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189.カアンセの街探訪

 

 

 姉に水を飲ませしばらくすると、状態異常【酩酊】から回復する。

 

「ふぇ~………。やっとだよ~」

 

 やれやれといった感じで腰を上げて姉が呟く。

 ショビッツさんは何やら用事があるらしく出掛けてしまってるので、家の中は静かなものだ。(ってか、僕達がいるのにいいんだろうか?信用されてるといえば聞こえがいいけど………ねぇ)

 

 家を出る時はそのまま何もせずに行っていいと言われてるので、僕達はそのまま戸を閉めてショビッツさんの家を出る。(不用心とは思うけど、まぁゲームだし)

 

「ラギくん、ラギくん!そんで、どこ行くの?」

 

 元気になった姉が僕に引っ付きながら聞いてくる。

 

「マスター!どこ行くです?ララがナビするのです!」

 

 そこに被せる様にララが僕の前を飛びながら言って来る。

 

「まずはスキルショップかな。あとは適当に見て回る感じかな」

「分かったのです!クラフターズナゲットにれっつらごーなのです!」

 

 ララが先行してピューと飛んでいく。

 そう結局【調理】スキルの上位スキルを買う事にしたのだ。

 姉がへたってる間暇だったのでステータスを確認してみて決めたって訳だ。

 んで、今のステータスはこんな感じ。


【名 前】 ラギカサジアス

【種 族】 エルフ族

【職 業】 ラビタンズの王様

【Level】 54

【ギルドランク】 D

 [HP] 530/530

 [MP] 820/820

 EXP 102800

 GIN 253420

   STR 113

   VIT 113

   AGI 216

   DEX 169

   INT 286

   WIS 224

   LUK 150

[メインスキル 5/5] 弓 手甲 風魔法 索敵 従魔

[サブスキル 11/12] 調理★ 識別 身体強化STR 身体強化DEX 水魔法

             調薬 遠見 鑑定 目打ち 針通し 打ち均し 

[装 備] 木の弓 銅の手甲 和装服 皮のよろい 皮のくつ 魔力矢のリング

[称 号〕 円門1の通過者 ラビタンズの王

〔従 魔〕 ララ〈妖精族〉 ウリスケ〈スピアボーア変異種:赤〉

〔アテンダントスピリット〕 アトリ

 

 LUKがバカ上がりしてるとかいろいろ変?なとこはあるものの、多分こんなもんなんだろうと思う。(と言うより他の人のステータス見た事ないから分からないんだけど)

 

 しっかし、よく勝てたなぁ~あのPvP………。

 

 相手のLv僕の倍以上だったみたいだし、ララのサポートがなければ今頃恐ろしい事になってただろう。うんうん、ありがたやだ。

 ちなみにララとウリスケのステータスはこんなのだ。

 

従魔モンスター

 

【名 前】 ララ

【種 別】 妖精族

【Level】 29

  攻撃力 53

  防御力 308

[スキル〕 土魔法 弓 曲芸飛行 案内 身体強化

 

  ※マスター:ラギカサジアス

 

従魔モンスター

 

【名 前】 ウリスケ

【種 別】 スピアボーア変異種:赤 (幼体)

【Level】 29

  攻撃力 473

  防御力 221

[スキル] 体当たり 火纏 噛みつき 引っ掻き 蹴り 叩き付け 緊急回避

      駆空 回転突き 器用 火耐性 水耐性 土耐性 風耐性

 

  ※マスター:ラギカサジアス

 

 正直これを見て思考停止って大事だなって思った。

 下手な考え休むに似たりとも言うし、こういうものだと思えばいいじゃね?という事にしておく事にした。(そんでウリスケのスキルがやたらと多い。従魔ってスキル生えるみたいだ?)

 

「ラギくん、ラギくん。スキルショップで何買うの?」

 

 道をスキップして進みながら姉が聞いてくる。

 

「うん、まぁ………【調理術】ってやつ?今のでも色々やれるんだけど、せっかくだから上位スキルってのとってみようかなってさ」

「ふむふむ、なる程。それもゲームの醍醐味の1つだもんね!」

 

 大分ご機嫌になって来てる、と姉の姿を見て安堵しながら話を続ける。

 

「後は武器と防具かな。さすがに初期装備から変えないとだし」

 

 そうなのだ。未だ木の弓と銅の手甲で皮鎧に靴とか、正直僕らしくはなかったのだ。(ゲームだとすぐに更新するタイプなのだけど、実際不都合がなかったので放置してたとこではある)

 一応ショビッツさんに聞いた所によると、商業区は北東に集まっていて通りごとにその種別が違っているらしい。

 なので先にスキルショップに寄ってから行こうと思ってる。

 

「マスター、到着なのです!」

 

 僕達がつらつらと話をしながら歩いていると、ララがスキルショップに着いた事を知らせてくる。

 あの店員さん2人会うのも久し振りだ。多分覚えてないと思うけどね、僕達の事なんか。

 

「よぉ〜〜〜こそ〜〜………何じゃ、あんちゃん達か〜………。らっしゃい、あんちゃん達」

 

 ドアを開けて中へと入ると2人が手を合わせて歌い出す、けど僕達と分かるやいなや歌うのをやめて挨拶をして来た。

 

「歌わないのです?」

 

 何気に歌を待ってたらしいララが首を傾げ、ロロさん、レレさん(確か)へと訊ねる。

 

「あれは一見いちげんさん用のもんやもの。そうそううちの美声は聴かせられんのや」

「グッ!」

 

 2人の言葉にウリスケが然もあらん!って感じで腕を組んで頷いている。………そうなんだ。僕には良く分からなかったけど。

 

「なぁ~~~に言うてんのやうちの美声がカアンセのNo.1やがな」

「へああっ?うちのがカアンセいちに決まっとろーが!」

 

 何なんでしょう。この50歩100歩に目〇そ鼻〇そでドングリの背比べな言い合いは………。

 

「へぇ~、生産者専門のスキルショップかぁ~面白~」

 

 店員2人をスルーして、スキルを見て回る姉が感心した様に呟く。

 

「「なっ!一見さん居るやんっ!!」」

 

 姉を見た店員2人ががくりと手を地面につけ跪く。………いつまで続くんだろう。この漫才。

 

「お二人ともそれより仕事をしてなのです。調理術スキルをお願いなのです」

 

 項垂れる2人をものともせずにララが本題へと入る。

 

「おっ、あんちゃん星ついたんか。頑張ったな~」

「大分経つねんけど、頑張ったな~」

 

 ………まぁ放置してただけなんだけど。なんとも生暖かい視線を向けてくる2人には言わなくてもいいか。

 

「まぁ、そういう事でよろしくお願いするよ」

「「ちょい待っててや!今持ってくるさかい」」

「「っっ!!」」

 

 「うちが持ってくるんや!「うちやん!」互いにおでこをガンガンぶつけ合いながら2人は奥へと行ってしまう。テンションたっかいな~………。

 そして姉は姉でいろいろスキルを見繕っていた。

 

「ゴミ拾いとゴミ浚いと~、うん、これも捨てがたい、あとこれも。あ、ダメだよルリちゃん。食べ物じゃないからペッしなさい」

「チャッ!ぺっ」

 

 あちらはあちらで楽しそうだ。いつの間にやらルリは姉に抱っこされてスキルカードをはむっていた。

 

「「待たせたなっ!あんちゃん!!」」

 

 2人して1つのカードを掴みながら戻って来た。

 

「いくらですか?」

「「50000GINや!」」

 

 おぅふっ!上位スキルだけあってお高いですな………。

 とは言え、手持ちはあるので代金を支払い【調理術】スキルを受け取る。

 

「店員ちゃん、これ下さいな」

 

 そこに姉がスキルカードを手にロロさんへ声を掛ける。

 

「おっ!ね〜ちゃん通やな。ほな、コレとかコレとかどないや?けっこー使える思うで」

 

 姉に応対するとロロさんがそう言いながら数枚のスキルカードを姉へと見せる。

 

「そういや、どやった?こん前買うたの?」

 

 レレさんが思い出したようにそう聞いてくる。

 そう、アレのおかげであのモンスターを倒せたようなものなのだ。

 

「うん、とっても助かったよ。おかげで死なずに済んだから」

「お〜!そうなんか〜」

「何やのん?その話っ!うちにも聞かせてや!」

 

 姉と話していたロロさんが食いついてきたので、かい摘んで話をして店を後にする。

 他にお薦めを持って来たけど、他に買う物の事を考えるとさすがに余計な出費を出す訳にも行かないからだ。(とりあえず後でという事で取り置きしてもらった)

 

 その後はショビッツさんに教えてもらった武器防具店で、弓と手甲と革鎧に靴を買い替えお金を大分減らした後、軽く街を見て回る事にする。

 この北東部部に当たる地区は、商業地区らしく多くの人が行き交い夜にも拘らず賑わっている。

 そうして街を見て回ってると、とても気なるものがあった。

 

 あちこちに、この前行った小さな公園にあった様なオブジェが目に入ってくるのだ。

 鑑定してもこの前に似た様なテキスト文しか表示されない。

 それは色違いであったり、形違いであっても皆同じだ。

 

オブジェ:三角柱に球体を組み合わせたもの

     “仁”の文字を宿している

     グルグル回転するようになっている

     4、8、12、24全てはここに集約する

 

 正直なんの事やらさっぱりだ。

 

「サキちゃん、知ってる?これ」

「ん〜〜何だろうね?わかんない」

「…………」

 

 目を逸らしながら姉がそんな事を言う。うん、知ってるね、こりゃ。

 なんとなくだけど、ショビッツさんが言ってたこの街の秘密とかの関係なんだろうな。

 すんごく面倒臭くなりそうなので、スルーしとこう。

 

「チャッ!」

「あ、ルリ。いじっちゃだダ………っ!?」

 

 オブジェを見ていたら、ルリが頭から飛び降りてオブジェをいじり出すと何かがガコンと嵌まった様な音がして、その上にホロウィンドウが現れ“仁”の文字が浮かび上がってくる。

 

「………さ、さぁ行こうか、サキちゃん。お昼ゴハン食べにログアウトしよ(もどろ)う!!」

「うんうん、そうだね!ゴハンゴハン〜〜!」

 

 ルリを抱え上げてとりあえず何も無かったという事にして、その場を後にする。

 きっと気付いた誰かがやるだろうから。うん。

 予定がなかったらやったかも知れないけど、これ以上の面倒事は御免こうむるのだ。

 

 


(ー「ー)ゝ お読みいただき嬉しゅうございます

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