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魔王と一般人。

―バンッ!

ここ魔王城の入り口のドアが勢いよく開いた。


「魔王!今日がお前の命日だっ!」

髪の長い女の子が俺をめがけて

大きな剣を持って走ってくる。


・・・俺は今日死ぬんだろう。


死を覚悟した。

女の子相手に魔法なんて使えねーし。

でも

女の子に殺される魔王ってダサいよな。

まぁいっか。

どうせもう俺はこの世界には入れなくなるんだし。

「はあぁああぁっ!」


―ガシャンっ!


「・・・。」

目の間を見ると足のすぐそばに剣が地面に突き刺さってる。

彼女は俺の座っている椅子の前の

階段に倒れている。


「くっ・・・。やるな・・魔王めっ!」

「いや、俺なんもしてねぇよ。

というか階段でつまづいたよな?」

「・・・。

これが魔法というものなのか・・・っ!」

「無視かよ!」

「でも次こそは・・・っ!」

「・・・まだやるんですか。」


彼女は頑張って剣を抜こうとしている。

だが剣はなかなか抜けない。


「むぐぐ・・むぐっ!」

「・・・・。」

「・・・ひゃっ!」


剣は抜けるが彼女は後ろ向いて

こけてしまう。


「うにゃーっっ!」

「大丈夫ですか?・・色々。」

「むぅ・・。はいっ!」

彼女は勢いよく手を挙げる。


「質問!」

「俺に?」

「えっとね・・・」

「話始まるのかよ!」

「どうやったら魔王に勝てるんだ!?」

「俺に聞くんかい!」

「怪我とかもうしたくないんだけど。」

「知らんわ。」

「それで私考えた!」

「何を?」

「お互いをよく知らないから

私は負けたんだと思います。」

「関係ないよ!」

「ということで私から先に自己紹介するー。」

「え、始まるの!?」

「私は勇者(仮)のメルアだ。」

「(仮)なんかい!」

「好きな食べ物は卵で

嫌いな食べ物は卵の殻だ。」

「卵の殻って食べ物じゃねぇええ!」

「以上です!」

「以上かいっ!」

「次、魔王だ。」

「俺もやるの?」

「うん。」

「えー・・っと魔王のリアだ。

好きな食べ物はない。

・・・以上。」


「よぉーし!

これで魔王を倒せる!」

「どこからその自信が来るんだよ・・。」

「魔王!勝負!」

「また闘いか?」

「違う!じゃんけんだ!」

「なぜ!?」

「闘いは私に向いてない・・。」

「だろうね。」

「ということで!勝負!」

「え、始まるの!?」

「じゃーんけーんポンッ!」

(勇者(仮)チョキ・魔王グー)


・・・勝ってしまった。


「むぅぅう・・。

魔王のばーかばーか!」

「なんで俺罵られてんの!?」

「でもしょうがない!

私は伝説の勇者の子孫とかじゃないし。」


「え?」


「一般人!」

「えー!

じゃあなんで俺倒しに来たの!?」


「私、今日お母さんと買い物に行ってた。」

「へぇ?」

「で、レジに並んでるとき

ふとこう思った。」

「?」

「あ。魔王倒そう!」

「なんで!?」

「ということで買い物の帰りにそのまま来た。」

「だから私服だったの!?」


彼女の服は鎧もなくただの服だった。

おかしいなぁとは思ってたけど。


「でも剣はどこから?」

「魔王上の扉の前にあった。」

「えー!」


「あ、六時だ。」

「?」

「家に帰る!

明日こそは絶対に倒す!」


「明日も来るのかよ!?」


―こうして魔王と勇者(仮)のちょっとおかしな物語が始まった。―

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