俺のパツキン彼女が俺のおいなりさんに対してミステリーとか言っちゃってリア充爆発しちゃってんだが、俺の乳首の勃ち具合が半端なくハイパーエクスイリュージョンな件について(初潮社)
舞台は逢瀬ヶ浜。
某県某市の南東に位置するこの海浜は横に長くて太いソーセージのような海浜地帯である。
その名の由来の通り、平日ナイトは変質者(※ゲイの助)のハッテン途上国、そして休日ナイトは肉欲関係のリア獣の巣と化している。何でも、外からあひんあふんと言った嬌声が聞こえるそうだ。俺の近所の妄言ババァがそう言っていたから間違いない。
何でも、その海浜に訪れた男×女(男×男、女×女)は必ずと言っていい程……いや、九十九パーセントの確率でナニがナニの状態、つまりは肉欲関係に陥ってしまうというある意味恐ろしい伝説があるらしい。あれだ、どっかの木の下で告白すると漏れなくせっくるライフが楽しめるといったレジェンドを聞いたことがあるだろ?それと同じようなもんさ……まあ、そんなレジェンドは問答無用でファックス!って感じなんだけどさ。
……。
「いやっふぅ~~最高だぜぇ~~!!」
今、俺達の目前で豪快に夏の海をサーフィンなるもので身体全身で楽しむ獣が一匹。
奴は何を血迷ったのか柔道着(ピンクと白のストライプ仕様)を水着代わりに意気揚々と一人で夏の海を楽しんでいるのだ。何故そんなものを身に着けて泳いでいるかって?答えは簡単、彼奴は重度の柔道着フェチだから。ここでのポイントは彼奴が柔道フェチではなく、柔道『着』フェチだということだ。つまり彼奴は柔道の柔も知らぬただの変態野郎なのである。
「ガハハハハッ、どうだ、俺の華麗なる海さばきは。吾大……お前もそんなところで高みの見物してないで俺と一緒に青春の波に乗ろうじゃないか」
海から生還した柔道着フェチ野郎……もとい、十蔵正樹は黒くてガチムチな体格に似合わない人懐っこい可愛らしい笑顔を俺に向けて、下品な声を上げる。こんなゴリラ野郎に可愛らしい笑みを向けられても全然嬉しくない。むしろ鳥肌もんだ。青春の波?ぽえまーかお前は。お前の場合は性春の波だろうが。
「嫌だよ。俺、サーフィンなんてやったことねぇし……だいたい、お前みたいないかついゴリラがサーフィンなんてムー●ンに芋焼酎と同じくらいおかしいよ。そういうのはあれだ……色白イケメンの専売特許だろ?」
「まあ、そんな悲しくなること言うなよ。おう、お前はどうだ……陽、俺と一緒に青春の波に乗ろうじゃないか!」
「……やっ、やだよう……ぼ、ボク、か、かなづちだし……吾大ちゃん助けて……」
正樹に振られた俺のすぐ隣に座るオトコノコ、岱田陽は何故か身体をモジモジさせながら、頬を染め、俺の腕にしがみ付く。両の瞳に涙をため、今にも泣き出しそうな佇まいである。こいつのこういうリアクションは泣く子も勃てるモエキュン美少女そのものである。だがしかし、こいつはモエきゅぅん美少女ではない。そう、ただの男である。オトコノコである。だから俺はこいつに身体をぺとぺと触られても興奮しない、興奮しないのである。興奮しない……のである。
そして、驚くべきことに此奴の水着姿は女性用の紺のスク水だった。
……何だか頭が痛くなってきた、何だ?男が海パンって時代は終わったのか?今のオスの若者流行りは柔道着とかスク水とかか?俺が異質な存在なのかかかか……。
「『助けて』って……傷つくなあ、俺は化物かよ」
「夏の海で意気揚々とストライプの柔道着姿で水に滴る男……これだけでもお前は妖怪の類だよ」
「何だよ、吾大……俺の柔道着を馬鹿にする気か? 柔道着はいいぞお……コレを着ながらオ●ニーしてるとまるで学校で黒縁メガネの女教師とイケナイ事をしている気分になってものすんごい興奮するんだ、ハァはぁっ……」
そんなオ●ニー情報はいらない。
「やっ……やだ……オ●ニーだなんて……十蔵くんのえっち……」
陽は両手で顔を隠し、チラチラと指の間から俺の顔を見てくる。
……陽、そんな乙女な反応はいらない。
「だいたいお前らは何しに海に来たんだ? 大学四回生の最後の夏……来年はもう俺達社会人だぞ。この夏を楽しむために彼女をゲッチュするんじゃなかったのか」
「お前の波乗りと彼女をゲットするのとどう繋がるんだよ……」
「つながるぞぉ、つながっちゃうぞぉ……俺の華麗な波乗り→女の子が目撃→ギャーン正樹キュン素敵!→ラブホ→ずっこんばっこん→祝・脱童貞……ってな具合だ」
正樹は腕を組んで、鼻の穴を大きくさせながらそんなことをのたまう。
発想が古典的かつ浅はかすぎる……。ギャーンからラブホのくだりが過程をぶっ飛ばしすぎだろ……。
「だから、吾大、お前もやってみろって……サーファーは絶対にもてるぞぉ、俺が手とり足とり尻とり教えてやるからさ」
「そういうセリフは結果が伴ってからにしろなホモゴリラ」
「そ、そんな……で、でも……吾大ちゃんはボクがいるからそんなこと絶対にしないよね?」
陽は上目使いで瞳をうるうるさせながらそんなことを言う……陽、一体それはどういう意味だ?ことと展開によっちゃあ俺はお前を砂浜に埋めなくちゃあならない。
「あんたら、男三人して砂浜でなーにやってんのよ」
突然俺の首筋に冷たいものがつく。
すぐさま振り返ると、そこに小悪魔のように、にやにやと笑いながら俺達を蔑む女の子がいた。
「おお、瑠璃子じゃないか……もしかしてお兄ちゃんのカッコいい姿に濡れちゃったか?」
「ふざけんぢゃないわよこのゴリラ……だーれが、柔道着をオカズにしてる変態に興奮するかバカ」
「おい、俺は柔道着でオ●ニーなんかしてないぞ……柔道着を着てオナ●ーをするんだっ!!」
「同じじゃねぇかよ……てかお前は実の妹に自家発電を目撃されたのか」
正樹が反応すると瑠璃子と呼ばれた女の子はキレ気味でそう言う。
そうだ、信じられないことだがこの瑠璃子と呼ばれた女の子は正樹とは似ても似つかない正樹とは年子の妹なのである。赤髪のツインテールに二重瞼、瑞々しい水蜜のような唇、上から下までぼんきゅっぼんの泣く子も勃てる理想的なスタイル……そこにピンクと白のストライプのビキニときたらそりゃあもう……まともに見たら俺も勃つこと自信満々だ。だがしかし、この女、容姿端麗なのはともかく性格はとっても不細工なのである。……とくに俺に対して。
「まったく、ほんっっっとうにあんたらからは女のかおりがしないわね……ご愁傷様です」
瑠璃子は俺達三人の目の前で手を合わせる。
おい、それはいったいどういう意味だ?お供え物に腐ったご飯でも出てくるのか。
「おい……吾大、俺の腋の下って女の子みたいなふるーてぃなかおりしないかな……」
「したらこえぇだろうよ……てか、俺に擦り寄るな」
「ねえねえ、吾大ちゃん……吾大ちゃんの腋の下はボクのかほりでいっぱいだよね。だって、吾大ちゃんはボクの……」
陽はそれ以上何も言わずそのままクネクネしていた。
俺はボクの……何だって?誰か、可及的速やかにスコップを持ってきてくれ。
「ふふん、そんな可哀想なアンタらにきゃわいいあたしが餞別を持ってきました。感謝しなさいよ」
瑠璃子は得意げな顔してビニール袋を俺達に見せつける。
……自分で自分の事きゃわいいとかいう女ってどうなんだ、いや実際きゃわいいんだけどさ。
「はい、陽くんはゆずレモンジュースね」
「わあ、るりちゃんありがと~~」
「で、兄貴は麦茶」
「おう、サンキュ」
「あとは……じゃ、皆、楽しく惨めな気分でナンパに励んでね~~」
「…………」
瑠璃子は陽と正樹に餞別を渡すと俺には目もくれず、そのまま俺達の元から離れて行った。
な、何これ……放置プレイ?い、いぢめ……か?か、悲しくなんてないんだからねっ。
「まあ、吾大よ……どんまいける、だ」
「うっせえよ、あとネタが古いんだよ」
「まあ、あれだよ吾大ちゃん……今はやりのつんでれーしょん?ってやつだよ」
「もうとっくに下火だぞそれ」
てか、何で俺、陽にまで慰められてんだ。
まあ、兎にも角にも俺はあの女に嫌われてるってことだ。……べ、別に寂しくなんてないんだからねっ。
ふ、懐も寂しくなんてないんだからっ。今の俺の所持金は千五百円なんだからっ。
「……おっ、あいつ何か振り返ったぞ」
うーん、別に嫌われることした覚えないんだがなぁ……。
前に正樹の家に遊びに行ったときに一度会話を交わしただけなんだけどな。あん時は何故か、顔を真っ赤にさせて突然ビンタを噛ましやがった。正樹なんかはニヤニヤ笑っていたが、あれか、『あんた生理的に受け付けないのよ……なんかゴーヤみたいな体臭してるし』みたいな感じか。だとすると結構傷つくなそれ。
「ご、吾大ちゃん……るりちゃん物凄い眼力でこっちを睨んでるよ……うわっ、こっち来た……」
うーんうーん、わかりんぬ。
自分で言うのもなんだが、決して俺は正視に堪えぬ変質者のような醜い容貌はしていない……はず。
髭もそっているし、鼻毛も鋏で切っているし、体臭もお香でばっちりカバーしている。髪はあんまりいぢくるのが好きでないので自然体の髪だけど(要するにパーマン野郎)。要するに俺は最低限の身だしなみはしてるってこった。
……ああ、だめだ、いくら考えても嫌われる原因がわからん。……だよな、俺、こういう所が年齢=彼女いない歴の方程式を作り出している原因なのかもしれん。だからと言って俺は正樹の様にガツガツと食物をもさぼるゴリラのように彼女が欲しいわけではない。肉食系じゃなくてどちらかというと草食系なんだよ。そうさ、川の流れの様にただなんとなく気ままな魚の様に生きていくのが俺の生き様よ。
「……んのっ、馬鹿ッッ」
「ぶっ……」
もう一人の俺と脳内で会話をしていると、いきなり右頬に衝撃が走る……つまり打たれた。
見ると、瑠璃子サンが真っ赤な顔して涙目で俺を睨んで、今度は左手を振りかざしているではないか。
えっえっ、えっ……ちょっ、何これ……意味分かんない。村八分を受けて、さらに暴力で追い討ち?どんだけ、俺のことを嫌っているんだ、お前の存在すら許しませーんってか?
「ちょっ……待て」
「こ、こらあ……何で……あたしの……左ビンタを止めてんのよ……」
「いやいや、だから待て……殴られた意味が分からんのだが……てかもう一発打つ気かよ……」
「い、言うじゃない……『右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ』。さあ、あたしに打たれて!」
「なっ何だよそんな偉人の名言を引っ張ってきて、納得するとでも思ってんのか!? いくら女でもしまいには出るとこ出るぞこら!」
「え……や、やだ……『俺のカルピスをお前のたわわに実った乳の谷間にたぁ~っぷり出してやるぞぐへへへへ』だなんてそんな……へ、変態っ」
そんなことは言っていない。
この女、何か変なビョーキに疾患しているんじゃあないか。野生で育ったゴリラの妹だからこそありうる。
「まあまあ、せっかく常夏のビーチに来たんだから喧嘩すんなってお前ら……まあ? 兄貴としては妹が異性と仲良くすんのは何だか嬉しいような寂しような複雑な気分だが……」
ゴリラの正樹は何故かうんうんと頷いて、そう言う。
……その俺は全てが分かっていますみたいな悟ったような顔が何かめっさ腹立つな。
「な゛っ……だ、誰が……こ、こんな男……ごにょごにょごにょ」
瑠璃子は何か反論しようとするが、言葉に詰まる。
はいはい……分かってますよ、あたしゃ。どーせ、消えて目障り!お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!とか言うつもりだったんだろ?はいはい、どきますよお兄ちゃんは。俺はこの今のゴマアザラシのたまきんちゃんに往復ビンタされたような最悪な気分を転換するために浜辺を歩きたいと思っていたからな。
「正樹、俺、ちょっくらその辺を歩いてくるわ」
「あ、おい……」
「あっ、待って吾大ちゃん……ボクも行く!」
正樹が何か言いかけたが、俺は気にせず歩いて行った。
……横目で見ると、瑠璃子は下唇を噛み、何か言おうとしていたが俺はあえて見て見ぬふりをする。
これが、理不尽暴力女の仕打ちに対しての唯一の仕返しに思えたからだ。
「吾大ちゃんはとってもおモテさんだね……」
浜辺を二人で何となく歩いていると、隣の陽が突然そう呟く。
見ると、頬をミニトマトのように膨らませ、何かプリプリしている……何でこいつスネ夫君になってんだ?
「陽、それはモテない冴えないお坊ちゃまの俺に対しての新手の嫌味か?」
「むう……吾大ちゃんってば、ホント鈍感……ボクだって、吾大ちゃんのこと……」
そう言って、陽は何故か、もじもじとし始める。
……何これ、何この桃色空間。……ゾワワッ、俺……もう砂浜に埋まっちゃってもいい……かな?
「……ねえ、吾大ちゃん。もし……ボクが女の子で……付き合ってって言ったらどうする……?」
「こうか?」
バスッ
「キャン!」
俺が軽く陽の両肩を突き飛ばすと、彼奴は盛大に尻から砂上に盛大に転げた。
つまり棚から尻餅ってやつだ……ごめん、おいちゃん、つまらんギャグ編み出しちゃった。
「なっ、何するの吾大ちゃん!!」
「何するって……今から相撲取りごっこするんだろ? はっきょいのこった!」
「そ、そんなことボク一言も言ってないよう!!」
「だってお前が突き合ってって……ああ、スワンスワン。張り手の方じゃなくてフェンシングの方か。今から出刃包丁持ってくるな」
「も、もういいよ!! って、何恐ろしいこと言ってるの吾大ちゃん!! ボクを亡き者にする気?!」
ちっ。ばれたか。
冗談はともかく、何やら笑えない冗談を言われた気がするが……まあ、俺の気のせいか。
気のせいってことにしておこう。じゃないと俺は色々と目の前の彼奴に対する黒い衝動を抑えられそうにない。
「よいしょ……っと。でもさ、吾大ちゃん」
「あ?」
陽は尻についた砂をパタパタと払い、真面目な声して言う。
彼奴の姿が黒スクのせいか色々と目のやり場がつらい。アレがもっこりもこみち状態だとかパワーアップキノコの様相を呈していたら俺はきっと萎えちゃうだろう。だって……はみ出しちゃうじゃない?それはもう、あれだ、お袋に自家発電を目撃された後の気まずさみたいな様相になるだろう。
「十蔵くんじゃないけれど、どうして今更ビーチでナンパだなんて……古典的な誘いに乗っちゃったの? あれだけ、今までは女の子には全く毛虱ほどの興味を示さなかったくせに……」
「誤解を招く言い方をするなよ陽。別に俺は女に興味なかったわけじゃないぞ……正樹ほどじゃないが、人並みに乳むさぼりてぇとか、えーぶいの男優みたいに触りたいとかぺろんちょ舐めたいとか……そりゃ男だしそういう願望はあるぜ」
「は、ハッキリ言うね……」
陽は苦笑いして、俺から一歩距離をとる。
こら、男同士の会話で何故引く。此奴は偶によくわからん反応をするな。正樹が大学の視聴覚室でえーぶい鑑賞大会に俺と陽を誘った時でも、陽だけは顔を真っ赤にしてぶんぶんと首を振って断るし。まさか、生粋のチェリーボォイじゃあるまいし。玄人のチェリーボォイだったら決してこんな反応はしないはずだ。
「陽、お前……オ●ニーしたことあるか?」
「ぶふっ……お、おな……い、いきなり何言ってんの吾大ちゃん!」
「ほ、頬を染めるなよ……ぎゃ、逆に気持ち悪いぞお前。男同士の会話に何照れちゃってんの……もしかして、不能なのお前」
「し、失礼! 失礼だよ吾大ちゃん! ぼ、ボクだって……お、おな、ぷ、ぷしゅー……」
それから陽は茹蛸の様に顔を真っ赤にさせ、頭からなんか煙を上げる。
……大げさすぎるだろ、この反応。ま、まあ……なんだ、その、これ以上こいつをいぢめても誰の得にもなりゃしないからもう止めとこう。こんな反応されたら俺が引くわ。
「……まあ、俺のことはいいじゃねぇか。何となくだよ、何となく……あれだ、俺達三人はどこへ行くのも遊びに行くのもいつも一緒だったろ? ダチの同伴ってやつだよ。お前も知ってるだろ? 俺が奥手ってこと……別にナンパにビーチに行くってことに他意はねぇよ」
「むう、言葉を濁したね吾大ちゃん……ま、いっか。で、でも……それなら奥手同士のボクと吾大ちゃんで付き合」
「あ~、腹減ってきたな。俺、海の家で焼きそば喰おうかな……陽、お前何する? トリカブト丼でいいか?」
「吾大ちゃん、ひどい!!」
……。
そうだ、別に意味なんてない。
ただ、俺は……俺は……。
「リアルでビッチでワイフな彼女が欲しいだけだっ!!」
「だっだだだだ吾大ちゃん吾大ちゃん!! ふっ伏字っ伏字!!」
傍にいる陽はズッキーニの様な真っ赤な顔して、俺の身体を揺さぶる。
ふん、何を恥ずかしがっておるか、この主に下の方がぴかぴかつるつるマルちゃんは。知っているかい?使えるものを何時までも使わずそのままの状態にしておくことを……人はソレを宝の持ち腐れっていうんだぜ。使えるものというのは勿論……何を、エロイことを想像しとるか貴様はァー!!
「……何を、荒ぶってんのよアンタは」
俺が仁王立ちで童貞族の雄叫びを上げていると、ゴリラの国の王女様もとい瑠璃子がてとてとと俺たちに歩み寄って来た。先程の事があってか、瑠璃子は少し気まずそうな顔をしている。何だ?まだ、俺への精神的暴力が足りないから、お前をもっと殴らせるゴリよ……とかそんな感じですか?勘弁してくれたまいよ……。
「……何だよ、ゴリ子。今度はグーパンですか? チーパンですか? 痛いのは止めてよね」
「だっ誰がゴリ子よ!! ちっ違うわよ私はそんなんじゃ……」
俺が、ファイティングポーズをとると何故か瑠璃子は慌てた様子で余所余所しくなる。
……なんだこの反応は?違うって何が違うんだ?ゴリラの嬢王が何を発情してやがる。俺を叩きのめすと気持ち良くてコウ―フンしますってか?怖いな、おい……色々な意味で。
「ふふふっ、瑠璃子ちゃん」
「ひ、陽くん……!? ちっ違うのよ!? わ、わわわたっわたし。わたわたわた……」
陽が意味ありげに、ゴリ女に向かって微笑むと、瑠璃子はパタパタと両手を振って、さらに余所余所しくなる。……本当に何なんだ?わた……わた、腸?お前の腸を引き抜いて豚の肥やしにしますぅ~~ってか?怖いよ、おいちゃん……本当に。
「わたわた私は……ち、違うって言ってるでしょこのクソ野郎!!」
べちっ
うおっ。
顔に何か投げつけられた!?う●こかっ!?
瑠璃子は思いっきり、発狂すると俺に向かって「ばーかばーか!」とか言いながら浜辺の向こう側へ走り去ってしまった。……な、何なんだよあのメスゴリラは。てか、冷たいなこれ……投げつけられたものを手元で見て見ると。
「……いちごミルク?」
紙パックのいちご牛乳であった。
……、……。
これは、何か他意があるのか?お前はいちごみるくみたいなアママスクのイケメン君だから、ぺろりと喰ってやるよ(猟奇的にね♡)……っていう一種のマーダー的なメッセージなのか?お、おロシア……俺のちん●こちゃんは二センチほどちぢみ込んだ。
「……吾大ちゃん、ボクは応援できそうにないからね」
陽は瑠璃子の後姿をじっと見つめながら、そんなことを独り言のように呟く。
こいつもこいつで何を言っているんだ……童貞偏差値の高い俺には理解不能のようだ。誰か翻訳家を呼んでくれ……できれば巨乳のレースクイーンな子で。
ともかく……俺達、チェリーの夏はまだ始まったばかりだ!(棒)