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ハーデス
どうやら俺は死んだらしい
真山大河は深いため息をつき、まわりを見回した。
記憶の一片出てこない美しい飾りたち、その鮮やかで綺羅びやかで森羅万象さえ覆しそうな景色につい見入ってしまう。
「美しい」
そう全身で感じた。
だが違和感を感じた。これは虚像でしかないと存在しないのだと
はっと我に返る、俺はこの絵画に吸い込まれかけたのだ。美の怪物に押しつぶされかけたのだ。
冷や汗が全身に迸った。恐怖だ。美しさに対する恐怖。そんなものを感じた。
「ここはすべてが美しさで出来ている。他のすべてを擺脱させた空間なんだよ。」
「おいなんなんだよここ」
「ここ?一応アルハンブラ宮殿」
「なに?俺グラナダにとんできたの?」
「違うよ~空間としてかりてるだけさ。ここは死後の世界だがちょっと特殊だ」
神なるやつは息を整えこちらを注視する
なに?なんかこえーよ
「ここはハーデス・・・」
なんかどっかで聞いたな
「じゃなくて現世だ」
「じゃぁ生きてんじゃん」
「違うんだよ4次元みたいなもんだよ。ドラえもんのポケットの中だよ~」
「意味わかんねー」