VR世界戦争
バーチャル戦争
そんな単語を聞くようになったのはいつ頃からだろうか。
最初はSNSで小さく噂されている程度だった。
バーチャル戦争ーそれは戦争もVRの世界で決着をつければいいのではないか。という物だ。
人間は昔から戦争を行なってきた。戦争をする事で自国が豊かになるからだ。しかし戦争には犠牲が伴う。
戦うには兵力が必要だ。負傷兵を受け入れる救護班が必要だ。相手と対等以上に渡り合うための兵器が必要だ。
そしてそれらをもって相手の国の兵士を殺し、土地を奪い、蹂躙する。それが戦争だ。
こんなことが許されていいのだろうか?
いいはずがない。しかし人は争うことを止めることが出来ない。なぜなら欲深いから。自分の国のために他の国を蔑ろにできるから。
全ての人間がそうだというわけではない。ただそういう人間が1人、2人と増えていくうちに、自然と戦争をする流れになってしまう。
国を守るという意味では大層なことなのかもしれないが、それをなすために何十、何百、何千人という命が失われることは果たして正しいのだろうか?
そんな風に疑問を持ったお偉いさん達が目をつけたのがVRだ。
2030年。バーチャル技術は数年前とは比べ物にならないくらいに進化した。
バーチャル世界にダイブし、現実世界と同じ生活ができるレベルにまで達した。
考えたのだ、これを使おう。と。
バーチャル世界はもはや現実世界と遜色ないほどに完成されている。
ならば、バーチャル世界に現実世界と同じような地形、環境を形成し、その上で戦争を行えば良いのではないか?と。
つまりシミュレーションである。
現実世界で行えば確実に死者が出る。地形にも影響を与える。場合によっては地球に住めなくなってしまうかもしれない。
しかしバーチャル世界ではどうだろうか。死人は出ない。環境破壊も起こらない。
もちろん納得しない国もあった。しかし誰しも好きで争っているわけではない。大多数の国がこの案に賛成し、反対派の国に圧力をかけた。現実世界でもまだ完全に戦争がなくなるわけではない。そこら辺は複雑なのだ。
しかし確実に戦争はVR上で行われることが増えるだろう。
これ以上無駄な血を流したくないならば。
山元龍介は緊張していた。龍介は現在、VR戦争の兵士として採用してもらうために、試験会場に来ている。
全員がVR戦争に赴けるわけではない。VR機器にも量に限界があるのだ。
だからこそ面接を受け、VR上で実技を行い、優秀だった者だけを採用する必要がある。
緊張するのも無理はないだろう。
「龍介、お前もきたか」
彼は切原瑞樹。龍介の親友だ。
「あぁ。お国のために頑張らないといけないからな」
軽口をたたく。本当に国のために戦いたいというわけではないのだ。
「国のためぇ?嘘つけよ。本当は支援金が欲しいんだろ」
VR戦争の兵士になったものには支援金が配られる。日本は基本的にVR上でも戦争を行うことはない。そもそも別に本物の戦場じゃないし、ショック死を防ぐために痛覚もある程度遮断されているのだから必要ないんじゃないかと龍介は思っているのだが、せっかく貰えるのだ。貰っておくのが利口だろう。
「まあそうだな。今の仕事じゃ稼ぐに稼げん。弟達の学費も稼がないといけないしな」
龍介には2人の弟と1人の妹がいる。両親が蒸発してるので自然と学費は龍介が払うことになる。
「お兄ちゃんしてんなぁ…俺もお前のとこみたいに可愛い弟と妹が欲しかったよ」
「お前の妹はわがままなんだっけか?」
「そうそうこの間なんてさーーーーー」
しばらくの間雑談を交わす。親友といつもの調子で話したおかげだろうか。心なしか緊張も緩んできたように思える。
「だったんだけど------っとそろそろお前の番じゃねぇか?」
どうやら順番が回ってきたらしい。重い腰を上げ、扉の前へと向かう。
「がんばれよ」
親友が言う。お前もな。と呟いて龍介は試験に臨んだ。
思い付きで書いた話です。
文章の書き方の練習として書きました。おかしなところやここはもっとこうした方がいいんじゃない?などと思う箇所があれば、バシバシ指摘して下さるとありがたいです。アンチも歓迎。意見は大切にしていきます。
会話させるのって難しいね……




