表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/244

17.スキルもとめてショッピング

ブクマありがとうございます

 

 

 ララに何とか屋台の食べ物で手を打ってもらい、オートアクションプレイを解除してガンさんを呼び出す。


「ガンさん。良いですか?」

『うむ、武器の練習を終わるかね?』

「はい」

『これで、武器の使い方の初級クエストを終了する』


 ガンさんが、一瞬動きを止める。ん?フリーズでもしたか。


 ジャララジャジャジャジャーン

 [おめでとうございます すべて の 初級クエスト を クリアしました]

 [EXP 200 を 手にいれました]


 ピロコリン

 [サブスキル の スキルスロット が 解放されました]


 ピロコリン

 [アテンダントスピリット の スキル使用 が 可能になりました」


 次々と現れるメッセージに僕は目を丸くする。


『これで、全ての初級クエストを終了する。では、冒険を楽しみなさい』


 ガンさんの言葉と共に訓練場がタイルが剥がれるかのように下からだんたん消えていく。そして、ホワイトアウトの後、ギルドの受付前に立っていた。


『お疲れ様でした。初級クエスト達成おめでとうございます』


 職員さんが丁寧に頭を下げる。僕もそれに思わず倣うように返事をする。


「あ、ありがとうございます」

『初級クエストで言っていたと思いますが、スキルはスキルショップで購入することが出来ます。商業地区は北大通りの方にございます。薬草や、モンスターのドロップアイテム等はこちらで買取をしておりますのでよろしかったらご利用ください。じ―――――っ』


 職員さんがいろいろ説明しながら、こちらをじーっと見ている。

 ララは“ヤマト”の頭の後ろに隠れて姿を現す気はなさそうだ。


「じゃ、ありがとうございました。失礼します」


 『あ~』という力の抜けた職員さんの声を後ろに聞きながら、冒険者ギルドを後にする。

 隣では姉が僕の太ももを枕に寝息を立てている。食べてすぐ寝ると牛になるとよく言われるが、姉にはそんな様子が全く見受けられない。

 そんな姉を横目で見やりながら、ララに声をかける。行動指針はララに丸投げである。


「次は何をしようか?ララ」

『はい!スキルショップへ行くのです!!』


 ララが右腕ををシュタッと上げて力強く言った。


「スキルショップ?スキルを買うって事か?」

『そうなのです。スキルを手に入れると出来ることがいっぱいいっぱい増えるのです』


 大事な事なので2度言ったようだ。ふむ。


「んじゃ、その前に何か食べようか。ララは何がいい?」


 現在時刻は午後1時30分過ぎ、ゲーム内では昼間帯になっていた。


『あ!あれが食べたいのです。白くてふわふわしてるのです』


 屋台に近づきお店の人に注文をする。


「すみません。それを……2、いや、3個下さい」

『はいよ!120Gになるよっ。まいどっ!』


 注文すると自動的にやり取りが行われる。便利だね。

 時計台広場のベンチに座り、白くてふわふわしてるモノ[アイテム名:肉マンジュー]をコマンドでララに渡す。

 ララが嬉々として自分と同じ位の大きさの肉マンを抱えながら噛り付く。

 はぶっと白皮の部分を頬張り、ハムスターの如くホッペを膨らませはむはむと口を動かす。


『ん~~~~~☆』


 美味しそうにプルプル身体を震わせるララ。

 僕は取りあえずアイテム→使うで肉マンを食べる。満腹度は上がるものの味気なさに理不尽を感じるのは何故だろう。

 ララが大っきな肉マンを全部食べ終え、ケフッと息を吐いたのを見て移動することにする。


「商業地区は北通りでいんだっけ?ララ」

『ケフッ、そうなのです。スキルショップもそっちにあるのです」


 案内板でもないかと周囲を見回す。しっかし人が少ないなぁ〜。行き交う人達のマーカーは、ほとんどが黄色だ。ポーション目当てのプレイヤー達はいなくなったんだろうか。


「なぁ、ララ。例のポーション買い占めプレイヤーって、まだこの街にいるんじゃないのかな?」

『ちょっと待ってくださいです』


 スィーと上空に上がると何かを探し聞き取るように両手を耳にかざし周囲を伺う。

 しばらくすると“ヤマト”の元に戻り笑顔を見せる。


『大丈夫なのですマスター。プレイヤーの集団さんはいないみたいなのです。いるのはマスターと同じ新人さんなのです』

「そっかそっか」


 ハーとひと息つく。


「ん?じゃ不可視化してなくていんじゃないの?」

『もう少し様子見するのです』


 ギルド職員さんみたいな事もあるし、慎重なのはいい事です。ハイ。いやあれ?


「ってか、今何したの?」


 つか。何でそんな事が判るのか分かんない。え――っ?


『マスターのスキル【索敵】を使ったのです』


 はぁ?スキル!?いつの間に!!?


『初級クエスト終了の時に出来るようになったのです』


 そういや、そんなメッセージが出てたような気が……。


『これでマスターと一緒に冒険が出来るのです』


 クローズアップ画面でララが嬉しそうに笑って言う。


「そうだな。一緒に冒険しよう!」

『はいなのです』


 てなことを言いながら、スキルショップへ向かうことにした。

 ララのナビで北大通りをてくてく進むと、通りの中程にそのスキルショップが見つかった。

 チャコールグレーの重厚そうな扉の取っ手を掴んで引く。カランコロンと音がして扉が開く。


『いらっしゃいませー』


 そんな可愛い声が耳に入る。

 店内を見てみると8畳程の広さの部屋で、テーブルというか陳列棚の中にカードが入っていて、どうやらそれがスキルのようである。

 カウンターには先程の声の主であろう人物が立って僕らを見ている。


『どうぞ、ごゆっくりご覧下さい』


 ニコニコと笑顔で応対する店員さん。見た目は中学生位の女の子で紅い髪にツインテールがあどけない顔によく似合っている。

 店員さんの言葉に甘えて店内を見て回ることにする。ウィンドウが現れスキル類と値段が表示される。と言ってもそれほどの種類がある訳でもない。

 どうやらあるのは、魔法系と補助系のスキルのようだ。


「スキルはここにあるので全部?」

『そうですね。ウチで扱ってるのは、これで全部です。別の街に行けば他にもあるかと思います』

「なるほど。ララどうする?」

『とりあえず魔法全種と補助系をいくつか買えばおっけーなのです』

「ほうほう。ってこれ高くない?」

『問題無いのです。その為にお金を貰ったのです』


 おーこれを見越してって、んな馬鹿な………。ってありえるのぉ?

 次々に浮かぶ疑問もこういうものだと理解するしか無いのだろかと懊悩するが、無理矢理納得させて終わらせることにする。

 そういうことで魔法のスキル【火】【風】【土】を買って、他に【付与】【身体能力+】を買ってみることにする。


『しめて20,000Gになります』


 以前の僕だったら躊躇する金額に慌てることもなく支払う。


『ありがとうございました。またの御利用をお待ち申し上げます』


 店員さんの言葉に、僕もつられて返事をする。


「ども。ありがとうございました」

『マスターはお客さんなのでもっと偉そうにしていーのです』

「いやいや、“昔神様、今爆弾”って言うからねぇ、お互い気をつけなきゃ」

『そうなのですか?』

「うん、そうそう」


 昔はお客様は神様を崇め奉るように応対しようだったけど、今はいつどこで起爆装置が働くか気を付けながら応対するのだそうだ。幸い僕のバイト先ではそういう事は今のところ無いみたいだけど、接客業はなかなか大変らしい。

 などと考えながら、店を出て大通りへ戻る。

 さて、スキルの設定をしてみますか。


「ララ、スキルは全部有効化しても問題ないかな?」

『はいです。問題ないのです。あとメインとサブを入れ替えるといいのです』

「お、なるほど。んじゃこれとこれを移して2つを入れると………」

『はい、バッチリなのです。これでララも暴れるのです』


 いや、暴れるのはちょっと、ほどほどにお願いします。

 入れ替えが終わったので、ステータスを確認する。


【名前】 ヤマト

【種族】 人族

【性別】 男

【ギルドランク】 F

【Level】 7

 [HP] 120/120

 [MP] 50/50

  EXP 2120

  GIN 80150


  STR 16

  VIT 16

  AGI 14

  DEX 14

  WIS 16

  LUK 9


[メインスキル5/5] 斧 水魔法 風魔法 索敵 付与

[サブスキル 5/10] 調薬 採取 火魔法 土魔法 身体能力+

[装備] 鉄の斧 冒険者の服 皮のよろい+1 皮のくつ クリスタルアミュレット


 2日しかプレイしてないけど、なかなかのものだと思うが、いつもやってるゲームと勝手が違うのであまり良く分かっていない。

 まぁ、やってる内に分かればいいだろうと楽観的に考え通りを歩く。

 

 店の種類的には、武器屋、防具屋、道具屋、装飾品屋、あと食べ物屋ぐらいで、店によって扱ってる物が違っているようだ。

 いろんな店を見て回るがお目当てのモノが見つからない。


『マスター。何を探してるんですか?』

「んー、ララ用の装備とかって無いんかなーって」

『ええっ!?』

「ん?なんか変な事言ったか僕?」

『いいえ!でもララの装備なんて必要ないのです。それにこの街には無いと思うのです』

「そっかーないんかー。!じゃあさ、鎧とか防具って作ればいいのかな?どう」

『ええっ!?それは出来るかもしれませんが、本当に必要ないのです』

「でもさー。“一緒に冒険”するんだろ?だったら色々用意とかした方がいいんじゃないかな」


 僕の言葉にララは何かに射抜かれた様に硬直し、顔をにへら~と緩めて真っ赤になってこくこく頷く。


『マスターにおまかせするのです』


 何だかホッペに手を当ててくねくねしている。ん?どうしたんだろう。




(ー「ー)ゝ お読みいただき嬉しゅうございます


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ