表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
240/244

240.従魔達の冒険?

遅くなりました………<(_ _)>

 

今回はララの一人称です

  

 

 

 なんってこったいっ!なのです。

 

 むむぅ〜………。よもやマスターと離れ離れになろうなどとは思いもよらなかったのです。

 

 確かに前例まえにとんでもない事があったというのであれば、今回の措置はある意味やむを得ない事と思わないでもないのです。

 でっ・すっ・がっ!なのです。

 たぁ〜〜〜〜った1回あった事で、ここまで厳しくしないでもい〜と思うのです。くぅうっ!!なのですぅ。

 

 少しばかりやさぐれた気分になりつつ、しばし心を落ち着かせる為に深呼吸を6秒するのです。

 ん?AIプログラムが人と同じ事をしたって意味はないのだろうなのです?

 ははん、そんな事はないのです。

 

 ララ達は人という存在(もの)基盤(ベース)にしたもので出来たのです。

 なので人と同じように行動をする事で、そうする事で新たな経験値(データ)を得る事に繋がる訳なのです。

 

「ぐぬぬぅ………」

 

 そして何より口惜しいのは、この場にアトリさんがいないと分かったという事なのです。

 ぐぬふふぅうう〜〜〜………。アトリさんはきっと何の問題もなく、そう確実にマスターの頭の上でのほほ〜んとしているのです。

 くぅ〜〜〜〜っっ!!ララだってマスターの頭の上でのほほ〜〜〜〜んとしたいのですっ!!

 

 そんな感情を抑えきれずに地面をゴロゴロと転げ回っていると、ルリさんが何やらコンココンと地面を叩いてるのが目に入って来たのです。

 

「チャ?」

 

 首を傾げたルリさんはさらに地面に顔を押し付けながら、再度地面を叩いていたのです。

 何をやってるんでしょうか?なのです。

 

「…………………はぁ」

 

 さすがにこの状況に不満を持ちつつそれを表しているもの、大人げない行為というものなのです。 

 ちょっとばかりの重い気分を息に変えて吐き出しながら、ルリさんの下へと向かったのです。

 

「ルリさん、どうしたのです?」

「グッ?」

 

 ララがルリさんへとそれとなく訊ねると、寸の間視線をこちらに向けてから再び地面を叩き始めたのです。

 そこへさっきまで大の字でグーグーと寝ていたウリスケさんが何々〜?とやって来て聞いて来たのです。

 

 相変わらずのマイペースなその姿勢に、なんともな羨ましさが胸に湧きあがってしまうのです。

 これもプロトコルに刻まれたコアプログラムなのかもしれないのです。

 それはともかく、ルリさんが何をやってるのかを確認しなきゃなのです。

 

「チャ!チャチャチャ!」

 

 ウリスケさんの問い掛けに、ルリさんは眉根を顰め地面を改めてパンパンと叩き説明を始めたのです。

 

「ほぇ?地面の下に何かいるのです?」

「チャ!」

「グッ!」

 

 ………何かと言われてもなんともさっぱり要領を得ないその説明に首を傾げるも、ウリスケさんは“よっしゃ”って感じで前脚でその場から下がるようにララ達に指示したのです。

 はぁ………、ウリスケさんは一体何をやろうとしてるのです? 

 ララとルリさんがその場を指示されるまま下がったところで、ウリスケさんがストトトと後ろへと下がるとそのままドンと駆け出したのです。

 

「はぁあっ?」

 

 そしてルリさんが叩いていた地面のその手前でダッダーンと上へと跳び上がり上空へと到達すると、その身体を下に向けてグルルンとドリルの様に回転させておでこから伸ばした赤の角を地面へと突き立てたのです。

 思わず変な声を上げたとしてもしょーがないのです。

 というかこんな事をやってるのに、エルフの方々は一体全体何をやってるので―――あー………そういう事なのです………。

 

 彼等(エルフ)達はララ達の存在に気付く事もなく、星霊大樹を仰ぎ見ながらニマニマと笑っているのです。

 笑うというよりは嗤う―――嘲笑うと言った方が正確なのです。

 はぁ………。ほんっとに()とはしょーもないのです。

 

 他者を較べ差を認識して、その事に憂い悦びを得るのです。

 マスターという要素(ファクター)を通し、それらを見て来たララの人というものの1つの結論なのです。

 もちろん決論ではないので、様々な事象のひとつという話なのです。

 

 これは人もAIも変わりはしないのです。(もちろんララもしょーもないのです)

 これは思考するもの(せいめい)というものをかたち創られた存在全般に言えるものなのだと思うのです。

 いや、―――それはさておきなのです。

 今のところどーでもいー人達(エルフ)の事はこの際スルーして、いま起こってる目の前の事なのです!はぁあっ!?

 

「グゥウ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!」

「のっほぉああああっ!?」

 

 突撃したウリスケさんの紅い角は地面に接触せず、わずかの間隔を空けて阻まれていたのです。(ほんとに数mmの間隔なのです)

 そして角と地面の狭間でバリバリと火花が散っているのです。

 思わず変な声を上げてしまっても仕方ないというものなのです。

 

「グッグッグゥ〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!」

 

 地面と角が拮抗している状態で、更にウリスケさんが声を上げるとぎゅわわわわんっ!!とドリルの回転を上げたのです。

 ウリスケさんのスペックの高さに、思わず口をあんぐりと上げてしまうララなのです。

 ………パないのです。ウリスケさん………なのです。

 

 そしてその均衡はすぐに破られたのです。

 

「チャ」

 

 紅の角が光を放ち火花を散らしているところにルリさんが声を上げると、青い鱗粉のような光が一瞬だけ瞬くとウリスケさんの角が地面へときちちんと触れたのです。

 

「チャ?」

「グッ!?」

「ほぁっ!?」

 

 その途端ぱかかぁんっ!地面に大きな穴が開いたのです。まじなのですっ!?

 ウリスケさんを中心に半径3m程の穴が開いたのです。(つまり直径6mの穴なのです)

 もちろんその穴の範囲内には、ウリスケさんは言うまでもなくララやルリさんも入っていたのは言うまでもない事なのです。

 

 この状況にはじめ3人して驚いたものの、ララは飛ぶ事が出来るので問題な――――あっルリさん、ララの足を掴んじゃダメなのです!

 ほあああ〜〜〜〜〜………。はいなのです。こーしてララ達はウリスケさんが開けた穴へと問答無用で落下してしまったのです。………くっ。

 

 

 

 

「はぁ〜………してやられたのです」

 

 ついジト目でルリさんを見やるものの、ルリさんと(おふ)ウリスケさん(たり)の興味は目の前に広がる通路にあったのです。

 

「チャ!」

「グッ!」

 

 現在(いま)ララ達がいる場所は、なんとも閉鎖的な空間なのです。

 上下左右を粗く削ったような岩壁が覆っていて前後には闇が広がっているものの、見ることは出来なくとも道が通っているのが分かるのです。

 

「グ」

「チャ?」

 

 その時ウリスケさんが前を、ルリさんが後ろを声を上げて指示したのです。

 しばし睨み合いの後、2人してララをじぃ〜〜っと見やったのです。

 いや、ララに決めろとか、まじなのですぅ!?

 

「えーと………ララが決めるのです?」

「グッ!」

「チャ!」

 

 さも当然といった態で、2人が頷いて声を上げたのです。

 いやまぁ、索敵には何か(・・)の存在が感知できてるものの、それが何であるのかはさすがにララにも分からないのです。

 が、なのです。

 

 マスター不在の現在(いま)、そんな風にいきなりリーダー役を負わせられても困っちゃうのです。

 アテンダントスピリットの時からララ自身は【マスター】に依存する存在(もの)なのです。

 それこそがララの根源プロトコルにある使命プログラムなのです。

 なればこそ。な・れ・ば・こそ。この様な事態に際しても、対応策はもちろん備えているのです。ふふふんなのです。

 

「お二方とも。この際ジャンケンで決めては如何なのです?その方がこの後遺恨なくやる事が出来るのです」

 

 対人関係に関しては第3者が入って来ると、色々とややこしくなる事が多々あったりするのです。

 ほんっと、考える生命(シンカテア)とはなんとも面倒くさい存在なのです。

 寸の間の後、ララの思惑通りにウリスケさんとルリさんは互いに視線を交わすと勝負を始めたのです。

 

「グ!」

「チャ!」

 

 もちろんウリスケさんもルリさんもジャンケンは知っているし、いつもやってもいるものなのです。

 

「………では!ララが審判をやるのです。3回勝負で先に2回勝った方が勝者なのです」

「グッ!」

「チャチャチャ!」

 

 ララの説明に、互いが頷きを返し声を上げて相対したのです。

 そして次の一瞬2人に緊張がきゅびっん!と走ったのです。

 いやいや、何でこんな事でこんな緊張が漂い、いや溢れるのですぅ!?

 ………これって、もしかして互いにマウントを取りに来てるのです?

 

 いやいや、そもそもララ、ウリスケさん、ルリさんの順でテイム(一部ではないのですけど)されているのです。

 となれば発言力というかヒエラルキー的なものは、その順番になるのがシステムとしては当然の事なのです。

 であるのに、このウリスケさん(おふた)とルリさん(かた)は、何かを競うように対立しているのです。

 ?どういう事なのです?

 

 さすがに以前アテンダントスピリットの時の様に、あらゆる事象を窺い知る事はかなわない現在(いま)ララなのです。(もちろんゲーム(ここ)を出れば別の話なのです)

 とは言え、勝負の前に余計な(こと)は無しなのです。

 今はお二人の気持ちを優先するだけなのです。

 

「では始めるのです!最初はグーっなのですっ!」

 

 ララの言葉を皮切りにルリさんが拳を握り前へと突き出し、そしてウリスケさんが前脚を組みスタっとしゃがむのです。

 指のないウリスケさんは、その身体で表すジャンケンを知っているのです。

 いつどこでと問われれば、もちろん現実(リアル)でマスターから教わったものなのです。

 

 まぁそんなこんなで色々と事があると、このジャンケンが利用されてるのです。

 そう、屋台の時とか、マスターの隣に誰が横で寝るとかなのです。

 勝率的にはララ>ルリさん>ウリスケさんとなっているのです。

 

 ただ、ウリスケさんはここぞという重要(だいじ)な時には、ララもウリスケさんには敵わないのです。くぅ………。

 っと、いまはウリスケさんとララさんの勝負なのです。

 

「ジャ〜〜ンケンポンっ!なのですっ!」

「グッ!}

「チャッ!」

 

 ウリスケさんが身を屈めてうずくまるのに対して、ルリさんは人差し指と中指を広げ突き出したのです。

 それはすなわち、ウリスケさんがグーでルリさんはチョキという事なのです。

 1回目の勝敗が決したのです。

  

「一回戦、ウリスケさんの勝ちなのです!」

「グッグッグッ!」

「チャ〜………」

 

 ウリスケさんが右前脚を上へと掲げ喜びを表すと、ルリさんががっくりと肩を落とすのが目に入ったのです。

 

「では2回戦目に行くのです。双方よろしいのです?」

 

 もうこの際とっとと終わらせる意味でも勝負を決めるのが最善策なのです。

 なのでララの言葉に、双方が改めて気を引き締め次へと挑んだのです。

 

 そして勝敗の行方はやはり経験値の差がものを言ったのか、ルリさんの思惑を察したウリスケさんが最適手を繰り出したのです。

 ふむなのです。さすがのウリスケさんなのです。

 ルリさんが突き出したのは、手の平を思いっきり広げたパーなのです。

 

 ひるがえってウリスケさんの方は、後脚を前後に広げ両腕はグ〇コポーズの様に扇形に広げたのです。

 そうなのです。その姿が示すのはチョキなのです。

 

「チャ〜……チャ」

「グッ!」

 

 自身の手の平を見ながら涙目のルリさんなのです。

 そしてそこにひと声上げるウリスケさんなのです。(なんか前脚を脇に添えて“押忍!”と言ってるのです。なんだかな〜なのです………。はぁ)

 

「………コホンなのです。ではウリスケさんの勝利という事で、こちらに向かうのです」

「グッ!」

「チャッ!」

「あっ、ちょうっ………待ってなのです!」

 

 とりあえず勝敗の決まった事なので、ウリスケさん指し示した通路を指差し告げると、すぐさまそれに応じてウリスケさんとルリさんがそちらへと駆け出して行ったのです。

 そうなのです。脱兎の如くとはまさにこういう事なのです。

 ララも慌てながら、それを追う事となったのです。全く忙しないったらありゃしないのです。

 

 そんまま1本道の通路を進んで行くと、途中にいくつもの部屋があるのが目に入ったのです。

 チラリと見た感じですと、ララより少し大きめの黒光りする細長い楕円形の物体がその部屋にギッシリと詰まっていたみたいなのです。

 1本道をひたすら飛んで行くと、通路が終わりを迎え大きな部屋へと到着したのです。

 

「おふたかたとも!急に走し出したら危ないの―――――ん?………こ、これは」

 

 大部屋に入ると、そこにはウリスケさんとルリさんがいて興味津々とあるもの(・・・・)を凝視していたのです。

 

「グッグッグッグ!」

「チャッ!」

 

 その視線の先には、ララより小さい位の大きさでトロリとした黄金色を纏った珠だったなのです。

 そしてそれからはなんとも馥郁たる甘い香りが漂っていたのです。

 ふむなのです。何はともあれこれが一体何なのかまずは調べてみるのです。

 そしてララはその珠を見つめて【鑑識】を使ってみたのです。

 

「ほわぁっ!??これってまじなのですっ!?」

 

 ララがこれを見て驚いた結果がこれなのです。


 

星霊大樹の蜜玉:星霊大樹の■■を丸めて固めたもの. Lv− ☆☆☆☆☆

        

        大樹喰らいメガニバウムグラトニーが眷属の為に作りしもの

        甘く蕩ける甘味と旨味に頬が落ちる

        特に星霊大樹の■■から作られたものは、甘露というほか言葉が出ない

        (HP・MP完全回復)

 

「まっ、まじなのですぅ?」

 

 大事な事なのでとりあえず2度言ってみたのです。

 ララが驚き目を剥いてる中、ウリスケさんとルリさんはあぐあぐはむはむとソの蜜玉を食べていたのです。

 どうにもこうにもヤバ気なワードがあるものの、その香りに抗えずララもばくりと蜜玉を口にしたのです。

 

「っ!っ!っっ!!うっまぁ………はふぅ」

 

 まさに甘露。口の中に広がる甘みと旨みが素晴らしいハーモニーを奏で全身が蕩けそうな感覚に落ちいるのです。ふわわわぁ………。

 

「ウリスケさん!こっちのルートが正解だったのです!」

「グッグッグ!」

「チャ!チャチャッ!」

 

 ララがそう言うと、蜜玉を頬張りながらドヤ顔で胸を反らせたウリスケさんなのです。

 そしてそれにルリさんも感嘆する様に声を上げたのです。  

 “うりしーすっごーい”と。ん?あれ?

 

「グッ!」

「チャッ!!」

 

 一瞬何かが引っ掛かったのです。けど、ウリスケさんとルリさんの警戒する声にララも意識をそちらに向けたのです。

 

『『『『『『ギチッ、キチキチキチィイイ―――――――ッッ!!』』』』』』

 

 部屋の入口、つまり通路の向こうから大量のモンスターがカチャカチャと足音を鳴らしながらやって来るのが目に入って来たのです。

 リアリィ?なのです………。


 

 

 

 

(-「-)ゝ お読みいただき嬉しゅうございます

 

ブクマありがとうございます!感謝です! (T△T)ゞ

Pt評価ありがとうございます!励みになります! Σ(T人T) (パンパン!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ