242.VSメガにバウム・グラトニー(ってシロアリじゃね?)
大変遅くなり申し訳ございません……<(_ _)>
{グッ!」
「―――っ!」
「チャ?」
『『『『『ギギィイイイイ――――――――ィイイィイイッ!!』』』』』
その異変にいち早くウリスケさんが気付き、振り向き声を上げるのです。
………ルリさんはまぁ、なぁにぃ?って感じではあるのです
通路―――と言うかこの部屋の入口には幾体ものモンスターが今まさにこの部屋に入ろうとする姿があったのです。
その姿は逆三角の頭部にくの字の触覚。そして3対の肢がこちらを威嚇する様に蠢いているのです。
見た感じプロロアの森でに出たビッグアンタに似てるのです。
ただその色は黒でなく、真珠のような艶めいた乳白色なのです。
おそらくはビッグアンタの色違いとララは推測したのです。
「“グランディグ!”“グランディグっ!”」
『『『ッッ――――!?』』』
「今なのです!皆さまここから脱出するのですっ!」
この状況では、この場よりの離脱がベストなのです。
「グッ!」
「チャア?」
魔法で開けた穴へと落下していくモンスターを見やる事なく、ララは2人へこの場を指示しウリスケさんは了承し行動へと移すのです。ほらほらルリさんも急いで急いでなのです。
「グッ!」
「チャチャ!」
ルリさんもウリスケさんに促されて、共に動き出すのです。
現れて来るビッグアンタを穴に落とし、体当たりし、炎で焼きながら通路をひた走っていくのです。
通路を右に左にと、時折現れるビックアンタを倒しながら進んで行ったのです。
そしてその数が徐々に増えていき、やがてウリスケんさんにも手に負えなくなってきたのです。
やばいのです。
これはまじやばいのです。
わらわらとのべつ幕なしにやってくる敵に、ララ達は攻撃をやめて数の少ない場所へと進んで行ったのです。
その背後にはたくさんのビッグアンタがキチキチと顎を鳴らしながら迫って来るのです。
もうこれは―――すなわち!どこかの部屋に隠れてやり過ごす作戦しかないのです!
え?それって作戦なの?と言われたとしても、これはれっきとした作戦なのです!
そんな考えたる考えでもない思考で、ララは行動へと移すことにしたのでした。
ですが、なかなかにやり過ごせそうな場所は見当たらず通路をモンスターを倒しながら進んで行くと、目の前に光を放つ出口が見えたのです。
「くぅ………仕方ないのです。後は野となれ山となれなのです。ウリスケさん、ルリさん!あそこへ向かったなのです!」
「グッ!!」
「チャッ!」
ララの自棄気味の指示に声を上げて2人が頷くと、そのまま突進していくのです!
「では行くのですっ!グランウォ―――――――――ルッ!!」
ララはすぐさま振り向いて迫り来るモンスターを見据えながら、そのまま魔法を唱えるのです。
通路の床から幾枚もの壁を出して相手の進撃を防いだのです。
くぐもった衝突音が壁の向こうから聞こえて、とりあえず危機迫った現状を回避できたことに安堵したのです。
「ぐぉおっ?なんじゃこりゃっ!?なのです!ってウリスケさんっ!?」
それから光放つ通路の先へと抜けると、そこは広大な広さ空洞だったのです。
ララがいま出てきた所は天井の近くで、20m程下にある地面にウリスケさんが頭をめり込ませている姿があったのです。
その横ではルリさんがツンツンとウリスケさんウリスケさんのお腹を突いていたりしてるのです。なんなのです、これはなのです。
「これは一体何なのでしょう?なのです」
「グッ!」
独り言ちながらララが2人の下へと行くと、地面にめり込んでいたウリスケさんが何とか抜け出したのです。
おそらく本来なら駆空で空中を掛ける事の出来るウリスケさんですが、ララの言葉に急いだ為に見事に落下してしまったと予測するのです。
その事に思い至りウリスケさんに謝ろうとした時、状況に変化が訪れたのです。
無数に穴の開いた天井から7色の光の柱が降り注ぎ光が消えると、そこにマスターが現れたのです!
突然の出来事に驚き混乱したものの、それよりもマスターに出会えた事への喜びと安堵が勝ったのです。
マスター!会いたかったのですっ!!
□
現在のこの状況に理解が及ばず困惑してると、そこへルリがぴょーんと僕へと跳びこんできた。
「え?はへっ!?」
“ルーがね、じめんになんかあるっておもって、ウリシーにおねがいしたの”
………まるでテレビの2ヶ国放送の様に、ルリの声?がダブって聞こえてきた。
あー、ルリってけっこー流暢に喋れるんだなぁ………。
って!いやいやっ!何でいきなり言葉が分かるんっ!?
だけどルリはさらに言葉を続ける。
「チャ―――っ!チャッチャチャッ!!」
“ウリシーがね。バンっってドギュギュウ〜〜〜〜ンって、ドガがッてやったら落っこちたの!”
「?」
やっぱ分からん。うん、ステラちゃんといい勝負だ。
やたらとオノマトベ言葉が多過ぎて、僕としては理解に苦しんでしまうって訳だ。
それに何より、この場所が一体全体どういう場所なのか気になってしまう。
「マスター。ララがルリさんの言葉を補足するのです。最初は――――かくかくしかじか―――」
って感じで説明を始める。
「……………」
はー………だからあの時無理無茶してダメって言ったんだけどなぁ〜。
だから僕はルリのほっぺをむに〜って伸ばした。
「チャ〜………」
僕の行為にルリが”ごめんなさー”という言葉が鳴き声と共に発せられる。
そう。僕は皆と別れる前に、口酸っぱく本当〜に口酸っぱく言ったのだ。
“大人しくして待っててね”と。
確かに幼子であれば、こっちの意図を組む事なく己の趣くままに行動するのは仕方ないんだと思う。
………いやー、って言うか待たせ過ぎた僕も同罪か………。あー。うん。
つい欠片さんを集める事に夢中になり過ぎたことは否めない。………あー、はぁ。
「うん、ゴメンねルリ。僕も悪かった」
「チャ?」
つまんでいたルリのほっぺをを離してギュ〜〜〜ッっとハグる。
それにルリが変な声を上げる。いやまぁ、当然といや当然そうなるわなぁ。
ハグをやめて改めてルリの頭をやさしく撫でて、話をする。
「うん。ほら、やっぱり少しばかり時間がかかっちゃったから、皆を待たせちゃったから、こんな事になったんだと思うからさ」
僕がそうした理由を話すと、何故かララが目を逸らす。………ん?あれ。何か間違ったんだろか。
「グッ!」
“許す!”って感じで、ウリスケがサムズアップをして来る。
………まぁ、いっか。これ以上何をどうこう言ってもしょーがない。うん、しょーがないのだ。
「で?ここってどこなん?」
僕はララへ視線を向けて聞いてみる。
「ララにも分からないのです。逃げ回っているうちにここに来てしまったのです」
………んーステラちゃんの事と言い何とも作為的なものの様な気がするものの、或いは偶然がいくつか重なっただけのものであるかもとも思わないでもない。
うん。これはきっと気にしたら負けだって奴なんだな。うん。
視線を周囲へと変え見渡してみる事にする。と天井部分にいくつもの穴があるのが見て取れた。
「…………………」
いや、もうねえ。察しちゃっというか何というか。
おそらく、いや間違いなくあそこから敵が出て来るんだろう。
つまりはまさに敵地の真っただ中って事だろう。
ピロコリン!
《イベント Rーe01
星霊大樹の敵を倒せ!
いつの間にかエルフィアに侵攻し星霊大樹の生命を吸い尽くさんとしている敵を倒せ!
※なお、このクエストはレイド推奨イベントとなります
フレンドへコールする事によってイベントに参加する事が可能になります》
「…………は?」
いきなり何か〈イベント〉が始まるってのは、まぁ今までの経緯を思えば、ありえなくもないと思う。
でもレイド――――たしかいくつものパーティー連ねたもので相対するとか、正直僕達の手には余るというものだ。
確かにあの時ステラちゃんには頼まれたんだけど、果たしてそれが僕達にクリア出来るのかは別問題なのだ。
だって僕、PCのフレンドってあんまりいないし。
それに呼び出すってのは、僕としてもさすがに気が引けてしまうものであるのだ。
んん?あれぇ?これってもしかして詰んじゃったりするん?
てなことを考えながら煩悶としてると、この状況に変化がやって来た。
「マスター!」
「………ぐはっ………!?」
「グッ!」
「チャ」
突然天井から降って来た何かに、僕はぶつかり思わす声を上げてしまう。
その僕の姿にウリスケがひと声鳴くと、ソレへと体当たりをして突き飛ばす。
それに呼応するかのように、ルリがいくつもの青白い炎を出してマシンガンの様に撃ち放ちソレへと攻撃する。
『キィア――――――!!』
そしてダメ押しにウリスケの頭突きの一撃に為す術もなくそれは光の粒子となって消えて行った。
いきなりイベント始まるとか聞いてないんですけどっ?
「グランウォール!」
天井の穴より次々と降りそそいでくるアレを見て僕が言葉にならない叫びを上げるなか、ララがとっさに魔法を唱え地面から壁を形成して防いでくれる。
ってか、有無を言わせず問答無用に始まるのって無くないっ!?
「グッグッグッグ――――――ゥッ!!」
「チャチャチャチャ―――――ァッ!!」
僕の混乱と困惑を余所に、なぜかウリスケとルリが声を上げて駆け出していく。
え?なにゆえ?
「マスターにダメージを与えたので、ゲキおこプンプンなのです」
僕が目を剥きウリスケとルリを眺めてると、ララが僕の表情を見て言って来る。(………相変わらずのエスパーっぷりだ)
ちなみに今、僕とララがいる場所は、土で出来た半球状の空洞の中だったりする。(まるっきりトーチカだ、これ)
そして外の様子をいくつかある覗き窓から見ていたのだった。
ってか、これグランウォ―ルじゃ無くね!?
「がんばってやったのです!」
「………すごいなーララは」
「なのですっ!!」
僕が少しばかり腰を引きつつも当然の様に褒めると、ララはふんすと鼻息荒く拳をフリフリドヤってきた。
「………しっかし、相手はあれかぁー………」
ウリスケとルリに撃破される天井から降り注ぐモンスターを見て、僕は独り言ちる。やだなーと。
「まんまシロアリじゃん」
溜め息を吐き出しながら、嫌だなー嫌だなぁーという思いを内にしつつ呟く。
どちらかというと、苦手だったりするのだ。シロアリって。はぁ。
(-「-)ゝ お読みいただき嬉しゅうございます
評価Ptありがとうございます!感謝です! (T△T)ゞ
どうにかモチベ7割まで回復したので更新しました
Orz




