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186.正義の名の元による断罪。らしいがどうでもいいかな

 

 

 

 あの宴会で物凄く酔ったんだけど、ログアウトするとキレイさっぱりと素面に戻ったので、ちょっとビクリしてしまった。

 でもララが言うには、またログインすると状態異常が起こるので、注意して下さいなのですと言われた。

 けど、注意ってどうすればいいのやらっていう話だ。

 

 翌日もいつもの時間に起きて日課を終えてアパートに戻ると、宅配業者の人が僕の部屋の前で立っていた。

 こんな早い時間にどうしたのだろうかと思いながら、その人へと挨拶をする。

 

「おはようございます。荷物ですか?」

「おはようございまっす!朝早く申し訳ありませんっす!」

 

 宅配って通常(ほとんど)は宅配ドローンによる配達が当たり前なんだけど(うちのアパ-トにも宅配ボックスが設置されていたりする。あんま使われてないけど)、特に指定されていたり荷物が多い時なんかはこうやって人が配達しに来る場合もあるのだ。

 

「こちらにサインお願いします。あとこちらにも」

 

 紙の配達伝票(父さんからの荷物だ)と電子伝票(これはホロウィンドウで表示したもの)へサインをして業者さんへと返す。

 

「え-と………どちらに運びましょうか?」

 

 伝票を見る限りLボックスが3個という事なので、申し訳ないとは思いつつ工房の方へと運んで貰う事にする。(ちなみにLボックスとは宅配規格の箱で縦横高さ1mの大きさのものだ)

 そんなでっかいものをアパートの部屋に置いたら邪魔でしょーがない。

 

「じゃ、こっちの建物にお願いできますか?」

「はい、かしこまりました」

 

 僕は業者さんを先導して駐車場を横切り工房へと誘導する。

 業者さんが配送車を工房前につけて、荷台から荷物を取り出していく。

 そして僕が工房を開けると、その中へと軽々と大きな荷物をひょいひょいと運び込んで行く。

 

「ふわ~………すご、」

 

 体格は僕よりも華奢なくらいなのに、軽々と荷物を運ぶ姿に僕が驚いてると、業者さんはニカリと笑って話してきた。

 

「中にパワアシスーツ着てるんすよ。これのお陰で大助かりなんす」

「へぇ~………」


 なる程~。身体に装着するロボットって訳だ。僕は思わず感心の声を上げる。

 運送業って一時人手不足で破綻しかけたけど、車両の自動運転化と国が補助した事で辛うじて命脈を保ち、現在はあらゆる技術を取り入れてそれなりに人も増えて、昔のような状態に戻りつつあるってニュースで言ってたと思い出す。

 いずこも人不足ってのは大変だなって話だ。


 荷物を運び終えて業者さんを見送ってから、とりあえず箱の中身を確認するため中を開けてみる。

 箱の一つは肉類が中にぎっしりと詰まっていて、次の箱の中には驚く事にFベジが数種類収められていた。白菜、ニンジン、ジャガイモ、大根と、相変わらず1つ1つがでっかい。でもこれをどうせいちゅうんだと突っ込みを入れそうになるものの、頂いたものは何とか活用しようと変な使命感が芽生えてくる。

 まぁ作れるもんなんてたかが知れてますが。

 

 そして残りの1つはやっぱりという物だった。

 父さん一体何をやったんだか。

 それでも姉の逆鱗を回避しようという思惑が見て取れてしまうので、分かったというか分かってしまった。

 前に姉を怒らせた時は、一ヶ月間ずっと口聞いて貰えなくてめっちゃへこんでいたのからだ。


 はぁ〜………仕方ないか、少しは姉のご機嫌を取るため色々作っておこう。

 まずは漬物かな〜。これだけのものなのだから、鍋とかでもいいけど。まずはこっちから作っとこう。

 置いといても困らないし、なんかこの前作った奴も気に入っていたみたいだし。

 僕はさっそくFベジを持ってアパートへと戻る事にする。

 

 こんな事ならアパートに運んでもらえばよかったと、ちょっとだけ後悔した。

 ひと抱えもある白菜と大根をキッチンテーブルにおいて、さっそく準備を始める頃にする。

 と言っても適当な大きさに切り分けて、タッパーに詰めてかーさん直伝の浅漬の素を入れるだけなんだけどね。

 ものがものだけに切り分けるだけでも一苦労しそうだ。

 

 とその前に朝ゴハンを食べておこう。

 適当に朝ゴハンを食べてから、白菜を縦に4分割して切り、横からひと口大の大きさに刻んでいく。

 大根は2cm幅に輪切りにしていき、こちらもひと口大に切り分けていく。

 あとはそれぞれ大きめのタッパーに詰めて、浅漬の素をひたひたになるまで入れて冷蔵庫へと入れていく。

 

 工房に舞い戻り再び箱を確かめていく。

 肉類はハム、ベーコンなんかの加工品がほとんどなので、これも運び込んで冷蔵庫へ入れておこう。う〜ん……スペースがちょっと、まぁ何とかなるかな。

 こうして肉の塊なんかを脇に出しながら漁っていたら、僕宛のものが下の方から出て来た。(2重底になっていた)

 

「ふぉおお………」

 

 思わず感動の声が漏れ位出る。そこには地方や海外限定のカップ麺が色々入っていたのだ。

 何気にサプライズ好きのとーさんらしい仕込みだ。もうちょい早く気付いていたら朝ゴハンに出来たのにと思いながらも(お昼に頂く事にするけど)、口元を緩ませながらいそいそとそれを抱えてアパートへと運び込んで行く。

 

 残りはお酒関係だけど、これは一旦ここに保管しとこうかなと考えてみて、ビール類2ケースと清酒にウィスキー類を次々と箱から取り出して工房の隅っこに置いておく。

 ビール類はいくつか持ってって冷やしとこかな。

 

 そんなこんなでアパートと工房を行ったり来たりで午前中を過ごして、昼は待望(大袈裟か)のカップ麺を頂く事にする。

 現在は地方限定の物なんかは当たり前に流通してるし、もちろんマルチューなんかにも置いてあるけど、それでも向こうに行かなきゃ買えない物もあったりするのだ。

 それはそれで旅の楽しみでもあったりするけど、最近はいろいろあって行ってなかったりする。

 まぁそれはさておき、早速頂くと致しましょう。

 

 僕が選んだのは北の方で売られてるらしい地方限定品だ。

 その名も“らーめん貝味一杯”。

 たぶん″かいみいっぱい”という風に読むんだと思う。なぜならフタ部分に、貝の出汁、貝エキス麺、具は貝の身が一杯!という風に書かれてあったからだ。

 

 たぶん三位一体あたりをもじったんだと思うけど、なんとも微妙なネーミングである。

 なんて事を思っていたけど、フタを取って中を見るとさーせんでしたと言いたくなる様なボリューミーなものであった。

 

 麺と具は真空パックされていて、スープは粉末ではなく液体タイプのもの。

 カップ麺と言いながらも、インスタントとはとても思えないクオリティーの高いものだ。

 具もホタテ(10cm程)が2つと、ぎっしりと詰まったアサリが真空バックに収められている。

 まさしく貝味一杯と言えよう。

 これを見ただけで期待は膨らみ、思わず口内に唾液が溜まってくる。

 

 早速お湯を沸かして、カップ麵の説明通りに麺と具を真空パックから取り出して、それらを入れてお湯を注いでいく。

 時間は4分50秒………ってなんとも半端な時間になってる。まぁいいや。

 

「ララ。4分50秒経ったら知らせてくれる?」

『はいなのです!任せてなのです!カウントスタートっなのです!!』

 

 ララがなんかノリノリだ。今日のアパート(ここ)のララは3号さんなのか?いや、どれもララなんで関係ないか。

 とは言ってもたかが4分50秒されど4分50秒だ。という事で間が空いたので、チャンネルウォッチングとしゃれ込む事にする。

 TVを点けてザッピングしてると、何気に気になったフレーズが耳に入ってきた。

 ササザキって聞こえたけど、何だろうか?なのでそのニュースに意識を集中する。

 

「…………え゛え゛ぇぇ~」


 これって確かとーさんが絶縁した実家の人間じゃなかろうか。僕はTVを見ながら独り言ちた。

 きっと姉はこれに巻き込まれたんだな〜と。

 父さんからとかく酷いとは聞かされてたけど、こりゃあ相当だなぁと思ってしまった。

 紛う事なく姉がド嫌う人間たちの所業を目にして、僕は溜め息しか出なかった。

 

 父さんのお母さんが父さん連れで嫁いでいたと言ってたから、血が継っていないのは救いかな。はへ〜………。

 何となく半目になりながらニュースを見てると、ララが時間を知らせてくれる。

 

『マスター!お時間なのです!』


 おおっと、僕はカップ麺のフタをピリリと剥がして、麺を解してからスープを入れてかき混ぜていく。

 

「あふ〜………」

 

 貝独特の香りが鼻腔を刺激してくる。何これやっぺ!

 まずは麺を掬い上げてズルズルと啜っていく。

 うまっ!麺にも貝のエキスが染みてる様で、噛むごとに味が湧き上がってくる。そこに同じ貝類なのにもかかわらず、違ったエッセンスを纏ったスープが何とも言えぬハーモニーを醸し出してくる。

 

「うっまっ!」

 

 やっべっ!うっまっ!!ほっぺがきゅううぅぅってなってくる。

 これはゴハンが必須なものだ!

 僕はすっくと立ち上がり炊飯ジャーからゴハンを山と盛って、再びカップ麺と相対する。

 

 麺を掬いゴハンの上に載せてズルズル。そして汁の染みたゴハンをパクり。うむっ!い〜のう。

 ズルズルぱくぱく。っ!待て、ゴハンはスープの中に入れて汁を啜りながら食べるべきだ。

 具のアサリとホタテの1つを口に頬張ると、海の滋味が口の中に広がってその香りが鼻に突き抜けて行き、再びほっぺがきゅうぅーとなってくる。

 

 麺と具を一緒に頬張りながら、一瞬躊躇して具を残して麺へと集中する。

 麺を食べ終えてからゴハンを中へと投入して軽くかき混ぜていく。思わず笑みが漏れてくる。ぬふふ〜うふふ〜!

 ズルズルとアサリとゴハンを啜り、ホタテをはむんと口に入れる。

 

「はぁ〜………美味かったぁ〜」

 

 これは父さんに感謝だ。このカップ麺は当たりだな〜と思いながら、容器を掲げてゴハンと共にスープと具を飲み干していく。

 

「だっはぁあああ〜〜〜っっ!ごちそうさまでしたっ!!」

 

 容器を卓袱台に置きながら、盛大に息を吐いて声を上げる。

 これは他の地方限定ラーメンも期待できそうだ。

 まぁ、無駄な抵抗ではあるけれど、他のカップ麺を目立たない所にしまっておく事にする。(どうせ姉には見つかるだろうけど)

 この後はウサロボの調整とAiとの接続具合を見る為、工房でウサロボを起動させた後ゲームにログインだ。

 

「うっ、………これは〜………」

 

 工房でHMVRDを被りログインするといきなりクラっと来た。

 おぅふ。クラクラしますな。現れたララ達に挨拶を交わすも、これは堪らんと広場のベンチの腰を下ろして水を飲む。

 これこれルリさんや、頭に乗られるとクラクラが酷くなるんだけど。

 

「チャ、チャ!」

 

 顎を頭に………まぁいいか。

 

「おうさま〜〜」

「おーさま〜〜」

「お〜みんなぁ元気か〜?」

「「けんきぃ〜」」

 

 そこにやって来たちびラビ達と挨拶を交わしてからモフりつつ回復を待っていると、ホロウィンドウが現れ誰かからの通信を知らせて来る。

 相手はハヤトくんみたいだ。どうしたのかな。

 

「来たのです」

 

 ララがこの上なく真剣な表情で呟く。ん?何だっけ。

 フレンドチャットってやつみたいだ。確か親指と小指を立てて耳元にあてるんだっけ。と手を動かすとハヤトくんと繋がり会話が出来る様になる。

 

「もしも―――」

『ラギっ!た、大変なんだっ!プロロアーノ商店街でっ!そんで、PC(プレイヤー)とおっちゃん達がっ!!』

 

 ハヤトくんが矢継ぎ早にそんなことを焦りながら言って来たけど、何とも要領を得ない。

 少し落ち着かせてはなしをきいてみると、何やらプロロアーノ商店街でPCとNPCで揉め事が起きてるとの事。

 その原因がなんと僕であるらしい。なので、僕が大丈夫なのかと急いで連絡して来てくれたらしい。

 

『そっか、大丈夫なんだな!分かった、でも気をつけろよっ!じゃあなっ!』

「ありがと、ハヤトくん」

 

 何ともせっかちだなぁ。とりあえず気になるので、プロロアーノ商店街に向かうとしよう。

 【酩酊】もようやく回復したので、軽く身体を動かしてからラビタンズネストを出てプロロアの街へと向かう。ちなみにルリはお留守番だ。 

 

「で、ララ。これって何なの?」


 事情を知っているであろうララに、走りながら話を聞く事にする。

 

「ゴーナルというPC(おバカさん)が行動を開始したのです。ここまで陰湿で陰険で姑息て小狡くて歪んでいるとは予想つかなかったのです」

 

 ララが呆れ気味に溜め息を吐きながら、そんな事を言って来た。

 とうとうおバカさんになってしまった。評価だだ下がりだな、あいつ。


 西門からプロロアの街へ入り、北大通から路地を抜けてプロロアーノ商店街へと向かう。

 通りを進むと中央辺りで、沢山の人が集まって声を荒らげて言い合いをしていた。

 

「うわ〜………。本当に僕の事、なんか言い合ってるよ」

 

 PCらしき男達がラギはあーだこーだ(ない事ない事)と言うと、お前バカか?誰だそいつはと商店街の人達(NPC)が言い返すという。まさに一触即発と言った雰囲気だ。

 やれやれと思いつつ、その空気を壊すように息をはああと吸い込み大きな声でPCへと怒鳴りつける。(あんま迫力ないけど)

 

「あなた達は人様に迷惑を掛けて集団で何をやってるんです!何様ですかっ!!」

「黙れっ!お前こそPC(プレイヤー)に迷惑をかけてるじゃないか!オレ達は全部知ってるんだ!」

 

 僕がみんなの前に出ながらそう言うと、正面にいた赤鎧を纏った男性PCが言い返してきた。

 なんか必死に肩肘張ってる感じを受けてしまう。

 

「あの人達が“正義の鉄槌ジャスティスジャッジメン”という名前でPvPを繰り返して、迷惑を掛けるPCを無理やり反省させてるネジが2、3本緩んでるPC達なのです」

 

 それはそれでどうかと思うけど、あのモヒカンいろいろ人を巻き込んでこんな事やってるんだな。ふ〜ん。

 そして赤鎧は僕がやったらしい迷惑行為とやらを1つ1つ上げていくんだけど、どれもこれも身にも記憶にも無いものばかりだった。(本当にない事ない事ばかりだった)

 

 僕と商店街の人達が首を傾げていると、赤鎧は口ごもり焦りだした。ん?どうした。

 そこに後ろから3人のPCが出て来て、なんだか分からないけどPvPの申請が送られて来る。

 とりあえず内容をしっかりと確認をする。

 ゴトの時にも思ったけど、これをちゃんと確認しないとけっこー痛い目を見る事が分かったからだ。

 

 案の定3対3(ララとウリスケ含む)というPvPで、アイテム総取りとか小さく記されていた。

 ………何なんだろね、これ。こんな茶番に付き合う気は毛頭ないのでNoを選ぼうとすると、ララがそれを止めて来た。

 

「マスター、このPvPを受けてなのです。あとこの画面をスクショで撮って下さいなのです。証拠なのです」

「分かった。でも負けたらどうするの?強そうだよあいつ等」

「大丈夫なのです!こちらに秘策ありなのです」

 

 ララが自信満々に言うのを信じて、スクショを撮ってPvPを受ける事にする。

 そして、ここからはララの独壇場だった。

 相手は両手剣使いと、短剣2刀流使い、そしてローブを着た魔法特化のPCの3人。Lvも100前後と中々の強さだと思う。

 

[5秒後、魔法が来るのです。右に2歩移動してなのです]

「ほい」

「ちっ!邪魔だっ!どけよっ!」

「っせ!てめぇが移動しろっ!」

 

 魔法使いPCの魔法を、両手剣PCを盾にして回避したり。

 

[コンボアーツが来るのです。5歩後ろに下がって弓を射ってなのです]

 

 両手剣PCが繰り出したコンビネーションアーツを範囲外に下がって無害化したり。(あれってスカるとめっちゃ恥ずいなぁと見てて思ってしまった。コンボアーツって………)

 こんな感じで前もってその行動が分かってしまえば、それも対処は容易くなってくる。(もちろん省略した言葉でララは言っている。5秒後(5s)魔法(Ma)、右2ってな感じで)

 

 ララがLvが上がった時に覚えたアーツ【ウィスパー】で、事前の行動を知らせて次の動きを指示する事によって、相手を翻弄し倒してしまった。(ララさんまじスゲー)

 途中短剣2刀流が苦し紛れにウリスケにナイフを投げるものの、逆にナイフを蹴り返されてダメージを受けてたりしてた。(オーバーヘッドキックって……)


 唖然としているPCを後目に、ララが説明を始める。

 これは悪意(僕に)を持ったPCが、その人間を貶める為に行った事。

 最初に上げたモンスタートレインと従魔のトレードも逆の話という事。

 その他の事は全部偽りの嘘の話であると、朗々と語っていく。(あの時の映像もいつの間にか撮ってあったのにはビックリした)

 

 先頭にいた正義のなんちゃらさんは黙りこむ中、一人のPCが声を荒らげて反論してくる。

 なんか騎士っぽい格好をした男性PCがこっちを憎々しげに睨んでくるけど、覚えがないなぁあんな人。

 そして赤鎧が騎士を問い詰めるも、騎士は他から聞いただけだとしらを切る。

 

 その間もララの話は続いて、そこでさっきの騎士PCの正体が明らかになる。

 なんとあいつこそがゴーナルだったという事に、びっくりだ。ララ知ってたんだよなぁ〜、これ……。

 って確かこのゲームってHMVRDに同梱してるからけっこーお高いと姉が言ってたはずなのだ。それを2つ!

 

 へぇ〜お金持ちなんだ〜と変なところで感心してしまった。

 そこで、なんかゴーナルが悪態をついて光のシルエットになって消えたかと思ったら、正義のなんちゃらさん達も消えてしまった。

 誰かが「ログアウトかよ」とか言ってたけど初めて見た。

 僕がおーと感心して見てると、ホロウィンドウが出て来てメッセージとアナウンスが流れてきた。

 

『“只今の当該PC(プレイヤー)は当ゲームに於いて著しく公序良俗に反した行為により、一時的にアカウントを停止しました”』

 

 その運営からの通達に、他のPC達も納得して皆この場を後にして行った。

 なる程。あんま酷い事やってると、アカウント消される事もあるんだ。気をつけなくちゃだ。


 この後僕は商店街の人達にお礼と頭を下げて誤り。この場は事なきを得ることとなった。

 皆がいなくなり人通りが元に戻ったところで、こわばっていた肩の力を緩める。

 ララはやり切った感満載の笑顔を見せ、ウリスケは2本足で立ち前肢を組んでぐっぐっと頷いている。

 

 たった1つの悪意がここまで大きなるってのは、この世界だからなのかあるいは人の性質、業と言った方がいいのか。いや悪意がなくても起きるのかな、多分。

 どう気を付ければ分からないけど、注意はしとこう。

 

「ララ、人間はどうだった?」

「はいなのです。まだまだキョーミ深いものなのです」

「グッグッグ」

「たれすと~」

 

 やれやれ、ほんと正義とかってどうでもいい話だ。

 この後、商店街で食材を軽く仕入れてからプロロアの街を後にして、ラビタンズネストへと向かったのだった。

 

 


(-「-)ゝ お読みいただきうれしゅうございます

 

ブクマありがとうございます!感謝です! (T△T)ゞ

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