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臆病な魔法使いは、失敗しないように生きている 〜小学部編〜  作者: 南山


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第39話 姉ちゃんのこと



初めて会ったレオの姉。

ガイルの心は、まだ名前のつかない感情に揺れます。


今回はガイル視点のお話です。





――初めてみた姉ちゃん――


なんだ、あの可愛らしさ。


あれが、レオの姉ちゃんだなんて。

おかしいだろ。


レオは、はつらつとしてて、いい奴だ。

大好きだ。

でも、姉ちゃんは――


あの伏せた目。

長いまつ毛。

すっと通った鼻すじ。


市場に行く時だって、ジャックと手をつないで、

ちゃんとお世話して。


……なんか、ずるい。


今思えば、俺と手をつないだって、よかったよな。

言えばよかった。


あの時はびっくりしてて、

そんなこと、思いもよらなかったけど。


そういえば、ネックレス買ってた。

姉ちゃんくらいになれば、ああいうのも買うんだな。

俺には、まだよく分からないけど。


――そういえば。


オリバーも、姉ちゃんのほう見てた気がする。

いや、そんなことないか。


あいつ、だいたい下向いてるし。

別に照れてるとか、そういうのじゃない……と思う。

違うと思う。

でも。どうなんだろ。


――姉ちゃんがかっこいい――


あの、姉ちゃんの風魔法。

すごかった。


俺たちじゃ全然できないのを、

一発だぜ?


レオは「高学年なんだから」って言ってたけど。


見た時、

俺、ちょっとぼーっとしちまった。


すごいなあ。


レオ。いいなあ。

レオになりたいなあ。


俺だったら、毎日一緒に学校に行くし。

なんかあったら、すぐ守るし。

俺のかっこいいところ、ちゃんと見てもらうんだ。


そんで――

褒めてもらえたら、最高だ。


――勝手に想像――


そう言えば、そろそろ白鳥祭りだ。

姉ちゃんは、レオと行くのかな?


俺も一緒に、いいかなあ?

いいよな?


今度レオに聞いてみよっと。

手、つないでくれるかなあ。


楽しみだな。


――悩み事――


「おい、ガイル。どうした?」


「もうお昼だよ。食べるよ」


レオとオリバーが、俺の顔を覗き込んでた。


頭をぶんぶん振る。


「どうしたら、俺に姉ちゃんができるかって、考えてたんだ」


「はあああ?」


オリバーの目が大きくなる。


「おまえなあ……ほんと、よく考えろよ!」


レオは指をこめかみに当てる。


……俺、そんなに変なこと言ったか?


椅子を倒して、天井を見る。


よくわかんないや

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