表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/244

5.はじめての戦闘、ララを疑いしばし反省

ユニーク100人越え!はーびっくりびっくり

 

 

 東門を出ると1本の街道を真ん中に通した広大な草原が画面いっぱいに広がる。

 初めてのクエストはワイルドッグ5匹を倒すことだ。まんま野良犬っぽいがモンスター扱いなんだろうか。とりあえず街道を外れて北の方へと歩いてみる。

 このゲームは、いわゆるコマンド入力式ではなく、アクション型RPGなのだとか。MMOの大概はこのタイプだそうだとトモヒサが言っていた記憶がある。イ〇スとか魔〇八犬〇とかそんな感じか。

 

 クエスト依頼を受けたとき、受付嬢から聞いた話では、モンスターを探して倒す必要があるんだっけ。エンカウントとかは無いということか、ふむ了解した。

 さっそくメニューを開き索敵を選ぶ。画面右上に小さなウィンドウが現れ、プレイキャラとモンスターを簡単に表示する。

 赤丸がモンスターで、緑四角がプレイキャラだ。他に黄三角もいる。これはプレイヤーか?


『マスター!左前方にワイルドッグが1匹います』


 プレイキャラを操作し、そちらに向かう。草原の向こうから黒い犬が目の前に現れると音楽が戦闘用のBGMに切り替わる。

 コントローラーを見てみると、左に十字キー、右に時計回りに上から、A、B、C、Dボタン、前側面にL、Rボタンが上下に2つ。中央に何かのボタンがいくつかとその下にスタートとセレクト。2つボタンに馴染んでる身としては多機能なコントローラーだ。(今まで十字キーとスタートボタン位しか使って無かったから)

 

 このゲームでは武器によって様々な技があるのだが基本はAで縦斬り、Dで横斬り、CがジャンプでBが魔法となる。十字キー2度押しでダッシュ、L1とR1で回り込み。R2がターゲットロックオンオフ。ニュー〇ピアを思い出しますな。ちなみにL2は防御になっている。

 さっそくワイルドッグをロックオン。これでこの敵を中心にして行動する。そこにワイルドッグが襲い掛かる。慌てず防御、そして縦斬り、縦斬り、横斬りと繰り出し、ワイルドッグを吹き飛ばす。これでワイルドッグのHPは1/3まで減っていく。うむ、そんなに強くないのかな。まぁ最初だしな。

 ジャンプで飛び込み縦斬りでフィニィッシュ。結晶の砕けるような音とともに光りのエフェクトが飛び散る。

 チャチャチャチャーン。ファンファーレと同時に[ワイルドッグをたおしました]と音声とメッセージが現れ、リザルト画面が表示される。

 ドロップアイテムはドッグボーン。これが討伐証明の品になるらしい。


『やりましたです。マスター』

「よし!この調子で狩っていこう」

『はいなのです!次は右奥にワイルドッグがいるのです』


 ララの指示に従い単体のワイルドッグを狩っていく。目標の数以上の獲物を勝ったので街に戻る事にする。

 メニューを開き、マップを表示すると、プロロアの街と東が少しだけ描かれた以外すべて真っ白な地図が現れた。


「うおっ!真っ白だ。バグか何かか?」


 そんな僕の言葉にララがその理由を教えてくれる。


『マスター。このゲームのマップはプレイヤーが行った場所しか表示されないのです。だから行ってない所は真っ白なのです』

「ん?パーティーとか組んでる場合はどうなるん?」


 パーティーといえばキャラクターがぞろぞろ一列になって連れ歩くのを思い浮かべるが、MMORPGでは互いのプレイヤーがパーティーを組んだり、クランを作ったりすると友人に聞かされたことがあったのですんなり質問できる。


『その場合はパーソナルマップではなく、パ-ティーマップが表示されるのです。大抵はパーティーマップを埋めていくのが定石なのです』

「マップを埋めるだけなら僕にはあんまり関係なさげではあるか」

『いーえマスター!マップを埋めるパーセンテージでイベントが起きるのでと―――――っても大切なのです』

「イベント?」

『はいっ!ある地域でマップを埋めていけば、イベントが発生しクリアすると隠しマップが現れたりするのです。それがギルドで言ってたハーミィテイジゾーンなのです。隠者の住処という場所なのです』

「何気にそんな情報流して大丈夫なん?」

『大丈夫なのです。………マスター、チュートリアルとか取説を読まないでする人ですよね。そーゆー事は色々載ってるのです』


 何気に図星を指されてしまった。つうかやたらと高性能なAIさんだな。いやまてよ、もしかして………まさかな……でも……。


「姉さん」


 ララに向かって、そう呼びかけてみる。


『マスター?』


 ララが不思議そうな声音で聞いてくる。その言葉をスルーしてさらに畳み掛けるように僕は言葉を重ねる。


「姉様、姉上、姉貴、姉ちゃん、ネェネェ、姉御、姉ータン」


 姉は僕が姉と呼ぶと物凄く怒り出すのだ。小さい頃ねーちゃんと言ったら殴られた。

 以降名前で呼ぶ事にしている。痛いの嫌だし。

 

 とりあえず、姉と付く言葉をズラズラと並べていく。しかし、ララの反応は芳しくなく『ワ……ワ、ワ……』と呻いたあと、声を大にしてはっきりと僕に告げる。


『ララはマスターのお姉さんではないです!ララはマスターのペットなのです!!』


 勢いよくプレイキャラの周りをぶんぶん回り出すララ。

 いやペットはちょっとなんなので少しだけララに訂正を促す。


「いや、そこは相棒ってことにしよう。相棒なララ」

『はい!!ララはマスターの相棒なのです!!』


 嬉しそうに宣言するララ、うん、疑ってスマン。反省。


「まぁとりあえず街に帰るとしよう」

『はいなのです』


 マップで位置を確認してので、その方向にプレイキャラを向けて歩き出す。ララは嬉しそうにプレイキャラの周りをグルグル回って付いてくる。


 街に戻り冒険者ギルドで初めてのクエスト完了を報告、ギルドポイントと討伐数の分300Gを手に入れる。高いのか安いのかよく分からない。

 広場まで戻り、屋台で美味そうな音をを立てている串焼肉を6本買って、1本をララに与える。このゲームは満腹度とかいうのがあって、これが低下するとHPとMPが減っていくと言うし、行きの時の約束もあるので買って見たのだった。

 

 試しにララに与えてみる。 (コマンド:アイテム→串焼肉→つかう→ララ)

 ララのバストアップ画面になり、串焼肉を美味しそうに頬張る。よく出来てるわーこれ。


『もいひぃーれす。みゃふてぃぁー』

「うんうん、食べるときは喋らなくていいからね」


 串焼肉をハグハグ口に入れながらコクコク頷くララ。いい子ですなー串焼肉を食べ終えると満腹度が8割まで回復していく。 (コマンド:アイテム→串焼肉→つかう×5)ララの姿を見てるとなんと言うか味気ない。

 いや、ゲームなんだから当たり前なんだけど。


「さて、次は何をするかだな………」


 また冒険者ギルドで依頼を受けてワイルドッグを狩るのもいいが、何か他にやってみたいとも思う。なんせゲームだし。


『マスターは採取スキルをお持ちですよね?』


 僕がウヌヌと唸っていると、ララがそんな事を聞いてきた。


「えーと、うん、あるある」


 メニューを開き、ステータスを見ると確かに採取がある。


『では、西の森で薬草の採取などいかがですか?』



 

  


(-「-)ゝ お読みいただき嬉しゅうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ