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第12話:二次試験①

 剣技試験で使われた丸太が撤去され、二十ブロック……総勢二百名が校庭の中央に集められた。


「えー、二次試験の説明を行う。二次試験は魔法と剣技の総合力を見る。えー、AブロックとBブロック、CブロックとDブロックという風に分かれてもらい、それぞれ模擬戦をしてもらう。えー、ここに残った者ははっきり言って、全員が勇者に慣れる素質がある。……だが、全員を入学させるほどの枠が無い。入学定員は百名、この模擬戦で勝った者を合格者とする」


 ざわめきが起こった。


「そんなの、たまたま強い人と当たったら……」


「こんなの理不尽だよ!」


「もっと別のやり方があるんじゃないの!?」


 試験官はコホンと咳払いして、


「えー、勇者学院の入学生は、全員が勇者になるという志を持って入学してくる。――だが、勇者という者は、厳しいようだが魔王に、魔族に、魔物に勝てなくてはいかんのだ。ここぞという勝負どころで勝てる者でないと、命を落とすぞ」


 試験官の強い語気が効いたのか、周りからざわめきが消え、静寂に包まれる。


「えー、それでは二ブロックごとに分かれてくれ」


 試験官の指示でAブロックとBブロックが固まる。

 チラッとKブロックの方を覗いてみると、セリカも二次試験に来ていた。

 この中では唯一の知り合い――否、友達だ。ぜひとも一緒に合格したい。


「えー、よし集まったな。では、Aブロックの一番目の受験生と、Bブロックの一番目の受験生で模擬戦をしてもらう。審判は俺が務めよう。魔法と剣、どちらを使っても構わないし、両方使っても構わない。では、用意しろ」


 俺の前の順番だった二人は、二人とも二次試験に進んでいた。

 だから俺は三番目。……慢心せず、しっかり決めないとな。


 ……と。

 その頃、JブロックとKブロックでも模擬戦が始まろうとしていた。

 Jブロックの方は見知らぬ女だが、Kブロックの方はセリカが模擬戦に臨んでいる。


 Jブロックの女は剣を構えているのに対して、Kブロックのセリカは剣を持っていない。魔法のみで戦うつもりなのだろう。


 模擬戦が始まり、Jブロックの女が剣を両手に持って斬りかかっていく。セリカはその攻撃を正確に見切って、バックステップでかわす。


 早口で詠唱して、【炎球】を地面に放って弾幕代わりにすると、空から相手に向かって【炎球】を降らせた。剣の女もただやられているのではない。


 【炎球】を丁寧に剣で切り裂き、攻撃を避けている。――だが、セリカの方が上手だった。

 敵が魔法に気を取られている隙に素早く背後に回り込み、背中を押したのだ。


 姿勢を崩した剣の女は、【炎球】の一撃をくらい、地面に崩れる。

 ――そこで、試験官が止めた。これ以上続けると、命の危険もあったからだ。


「そこまで! 勝者、セリカ・エイミス」


 おおおおっと歓声が起こる。他のブロックの模擬戦と比較しても、かなり盛り上がっていた。どちらも良い勝負をしたということらしい。


 最後はお互いに握手を交わし、敗者は校庭を去っていった。

 これで、セリカは合格したということだ。


「えー、次――AブロックとBブロックの三番目」


 おっと、俺の番が来たようだ。

 俺は剣を手に取り、Bブロックの相手を待つ。


「待たせたな――ってお前は……!」


 Bブロックの三番目の相手――それは今朝セリカを口説いていた貴族の男だった。

 まさかこんなやつが二次試験まで駒を進めていたとはな……。


 もし俺が負けてしまったら、こいつが勇者学院に入学する。そうなれば、セリカは三年間ずっと不愉快な思いをしてしまう。……そんなの嫌だ。


「お前だけには絶対に負けない。セリカのためにも、絶対に勝たせてもらう」


「上等じゃねえか。さっきの恨みをここで晴らせるとは、偶然とはいえよく出来てやがる。お前を排除すれば、高貴な俺様を邪魔する奴は他にいねえ。てめえにはいなくなってもらわないとな!」


 試験官は俺たちの言葉の応戦を気にすることなく、試験を開始した。


「試験始め!」

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