表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/244

6.薬草の採取とボーナスエリア

間違って書いた分消してまいました orz

 

 

 薬草の採取か。調薬のスキルも持ってるし、自分でポーションとか作ってみるのも悪くないかも。


「じゃあ、行ってみるか」

『はい!案内するのです』


 さっそくプレイキャラを操作して、西門を抜け街道に沿って進んでいくと左手側に大きな森が見えてくる。

 【プロロアの森】と表示された森の中を入っていく。いわゆる広葉樹らしき木々の間をトテトテ歩き、やがて開けた場所へと到着する。

 その間、ララのナビのおかげかモンスターには出会わず何気に拍子抜けしたものだ。


『ここは秘密の薬草の群生地なのです』


 今さらっと恐ろしいことを言われた気がしたが、その辺は気にせず群生地を見回す。プレイキャラの腰程にもある草花が生い茂っている。 かなり奥の方まで続いているようだった。

 始まりの街の近くにこんなところがあったら、ちょっと問題なんじゃなかろうかと思ったが、バストアップ画面になったララが説明してくれる。


『ここは、アテンダントスピリットを取得したプレイヤーへのボーナスエリアなのです。だから、他のプレイヤーは入ってくることは出来ないのです』


 ララの言葉とともにピコンとインフォが表示される。

 【[プロロアの森の癒やしの原]をマップ登録しました】


「ここがハーミィテイジゾーンってとこなのか?」


 うろ覚えだがそんなことを聞いた覚えがあるので確認する。ギルトに発見登録するとポイントが貰えるんだったよな。


『いいえ、ここはハーミィテイジゾーンとは少し違うのです。シークレットイベントをクリアしてアテンダントスピリットを取得したプレイヤーだけが登録できるのがボーナスエリアなのです』


 ………なんだかなぁー。いーんだろうかこれ。やってる身としてはいい事ばかりで有難いんだが、後で痛い目に遭わないか少しばかり不安になってくる。妬み嫉みは怖い。

 たしかMMORPGは、課金を使ってアイテムや武器を手に入れて、やたらとチートなプレイをする奴がいるとかホシノが言ってたっけ。ん十万とか掛ける人間もいるとか言ってたか。

 

 人様が何に情熱を掛けるのかは自由なんだがスゴイなーと呟いてたら、おめーが言うセリフじゃねぇーだろが!このレトロゲーコレクターがと言い返されてしまった。いいじゃん、ただのデータじゃなくて手元にものがあるんだから。

 メモリーが消えた時なんかスッゲー悲しいぞ。手元に何も残らんのだし。そんな風に沈思黙考しているとララが心配そうな声を僕にかける。


『マスター?何かお気に召しませんでしたか?』

「ん………?ああ、違う違う。ちょっと考え事をしてたんだ」

『考え事ですか?』

「このゲーム初心者がこの高待遇は如何なものかと」

『マスターなので大丈夫なのです!』


 いや、そんな自慢そうに胸を張って話さなくてもよかろうに………。しかも何の理由にもなってないし……。まぁこんな事も色々あるんだろうと無理矢理納得してゲームを再開する。


「まあいいや。じゃあ、さっそく採取を始めよう」

『はいなのです』


 ララのバストアップ画面から通常画面に戻ると、プレイキャラの目の前に群生地が広がる。

 メニューコマンドで採取を選ぶと黄色い逆三角のマーカーが画面いっぱいに広がる。黄色だらけ。


「うおっ。すっげーなこれ!」

『はい。どんどん採取なのです。』


 ララの嬉しそうな声が耳に届く。やってみるか。

 黄色いマーカーのついいた草の前にプレイキャラを移動させてDボタンを押して採取。メニューを出して

(アイテム→草→しらべる)何の草かを確認する。


[□□草]:ポーション原料のひとつ

      生でかじると少し苦い


[□□□草]:ポ−ション原料のひとつ

       生でかじるとかなり渋い 


 とこんなものが採取できた。草しか分からない。


『はい。これらに調薬で加工することで、ポーションになるのです』

「ん、じゃ集められるだけ集めよう」


 取っては調べる。すこし横移動 。取っては調べる。少し横移動。これを何度も繰り返す。この手の作業は特に苦にならない。10分程やっていいると、ピロリロリーンとSEが鳴り響く。


 [採取スキルLv2になりました]

 :採取するものの種類判別が出来るようになりました


『やったのですマスター』


 ララのバストアップ画面がいきなり出てきた。ちょっとビックリ。あれ?僕見てないよね………。まあ……いーか、バグだとしても支障ないだろう。ここに案内してくれたララに感謝だな。


「ララのおかげだな」

『えへへー』


 ララは嬉しそうに画面を左右に飛び回る。うい奴じゃ。

 かなり採取したと思ったのだが、群生地はまだまだ奥へと広がっている。

 今度は採取するだけで、草の種類が判別できるようになる。


[シラ草]:ポーション原料のひとつ

      生でかじると少し苦いがHP3%回復


[ハエレ草]:ポーション原料のひとつ

       生でかじるとかなり渋い。HP2%回復 状態異常〈渋味〉


 さっきのがこんな風に表示されるようになった。他にも色々採取できてるのでテンションも上がる。

 ふんふん。採取作業を5分ほどしていると、腰の懐中時計から音楽が流れてくる。天○○境2のオープニングだ。

 時計を取り出して見てみると、ホシノから電話がかかっていた。TELモードにして、電話に出る。


「どーしたホシノ」

『あーササザキ?合コンやんだけどメンツが足りんから来てくんない?』

「メンツが足りないって何かあったの?」

『カラサワが黙って合コンに出ようとして彼女にラチられた』

「あいつも懲りないねぇ。つか彼女持ち誘うなよ」

『チゲーよ。あいつが幹事なんだよ。だから俺が代理になった。6対5じゃカッコつかねぇしよ。頼むよ』


 しかし、合コンとか行くと姉の機嫌がスゴーク悪くなるのだが……。


『キノシタさんも来っから、例の話で盛り上がんじゃね?』


 キノシタさんが来るのか……。仕方がない友人の頼みだ。


「判った。何時からやんの?どこで?」

『7時から〇〇駅の居酒屋盃蘭処はいらんしょ。んじゃ待ってから』


 通話が切れ、時刻を確認し時計をしまう。〇〇駅じゃ、ここから30分はかかる。今から出ないとちょっと不味いかも知れない。まー特に何時間やってくれとかは言われてないから問題ないと思うが。

 と考えているとララのバストアップ画面になっていて、少し寂しそうな表情を浮かべていた。


『マスターお別れなのですか?』


 そんな顔をされてもなぁーとコントローラーを見ると中央のボタン類が目に入ってきた。

 よく見てみるとアクションプレイメモリーと書いてある。これはアレか?RPGで行動を記録すると、記録した通りに動くというヤツか。

 試しに薬草採取の行動を記録して登録、オートプレイボタンを押すと薬草採取を始める。よし、いいだろう。


「ララ、悪いがちょっと出掛けてくるんで、“ヤマト”を見ててくれるか?2、3時間で戻ってくるから」

『わかりましたですマスター。お帰りをお待ちしてるのです』


 ララは嬉しそうに返事をすると、“ヤマト”の周りを回っている。

 ゲームは起動させたままモニターを消し、ホームメイドAIに僕の登録をして姉の家を出る。

 ホシノからはいつも突然連絡が来る。も少し早くして欲しいものだと溜め息を吐きながら駅へと向かう。





(ー「ー)ゝ お読みいただき嬉しゅうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ