第二話「歴史って変わるもの」
史実、変わってしまったよ。
それにしてもお忙しかった陸軍大臣が俺に何の用だろうか?
戦車を主力とする計画もご理解されてるし、何も不満はなかったはずだ。
とすると何か重要な話なのか?
「失礼しますっ」
「おお来たか参謀総長。待っていたよ」
「峯光陸軍大臣、珍しく参謀本部に来られましたが・・・何かお話が?」
俺が聞くと陸軍大臣はニコニコしながら一つの書類を渡した。
「これは・・・?」
「先日の陸海軍の重要会議で決まったことなんだが、まあ読んでみたまえ」
・・・まあ陸海の重要会議で決まった事ならきっと俺にも重要なのだろう。
「えーっと・・・『男女問ワズ軍ニ入隊可能トナル』ですか・・・ん?」
見間違いかな、もう一度読んでみよう。
・・・本当に書いてある。
「はあああああ!?なんですかこの書類!?」
「いやなぁ。実は我が国には軍に入りたい女が多いらしくてな、ちょうど会議でその話が出たら決まってしまったんだよ」
「・・・・・・」
なんか急に大幅に本来の歴史から変わってしまったな。
まあでも流石に参謀本部にまではこれるはずがないしな、優秀な軍人が増えるのは良いことだ。
「さてっそろそろ良いだろう。入ってきたまえ」
『はいっ!』
「え?」
ドア越しに聞こえてくる綺麗で絶対に男ではない声、まさかとは思うが・・・。
そして扉が開き現れたのは長い髪を縛っている綺麗な女性、現代でいうポニーテールですねこれ。
透き通る瞳に綺麗な肌、すげえなこの時代にもこんな見た目の女性いるんだな。
「急だが紹介しよう、これから君の副官となる琴宮 文音少尉だ」
「こっ琴宮文音であります!」
「・・・・・・」
やっぱりかー急に配属させるんだもんなこの陸軍大臣は、どうしたもんか。
「じゃあ私は帰るから後はよろしくー」
あっ帰りやがった。くっそーこの状況どうすればいいんだよ。
ほら近くで見てた俺の部下がめっちゃ驚いてるよすげぇ大量にお茶こぼしてるし。
「あのっこれからよろしくお願いします参謀総長殿!」
「いや別に殿は要らないよ、参謀総長で大丈夫だ」
「わかりました。参謀総長!」
・・・やれやれ、これからどうなるのやら。
日本の夜明けである。