表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
朗読・台詞倉庫  作者: 拾伍
朗読台本
6/6

私の心落ち着く空間。

門をくぐり抜けると

空気が変わる。


庭園の飛び石を渡り

つくばいのもとへ向かう。


水を汲み上げ、手にそそいで清めていく。

水の涼しげな感触を感じる。

すると聞こえてくるのは琴のような音色。


つくばいと水琴窟により

真夏でありながらも涼しさを感じられる。


手を清めてむかうはにじり口。

体を縮こませ、にじって入れば

い草の香りに包まれる。


ここが私の落ち着く場所。


水屋に並ぶ道具たちが出番を待っている。


まずは風炉と御釜の用意。

今日の一杯の為に湯を沸かすのだ。

美味しい一杯の為に。


床の間に香炉を置く。

私の好きな白檀。

茶室内に柔らかな香りが広がる。


茶室内の準備が整った。

いったん水屋へと戻り、水指を手にして位置につく。


右手、左手、右手。

障子をあけて一歩、また一歩。


点前のはじまり。


一歩、一歩と

自分の足が畳を擦る音を聞く。

どんどん無心になっていく。

体が勝手に動いていく。


袱紗をさばいて道具を清めていく。

湯が煮えたぎる音がする。

水指から一杯の水を御釜の中へ。

すると音が変わり、静寂に包まれる。


茶筅で茶を点てる。

茶の香りが立ち込める。


今日は自服。


一口、二口、三口…最後のひと啜り。

自服でも、至福の時間。

口の中に広がる苦み、甘み、香り。

御茶を濁さずに点てられた。


御茶の香りと。

白檀の香りと。

ゆっくり流れる時間と。


これが私の心落ち着く空間。

無心になれる幸せな空間。


時々浸りたくなるこの空間と時間に。

心が落ち着くこの空間に戻りたくなるのだ。

疲れてるときは特にそう思う。


この空間、時間を

私はこれからも守っていきたい。


end

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ