畏まりました、あるじ様」
いつもの表情に戻ったレリィがそう言ってお辞儀をしてくる。あたしの好みも把握しているし、殺風景なここも過ごしやすくなるだろう。
現実に戻り、HMVRDを外しひと息つく。
そして1つ思い出した事があるので、メールで開発部長に連絡して幾つかのスキルを買ってもらうことにする。
確かラミィは第3サークルエリアにいるはずだから問題なく買うことが出来るだろう。
あたしはシートを倒して、しばらく仮眠を取ることにする。くかーっ。
ピカピカ鳴っている端末の音に目を醒ます。キラくんからのメールだ。
端末を確認すると8時ちょい過ぎ、仮眠どころでなくガッツリ寝てしまったようだ。
口元の涎を拭い(いー夢見たよ)部屋を出て食堂へと向かう。
本当はアパートへ直行したいのはやまやまだが今日は我慢しよう。いや、夕ご飯までの我慢なのだ。
食堂の中はどっちかというとレストランと言ったほうがしっくりするかな―――――は朝方のせいか人もそれ程おらず閑散としている。
あたしは仮社員カードをかざし中に入ると、トレイを受け取り料理を見回す。
食堂は24時間開いていて、朝夕晩はいわゆるバイキング形式の料理が並び、それ以外の時間は軽食と自動販売機で対応している。料金は基本無料。限度を超えると発生する
福利厚生が充実している会社はいい会社だ。開発部長を始めスタッフが頑張って作り上げたものなのだ。みんな偉い。
あたしはそう感心しながらトレイへ丼ものと味噌汁とお新香、お茶を載せて席に着く。
箸を手に取り味噌汁をすする。
キラくんには及ばないもののフツーに美味しい。丁寧に作られたのが良く分かるひと品だ。
メインディシュに手を付けようとすると声がかかる。
「朝からよくそんなもん食えるよな、お前」
トレイにサンドイッチとコーンスープを載せた開発部長が立っていた。
「おはよー」
「おはよう、サキ」
そう言ってあたしが挨拶をすると、開発部長も応じて、あたしの正面の席へ着く。
「そう?ふつーじゃない?」
最初の台詞にあたしはそう答えて、丼に箸を付ける。
あたしがメインディシュに選んだのはデミグラスソースカツ丼だ。
丼のご飯の上に盛られた肉厚のトンカツにデミグラスソースがまんべんなく掛けられたガッツリ系の丼だ。(丼はたいていガッツリだけどね)
個人的に好きなカツ丼はばー様が元気だった頃に良く連れて行ってくれたミスミ屋のソースカツ丼だ。
自家製ソースがカツ全体に染み込むように薄く付けられていて、ソース独特のネットリ感はほとんど感じられず、程よい甘さと酸味がハーモニーを奏でるようにマッチしていて、食が進むこと進むこと。
シャキシャキキャベツの千切りとご飯がそれに輪を掛ける様に旨さを増幅させていく。
アー、また食べに行きたいなぁ~等とデミソカツ丼を頬張りながらそんな事を思い返しながら、開発部長に頼んでいた事を思い出す。
「そうそう。ミラ、スキル買ってくれた?」
サンドイッチとコーヒーを口にしながら開発部長が答える。
「ああ、買っておいたぞ。あとヤーくんもプロロアに到着したらしい」
ほうほう、そうですか。これでキラくんも楽しくゲームを遊べる事だろう。
「じゃ、あとでゲームでね」
「ああ、分かった。ゲームでな」
あたしはカツ丼をたいらげた後、開発部長に軽く挨拶をして食堂を出る。
キラくんがこれからログインをするとなれば、小1時間は時間があるだろうから、それまで残務整理をしてからでも遅くないだろう。
先程の部屋に戻り、HMVRDを被りVRルームで作業を始める。
レリィがVRルームを整えており、何気に快適に作業をする事が出来た。
レリィを褒めてお礼を言うと、レリィは無表情ながらも嬉しそうに頬を緩める。
そんなレリィの姿を見てると、AIとは何処まで行くのだろうかとそんな他愛ない事思ってしまう。
作業を終え、そろそろかなと思いゲームへログインする。
やはりと言うか何と言うか、街の中はPCの山でごった返していた。
1万人近くとなれば当たり前と言っちゃ当たり前だが、さらにPC勧誘で古参のPCのパーティーやクラウンが集まっているのでなおさら酷いことになっている。
あたしは声を掛けられる前に、そそくさと移動して約束の場所へと向かう。
レリィはあたしに隠れる様に一緒い移動している。
大抵のPCは、ナビゲートスピリットと言われる手の平大の光る綿毛を側に浮かべている。
なので、そうでないアテンダントスピリットを持ってると執拗に話しかけて来るPCが出て来る。
ニューカマーなら尚更だ。どうやって?何処で?何で?しまいにはズルイ!寄越せ!とか言い出しかねない。ほんとにゲームになると我が強くなる人間が出て来るのは何でなのか。ふぅ。
あたしはこそこそと移動して南の雑木林へ向かう。
そこが待ち合わせの場所になる。すでに何人かがそこで立っているのが見える。
「おまたせーっ」
あたしは手を振りながら彼等に声を掛ける。
あたしの声で皆がこちらを振り向いてくる。
いたのはちみっ娘ドワーフとローブの女性。そして人族の男性と宙に浮かぶ幼女と大っきなイノシシ。
開発部長のラミィと秘書ちゃん。そしてヤマトとララちゃんとウリスちゃん。
ヤマトの姿はモニター越しのものとは見違えるような、精悍な顔つきとなっている。
NPC最初の冒険者ヤマト。
PCのアカウントで行動するAIのワンダラー。
スピアボーアとシルキーの従魔を連れた彼の名は掲示板等でちらほら見かけるようだ。
クラスアップしたララちゃんの姿は白のふわふわワンピースに3歳児くらいの幼さを感じさせる姿となっている。
一方のウリスちゃんは、幼体から成体へとクラスアップして子象ほどの大きさになっている。かわゆさが消えて雄々しくなっている。
「サキさま!この姿では初めましてなのです!」
「ボフッ!」
ララちゃんはともかく一方的にあたしが知っていても、向こうはあたしの事は知らないはずだ。
なので、改めてあたしは挨拶をする。
「初めましてヤマトくん、ウリスちゃん。あたしはサキリカと言います。ラミィのリアルフレです。よろしくね」
あたしはペコリと2人に挨拶をする。
「初めましてヤマトだ。よろしく」
「ボフッ!」
青年らしい快活さで手を上げ答える。ウリスちゃんもそれに倣い右前足を挙げて返事をする。ボフッ。ぶぶ。
あたしの横にいるレリィも挨拶し、それぞれ紹介を終わらせる。
ラミィからスキルを受け取り、あたしはヤマトに確認をする。
「ヤマトくんは本当に2人と別れていいの?」
あたしの言葉に何を言ってるんだ?という様な顔をして笑顔を見せる。
「ああ、元々操主が築き上げた2人の絆だ。俺がどうこうする権利はないんだよ。それにこれは2人の望みだ」
はぁ~男らしいと言うか何と言うか。あたしは今度はララちゃんとウリスちゃんに確認をする。
「ララちゃんとウリスちゃんもいいの?テイマーを変えるとレベルが元に戻っちゃうのよ?」
そう、今まで蓄積されていた経験値はリセットされ、レベル1からのスタ-トになるのだ。
「もちろんなのです。ララとウリスケさんはマスターと一緒に冒険がしたいのです」
「ボフッボフフッッ!」
まぁ、2人がそう言うならもう何も言うまい。
しばらくするとララちゃんが、キラくんが冒険者ギルドから出て来たらしいと知らせてくれる。(?どうやって?)
あたしはララちゃんのその言葉にすぐさま駆け出す。後ろから誰かが何か言ってるが、お構い無しに冒険者ギルドヘ突進する。
ボフボフドスドススと隣で鳴き声と足音が聞こえて来る。
人波の間をすり抜けながら、ようやくキラくんを見つける。キラくんっ!
あたしは思わず名前を呼んでキラくんへ飛び込んでいく。
「キィ~~~~ラぁ~~く~~~~んっ!
ドカァ―――――ン!バッタン!!
瞬間、見えない壁に弾かれ倒れてしまう。あれっ?
(-「-)ゝ お読みいただき嬉しゅうございます
Pt&ブクマありがとうございます(≫△≪)ゞ




